夢のガレージライフを応援するイベント「ガレージングピクニック3rd」

5月27日(日)茨城県つくばみらい市にある「谷和原公民館」にて、「ガレージングピクニック3rd」(通称:ガレピク)が開催されました。クルマが好きな人なら、こんなクルマが欲しい、あんな車種に乗りたいという夢があるはず。またそれと同時に「好きなクルマを収めるガレージを持ちたい」と思われたことがあるのでは?

ガレージングピクニックは「理想のガレージライフを実現させたい!」をテーマに、家族や子供たちと一緒に楽しめるイベントとしてスタートしたもの。今回で3回目を迎えた同イベントでは谷和原公民館の広い敷地内に往年の名車が並び、マイホームライフ・ガレージライフ実現講座やトークショーが行われたほか、イベント中、3回にわたってツーリングランも実際されました。イベントタイトルである「ガレージングピクニック」が、キチンと登録商標されているのはおもしろいところです。

ガレージライフ実現講座

「3回建てれば満足の家は建つ。では、一度で満足できる家を建てるには?」といった切り口から始まったガレージライフ実現講座は、主催者である宮本隆史さんが即席で作られたデモ用のガレージにて実施されました。「DIYという言葉から“安価にできる”というイメージを持たれることが多いですが、それは誤りです」と宮本さん。

自分で作業をすれば工賃はかかりませんが、実際には寸法間違いや切り損ねといった失敗も多く、やり直しなどから余計に経費がかかることも少なくありません。コストのためではなく自分の理想の具現化のため、そして家族みんなでガレージ作りを楽しむということが、DIYでガレージを作る醍醐味だと言います。

そのために必要なのは道具でもなく図面でもなく、「明確に自分の理想を描き出すこと」だそう。「たとえば、自身のクルマを見ながらコーヒーを飲みたいという希望があったとします」と宮本氏は図解で説明します。

ガレージの出入り口の位置やクルマの配置を、隣や向かいの家の位置関係などを考慮して、図面上でシミュレーション。さまざまな配置を検証していった結果、クルマを眺めながらコーヒーを飲むスペースが現れました。

お話を聞いていくと、理想のガレージライフを実現する上で大切なことが、お金を貯めることでもいい業者を選ぶことでもなく、「理想を書き出すこと」である意味が見えてきます。「上手でなくていいので、何度も描いて描き直して具現化していくことが、実現への第一歩になります」とのことでした。

トークショーでは、“昭和ライター”としても活躍する山本圭亮さんが登壇。1980年代の文化などについて語りました。手にしているのはマッチボックスのミニカー。

珍しいクルマたちの展示は大人も子供も興味津々!

ガレピクのもうひとつの目玉である「珍しい自動車展示」。芝生の上には、およそ35台の希少なクルマたちが並びました。

ボルボ アマゾン
ボルボ アマゾン
フェラーリ208GT4
フェラーリ208GT4
2台のポルシェ911の間にいるのは、1950年代のダットサン
2台のポルシェ911の間にいるのは、1950年代のダットサン
ケータリングカーもガレピクらしくフォルクスワーゲンバスが2台いた
ケータリングカーもガレピクらしくフォルクスワーゲンバスが2台いた

もうひとつのメインイベント、ツーリングラン!

珍しい自動車展示に登場したクルマたちによるツーリングランも、3回にわたって実施。つくばみらい市の街を、希少なクルマたちが走りました。

筆者もそのうちの1回にエントリーして走行してまいりましたが、道中は街中や田畑の広がる田園風景の中をわずかな時間で体感できる充実したルートでした。茨城県は有数の米どころでもあります。どこまでも続くかと思えるような緑広がるこの時期の田んぼは、目にも優しい風景でした。

「ガレージ」とは何でしょうか? 一般的には「クルマをしまう屋根のあるスペース」と認識されているでしょう。しかし、ガレージ実現講座を見たり、実際にガレージライフを送っている人たちの話を聞いたりしているうちに、それだけはない豊かなクルマがあるように思えました。

家庭で何かを作り出す、あるいは屋外で家族と楽しむためのものを収納し準備する場所、そしてそこにクルマも一緒にしまってある。それこそがガレージライフであり、クルマが主体の場所ではないように思えてきたのです。クルマ好きならば誰しもが描くであろうカーライフ、それをより明確に描く手助けとなる「物や事」が、ガレージングピクニックにはありました。

(取材・文・写真:きもだこよし 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]