名車が続々! 今年50周年を迎えるクルマたち(その2)
前回は2018年の現在も名前を引き継いだ車種が現役の50周年を迎えるクルマたちをご紹介しましたが、今回は残念ながら名前は途切れてしまったものの、未だに多くの人の心に残り続けて50周年を迎えた名車をご紹介いたします。
いすゞ・117クーペ
今ではバストラックメーカーとしてその名が知られているいすゞですが、過去には乗用車をリリースしていた時代もありました。その中でも1968年に登場した117クーペは、イタリアの著名工業デザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ氏がデザインした美しいボディが最大の特徴。1966年のジュネーブショーでデビューをした117クーペの試作車は、そのショーでのコンクール・デレガンスを獲得しており、海外での評価も高い車両だったのです。
その流麗なデザインは当時のプレス技術で完全に再現することは難しく、当初は1台1台職人の手によって仕上げられていたことから初期型は「ハンドメイドモデル」と呼ばれ、販売価格は172万円。これは同時期のクラウンをも超える価格だったのです。
1973年には生産効率を向上させるためにマイナーチェンジを実施し、ボディは完全なプレス成型となりました。しかしその美しいボディラインは大きく変わることはなく、テールのデザインが変更されるに留まっています。
そして1977年にはヘッドライトが角型4灯に変更。メッキバンパーもラバーのガードが備えられ、かなりモダンな雰囲気になります。内装もプラスチック素材のものが多用されるようになり、近代化が図られ結局登場から約13年となる1981年まで生産が続けられていました。
日産・ローレル
所得水準の向上が目覚ましかった1960年代後半には、それまで高級車=運転手付きのクルマという図式から、オーナー自らステアリングを握る「ハイオーナーカー」という需要が高まりつつありました。そこで日産はブルーバード以上、セドリック未満となる新たな車種としてローレルを誕生させたのです。
搭載されるエンジンも、ブルーバードやスカイラインに設定のあった1500ccは用意されず、1800ccのみ(モデル途中で2000ccも追加)。グレードもベーシックなスタンダードグレードはなく、デラックスAとデラックスBの2種類となっていました。
そしてローレル登場から遅れること半年後にはトヨタからコロナ・マークIIが登場し、以来長らくローレルとマークIIはライバル関係にあったのはご存知の通り。その後は代を重ね、1997年には8代目となるローレルが誕生しましたが、セダン需要の縮小やミニバン需要の高まりによって2003年を持って生産を終了。現在は絶版車となってしまいました。しかし、2012年に登場した2代目ノートの上級グレードに、ローレルの代表的なグレード名だった「メダリスト」が復活しています。
今回は残念ながら途絶えてしまった車名をご紹介しましたが、グレード名だけでなく車名が復活する可能性はゼロではありません。そのときが来るのを期待して待ちましょう!
(文:小鮒康一 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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