3599個の「レゴ」で作る3億円のスーパーカー「ブガッティ・シロン」
「ブガッティ」というメーカーをご存知でしょうか? 2005年に親会社であるフォルクスワーゲン社の技術を集結し、「1001馬力、最高速407km/h、価格1億6000万円」というハイパーカー「ヴェイロン」を発売し話題になった、フランスの高級車メーカーです。
さらに2016年には今回の主役である「シロン」を発表。1500馬力ものパワーを出すW型16気筒エンジンと420km/hにも達する最高速は、ゲームの世界のようです。そして、その価格は3億円! 日本に数台が納車されていると聞きますが、見られる機会はほとんどありません。
そんなクルマを目の前にするチャンスを手にすることができました。しかも、自分で組み立てるという、夢のような機会です。
3599個のパーツで作る1/8のブガッティ・シロン
ネタばらしとなりますが、今回組み立てるのは、世界的に有名なデンマークのブロック玩具「レゴ®」の製品、「レゴ®テクニック™ ブガッティ・シロン」です。「レゴテクニック」は、実在する重機や自動車などを形だけではなく、機構までブロックで再現した「大人のレゴ」シリーズ。その最新作として「ブガッティ・シロン」が、8月に発売されました。パーツ数は3599個、大きさは約60cmで、スケールでいうと1/8サイズものビックサイズです。お値段は約6万5000円とレゴとしては高価ですが、夢のスーパーが手に入るとなれば、決して高くない!?
実際に組み立ててみた!
箱を開けてみると、ホイールといくつかの小箱、そして組み立て説明書が入っていました。説明書は2冊にわかれていて、それぞれ約300ページもあります。部品のひとつひとつは小さいものですが、組み立てを進めていくと、徐々にその大きさに圧倒されていきます。同じような部品もたくさんあるので、焦らずに1ページ1ページ説明書を確認しながら進めていくのが、確実かつ最短です。
- 最初のボックスに入っているパーツがこちら。袋の番号は、組み立てる順番を表している
- 左後ろの足回りを作っているところ。左に写っているのが、シャシー部分
- これはシロンの心臓部のW16エンジンの一部。ピストンとクランクシャフトもあり、押して走らせるときちんと動く
- うしろ半分が完成した状態。エンジンの手前はトランスミッションで、きちんと8速の構造が再現されている
- シャシー周りが完成。実車と同じく、前後別々に作って合体させるというブガッティ・シロンの工程を体験できるのも魅力
- シャシーができたら、内外装の組み立てへ。こちらはインテリアで、中心部にはシフトレバーもある
- ここまでくると完成間近。重量もあるので、手で持つときは場所に気をつけないとパーツが取れてしまうのでより慎重に
そして完成へ!
3599個ものパーツで組み立てる「レゴ®テクニック™ ブガッティ・シロン」、完成までに要した時間は2日間でした。そうして組み上がったシロンがこちら!
- ウィングも可動式。実車にもある「秘密のキー」を使って動かすことが可能
外に持っていって撮影すると、ビッグスケールだけに実車っぽく感じられます。1/8という大きさの車を組み立てのるは、なかなか勇気がいります。ですが、自分の手で作り上げていくと、満足度は高いもの。徐々にクルマの形になっていくと、自然と笑みがこぼれてきます。組み立てながらクルマの仕組みも勉強できるので、親子で作っても楽しいかもしれません。
ちなみに、製作の様子は動画でも撮影してみました。早回しにしてみましたので、こちらもぜひご覧ください。
おまけ。1/8では飽き足らず1/1レゴも!?
この製品の企画段階のとき、「レゴテクニック」のチームは、「シリーズの究極を追求する」というテーマで、1/1のサイズの“レゴ製”ブガッティ・シロンを製作してしまいました。一部パーツは特別製であるものの、99%は市販のレゴブロックで構成されているそうです。そのパーツの数はざっと100万個以上! しかも、モーターで走ります。
企画から完成までには、1万3438時間(約560日)を要したそう。完成後には、ドイツにあるフォルクスワーゲン所有の超高速テストコースで、ブガッティの公式テスト・ドライバー、アンディ・ウォレス氏が実際にドライブ運転。最高速は30km/hですが、レゴの無限の可能性に世界中が驚いた瞬間でした。
(取材・文・写真:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト 協力:Bugatti Japan株式会社、レゴジャパン株式会社)
[ガズー編集部]
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