そもそも何のため? 延滞したらどうなる? 「自動車税」の疑問を東京都に聞いてみた

クルマを所有している人にとって、毎年この時期は憂鬱と言っていいでしょう。そう、「自動車税」の納税通知書が届く時期です。自動車税は4月下旬~5月上旬に各都道府県から納税通知書が届き、5月中に納付しなければならない税金で、この時期になるとSNSやネットメディアなどで話題になります。

もちろん、納付は義務付けられているので、ほとんどの人は納付していると思いますが、「この税金がどのように使われているのか」「なぜこの税額なのか?」などを知らない人も多いはず。延滞したらどうなるのかも気になるところ。そこで、東京都主税局に、自動車税にまつわる疑問を聞いてみました。

そもそも自動車税とは? -自動車税の基本-

Q.「自動車税」の成り立ちについて教えてください

「自動車税」は、昭和25年7月31日に施行された「地方税法」のひとつです。自動車が走行する道路の拡張・補修費として、また「自動車を所有できる人は、税金を納める余裕のある経済力がある」という「ぜいたく税」という面で課税が開始されました。

Q.「自動車税」はどんな用途に使われているのでしょうか?

現在「自動車税」として納付された税金は、福祉・教育や公共物の整備、市民の生活を守る警察・消防・救急など、多岐にわたり有効活用されています。東京都の平成28年度決算で、自動車税の税収は約1,046億円です。

Q.納税の時期について

東京都の場合。5月1日に自動車を所有(ナンバープレート登録)している都民に納税通知書を送付します。納付期限は5月いっぱいです。納税通知書は、お住まいの自治体に希望すれば4月中に受け取ることもできます。

納付方法は、「都税事務所・自動車税事務所・金融機関・郵便局・コンビニエンスストア」での現金納付のほか、ATM・インターネットバンキング・モバイルバンキングといった「ペイジー決済」や専用サイトでのクレジットカード決済が可能です。

Q.自動車税の「重課税」とは何でしょうか?

「新車新規登録から13年」を超えると、ガソリン自動車は「概ね15%」の重課税が適用されます。重課税は、環境負荷軽減基準に基づいて適用されるものです。重課税の基準を「環境負荷=排気ガス」にすることで、納税者にわかりやすくしています。ただし、「電気自動車」、「ハイブリッド車」、「燃料電池自動車」、「メタノール車」、「天然ガス自動車」は適用外となります(平成31年3月31日まで)。

Q.障害者には減免制度があると聞きました

身体機能に障害を持つ方が運転するクルマ、もしくは生計を同じくする親族が所有するクルマに適用されます。「納税通知書に記載された納期限まで」に、都税事務所などで申請しなければ減免は適用されません。東京都主税局のホームページにて減免申請書がダウンロードできます。

とにかく早く相談を! -納付に関するトラブル-

Q.期限内に納付できないとどんなことが起こりますか?

納付期限(5月31日)を超えてしまうと、翌日以降「延滞金」が発生します。平成29年度では、「期限の翌日から年2.9%、1ヶ月を超えると年9%」が納付まで、毎日発生します。ただし延滞金は「1,000円未満」は切捨てされます。

延滞金=滞納税額 × 延滞日数 × 延滞金率 ÷ 365

東京都は、未納付の方にまず「督促状」をお送りします。電話による納付案内も行う場合もあります。それでも納付が確認されない場合は、東京都は対象者の給与、口座、クルマなどを「差し押さえる」権利を得ます。その間も「督促状(催告書)」を送付し、納付をお願いしております。

経済的理由など、何らかの理由で納付期限内に支払いが難しい場合や、督促状・催告書が届いても納付が難しい場合は、すみやかに各自治体・税事務所に連絡・相談をしてください。

Q.クルマがないのに納税通知書が届いた場合

納税通知書は、4月1日時点で車両登録されている住所に発送されます。売却などでクルマを手放したのに納税通知書が届いた場合は、自治体ではなく売却した自動車販売店に相談をお願いします。

納税は義務。期日までに収めよう!

クルマを持っている人なら、誰もが収めている自動車税。こうして改めて聞いてみると、知らないこともたくさんありますね。さらに自動車税について詳しく知りたい方は、東京都主税局のホームページや各自治体のホームページで案内されています。また、納税通知書には自動車税についてまとめられた小冊子が同封されてくるので、届いた際はチェックしておくとよさそうです。是非が問われることもある自動車税ですが、納税は義務。期日までにしっかり収めたいものですね。

(取材・文・写真 クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]