【D1GP】北海道・十勝スピードウェイで初開催 「D1GP HOKKAIDO DRIFT」
今年で開催18年目を迎えたなプロドリフト選手権「D1GP」。2018シーズン第4戦の舞台は、D1GPとしては初開催となる北海道「十勝スピードウェイ」です。
過去には24時間レースも開催されていたサーキット
「十勝スピードウェイ」は北海道更別村にあるサーキットで、1994~2008年には「スーパー耐久」シリーズで24時間レースが開催されていたり、「SUPER GT」の前身である「全日本GT選手権」も行われていたりと、日本を代表するモータースポーツカテゴリーの熱いレースが行われてきたサーキットです。最近では、TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ RaceやNetz Cup Vitz Raceが行われています。
- 「十勝24時間レース」に参戦した「レクサスGS450h」と「スープラHV-R(GT500マシンをベースにハイブリッド化したTS050のルーツともいえる1台)」
ちなみにここ更別村は、北海道の中でも農業が盛んな地域で、食料自給率6400%というとんでもない数値を誇っています(北海道全体では200%以上)。更別村を含めた十勝地方全体では、1100%。四国の全人口(約380万人)の1年分の食料をカバーできる数値だそうです。
- 観客以上に楽しんでいた西山猛更別村長。D1GPの開催は念願だったと熱く語った。その証拠に北海道テレビがプレス参加し、後日ニュースでしっかり紹介され関心の高さが伺えた(写真:栗原祥光)
予選の雨から一転の晴れ。最後は耐久バトル!
「D1GP HOKKAIDO DRIFT」は、土曜日に予選、日曜日に決勝というスケジュール。予選日は、あいにくの雨模様。今年がD1現役最後のシーズンと表明している“のむけん”こと野村謙選手は、九州からはるばる参戦したものの足回りトラブルで予選通過は叶いませんでした。
- トップクラスのD1マシンと比較して戦闘力不足は否めない野村謙選手のスカイライン。それでもファンは決勝戦で豪快なドリフトを見られることを待ち望んだ(写真:栗原祥光)
決勝日には天候も回復し、コースもドライコンディションに。十勝スピードウェイとしては久々となる全日本級のモータースポーツ大会ということもあり、地元はもちろん北海道中からたくさんの観客が訪れ、熱気に包まれました。
- 競技区間にすれ違いが大変なほどファンがたくさん!(写真下部:栗原祥光)
- 昼間には「カスタムカーミーティングパレードラン」が行われた。クルマは北海道では必需品。だからこそ愛車を誰よりもかっこよくカスタムするオーナーが多い!
午前中に行われた単走決勝は、170km/h前後で入る高速コーナーの先に、鋭角な2コーナーが“落とし穴”のように待ち受けるレイアウトに多くの選手が苦戦。そんな中でR35 GT-Rを駆る「TOYO TIRES GLION TRUST RACING」の川畑真人選手は、182.8km/hという超高速からのドリフトを決め、単走決勝3連勝を飾りました。
- 優勝したものの、川畑選手は「タイヤのウォームアップ不足で本来のパフォーマンスが発揮できなかった」と走りには満足できなかった
午後になると気温が下がり、上着を着ていてもやや寒く感じるほどに。しかし、メインイベントである追走決勝は、そんな寒さを吹き飛ばすバトルの連続でした。
- ほとんどのドライバーが初体験の十勝スピードウェイ。タイミングが合わせにくく、このようなことも……。高橋和己選手(マークⅡ)を押し出してしまった末永正雄選手は1回戦で敗退
- 2回戦の「日比野哲也選手(S2000) vs 川畑真人選手(GT-R)」。2本目の2コーナーで川畑選手が日比野選手に接触。日比野選手のミスによるもので、川畑選手が勝利するものの、このとき足回りにダメージを受けてしまい追走は3位
- 念願の地元開催となったソアラ使いの上野高広選手。久々の準決勝進出を果たしたが、「楽しすぎて」タイヤを使い切ってしまい末永直登選手に敗退。それでも4位入賞!
決勝戦の「横井昌志選手 vs 末永直登選手」S15シルビア対決、はそれぞれ前後入れ替えての2本の走行では決着がつかずサドンデスに突入! 北海道のD1ファンにとって思い出に残るハイレベルなバトルとなりました。
- 車検が通らないレベルの溝しか残っていないタイヤでの超高速追走ドリフトは、初めて生観戦したD1ファンを虜にしてしまう名勝負となった
- 決勝後のリアタイヤ。ほぼスリックタイヤ!
勝負を決めたのは「タイヤ」でした。決勝戦は単走・追走で「3セット」しか使えないルールです。横井選手は、ベスト8で対戦した相手がマシントラブルでリタイアしていたため、わずかながらタイヤに余裕がありました。サドンデス2本目で、先行の末永選手がタイヤをグラベルに落とし減点。後方スレスレでドリフトを決めた横井選手が接戦を制し、前戦の九州・オートポリスにつづき2連勝を飾りました。
- 横井選手と西山更別村長、副賞の更別村名産「どんぐりのむらポテトチップス」と記念撮影!
2019年の開催も期待しよう!
D1GPは、ほとんどのエントラントが東京以南からの参戦のため、マシンの持ち込みや選手・関係者の移動が大変だったと聞きます。しかし、ファンの熱中ぶりに応えた選手たちも、楽しめたようです。サーキットへのアクセスも、最寄りの「とかち帯広空港」からレンタカーで15分程度と良好のため、遠方からの観戦もそれほどハードルは高くないと感じました。来年も、十勝スピードウェイでD1GPが開催されるなら、ぜひ生での観戦をおすすめします。次戦の開催は、7月21日(土)~22日(日)。舞台は、茨城県「筑波サーキット」です。
(取材・文・写真:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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