おいしいラーメンはタクシードライバーに聞け! さっぽろラーメンタクシー始動

北海道へ行ったら、カニを食べて、ジンギスカンを食べて、スープカレーを食べて……もちろん、さっぽろラーメンもはずせません! さっぽろラーメンのエキスパートともいうべきドライバーが乗車する「さっぽろラーメンタクシー」が今年2018年1月から札幌市内を走りだしました。どのように好みのラーメン屋に連れていってもらえるのでしょうか? 札幌商工会議所 国際・観光部 国際交流・観光課 西川公大さんに伺いました。

資格認定を受けたドライバーがおいしいラーメン屋を案内

――「さっぽろラーメンタクシー」とはどのようなものなのですか?

昔からよく、おいしいラーメン屋さんはタクシーのドライバーに詳しい人が多いと言われていましたよね。それを一歩進めて、観光客の皆さんやビジネスで訪れた方などに、より好みに合ったおいしいラーメンを食べてもらえるよう、案内のできるドライバーが乗ったタクシーが「さっぽろラーメンタクシー」です。専用のステッカーをクルマに貼って札幌市内を走っており、現在28名のドライバーが認定されております。また、参加のラーメン店は37店舗になります。

このステッカーが目印
このステッカーが目印

――「さっぽろラーメンタクシー」のドライバーになるために必要な試験などがあるのですか?

資格認定を受けるためには、3ヶ月の間に参加ラーメン店のうちの20店舗でラーメンを食べ、レポートを書いて提出してもらいます。レポートは味の5段階評価、麺やスープの特徴、自由記述でお店の雰囲気、どういう方にオススメしたいかなどを書いてもらいます。ただ、おいしかった……ではなく、案内することを目的にした内容がとらえられていれば合格です。ドライバーによっては、道産素材を使用しているかどうかなど細かくレポートしてくれている人もいらっしゃいました。1回目の希望者は47名で、合格者は28名でした。

ステッカーを貼ったタクシーが札幌の街を流す

――こういった取り組みは全国的にあるのでしょうか?

実は、全国でいうと福岡、和歌山、新潟には、すでにラーメンタクシーがあります。新潟は「背脂タクシー」と呼ばれているそうです。ただ、こちらの3都市の場合は観光地などを巡るガイドタクシーです。「さっぽろラーメンタクシー」はウェブサイトを見てラーメンタクシーを呼ぶこともできますが、基本はラーメンに詳しいドライバーが市内を流しているという形なので、ガイドタクシーとは異なります。こういったタイプは全国でも初めてだと思います。

ラーメンタクシーに乗ったら

さっぽろラーメンタクシー ウェブサイトより
さっぽろラーメンタクシー ウェブサイトより

――乗車したら、何を伝えたらよいですか?

まずは、どんなラーメンが食べたいかを伝えて下さい。みそ、塩、しょうゆといった味から、鶏だし、とんこつ、煮干しがいいのか、スープは濃いめか薄めか、それから、市内のどちらの方面がいいか、近いところがいいのか、多少遠くてもOKかも伝えていただくとよいかと思います。好みを全部伝えてもらった上で、ドライバーがラーメン屋を選びます。また、認定ドライバーは特典として共通クーポンチケットを持っています。各店でトッピング無料や麺大盛無料、100円引きなどの特典を用意していますので、ご利用いただければと思います。

さっぽろラーメンタクシー今後の展望

――今後はどんな展開を予定していますか?

やはり、まずは認定ドライバー、参加ラーメン店ともに増やしていきたいですね。より多くの観光客の皆さんにおいしいラーメン屋を紹介することが、おもてなしの一環となると考えていますので。また、英語など多言語対応も考えていかなければと思っています。
そして、これは私たちも予想していなかったことなのですが、ラーメンタクシー認定後もドライバー同士の交流会が自主的に開かれていて、情報収集、情報交換が活発に行われているそうです。多くの人たちが関わることによって札幌のラーメン文化を盛り上げていければと思います。

――ありがとうございました。

国内外からの観光客がますます増える北海道。せっかくなので、好みにしっかり合ったおいしいものを食べていってもらえたら、道民としてもうれしいものです。そして、地元の人間としてもどんなラーメン屋を案内してくれるか興味津々です。黄色いステッカーを見かけたら、熱く腕を振ってみたいと思います。

▼さっぽろラーメンタクシー ウェブサイト
http://www.sapporo-cci.or.jp/sapporo-ramen-taxi/

(取材・文:わたなべひろみ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]

取材協力