民間の駐車場でもETCカード決済ができる? 「テクノフロンティア2018」レポート

4月18日~20日の3日間、幕張メッセにて「テクノフロンティア2018」が開催されました。メカトロニクス・エレクトロニクス分野の技術と製品設計を支援する専門展示会です。今回はその中からクルマ関連の展示と、同時開催された「パーキングシステム・設備展」のブースをピックアップして紹介します。

●株式会社東陽テクニカ/ドライバーモニタリングシステム

こちらは、視線の方向やまぶたの動きを検知できるソフトウェア。ドライバーの顔を撮影して解析することにより、視線方向や頭の動き(位置・角度)、まぶたの開き具合などをリアルタイムで出力することができます。
非接触のためドライバーに対する負荷が少なく、より自然な状態で計測が可能。担当者は「自動運転の切り替えはもちろん、予防安全装置の開発やドライバーの疲労に関する研究にも応用できるのでは」と話していました。

●株式会社イー・アイ・ソル/音源可視化装置

組込・計測制御・Web系における開発を行うイー・アイ・ソルが展示していたのは、音の発生源を可視化する装置です。手前にあるクルマから音が出ており、それを解析することで画面上に色で表示。音の発生場所を特定することができます。
ドアやワイパー、エンジンなど、発生する音を低減するための対策としてすでに活用されているそうです。

手前にあるクルマから発する音を、奥の画面に可視化。音の発生源が赤くなっている。
手前にあるクルマから発する音を、奥の画面に可視化。音の発生源が赤くなっている。

●株式会社センスタイムジャパン/車両・歩行者認識・追跡技術「SenseVideo」

センスタイムジャパンは、ディープラーニング技術を活用した画像検出システムを紹介。クルマの色や大きさはもちろん、二輪車、歩行者も識別。さらに歩行者の性別や服装、年代、持ち物まで検出することができます。すでに中国で実証実験を行っており、自動運転、交通量計測、セキュリティー用途など幅広い応用が可能とのことでした。

●アマノ株式会社/車番認識、駐車位置案内システム

こちらは、ナンバープレート認識カメラを使って、どのエリアに駐車したかスムーズに案内できるシステムです。フロアごとにカメラを設置することで、駐車位置を正確に把握します。
担当者は、「長期間停めることが多い空港の駐車場では、ドライバーが場所を忘れてしまうことが多いんですね。このシステムでは精算機の画面とレシートに駐車位置が表示されるので、安心して利用できます」と話していました。

●PUX株式会社/車両・ナンバープレート認識ソフトウェア

パナソニックの社内ベンチャー制度で設立されたPUXが展示していたのは、ナンバープレートを認識するシステムをソフトウェア化した「車両・ナンバープレート認識ソフトウェア」。車両の有無、ナンバープレート情報をサーバーへ送信することで、入出庫の記録を残すことができます。営業部の新明さんは、「コインパーキングの満車・空車の管理や、車両の入退場管理に使えるのではないか」と話していました。

駐車時刻とナンバープレートの情報が左上に表示されている
駐車時刻とナンバープレートの情報が左上に表示されている

●株式会社オーク/駐車位置自動記録アプリ「roverNAVI」

「roverNAVI」は、駐車位置を自動的に記録し、スマホで確認できるというサービスです。空港やショッピングセンターなどの大型駐車場に無線機器を設置し、位置を登録。ドライバーは事前にアプリを入れておくだけで、起動しなくても自動的に駐車場所が記録されます。用事が終わったあとにアプリを立ち上げれば駐車位置が表示されるという、ドライバーには便利な機能。
立体駐車場や地下駐車場など、GPSが入らない場所での活用を想定しているそうです。

●ETC2.0普及促進研究会/ETC駐車場運用システム

ETC2.0普及促進研究会は、ETC駐車場運用システムを紹介。ETCカードを民間の駐車場、パーキングでも使えるようにするための実証実験を行っており、実用化はもうすぐとのこと。
事務局長の片山さんは「従来の駐車場は、現金の精算や駐車券の発行、紙詰まりのメンテナンスなど維持管理に手間がかかっていました。もしETCカードで決済できれば、そういった手間が省けます。運営コストが下がれば駐車料金の割引につながるかもしれません」と話していました。

●株式会社アイ・エム・ジェイ、株式会社サニカ/駐車場ネットサービス「SmooPA」

アイ・エム・ジェイとサニカが展示していたのは、コインパーキングの精算機とネットワーク連携し、スマートフォンから駐車料金の支払いや割引クーポンの利用ができるアプリケーション。支払いにYahoo!ウォレットを使えば、Tポイントを貯めることもできます。アプリはすでに公開されており、連携したサービスを拡大中とのことでした。

駐車場の検索から精算まで、すべてアプリ上で行うことが可能
駐車場の検索から精算まで、すべてアプリ上で行うことが可能

自動運転技術の展示が多いのかな? と想定していたのですが、どちらかというとIoT関連のシステムを紹介しているブースが多い印象でした。
ドライバーにとって便利なサービスやアプリも次々と登場しているようなので、気になった方は各企業のサイト等でチェックしてみてください。

(取材・文・写真:村中貴士 編集:ミノシマタカコ+ノオト)