今に続く名車のベースも誕生。2018年にデビュー45周年を迎える国産車たち
日本の自動車の歴史は1904年からスタートしたと言われていますが、1970年代には車種も一気に増加し、現在でも「名車」と呼ばれるモデルも多数登場した時期でした。そこで今年で45周年となる1973年にデビューした車種を振り返りたいと思います。
三菱・ランサー
今では「ランサー=ランサーエボリューション」というイメージが強いかもしれませんが、そのランエボのベースとなったランサーは1973年2月に登場しました。トヨタ・カローラ/日産・サニーと同等のボディサイズを持つ2ドア/4ドアセダンで、実は1971年に登場しているギャラン・クーペFTOの主要コンポーネンツを流用して誕生したモデルでした。
そのため、元々の走りの素性はレベルが高く、デビューから約半年後の73年9月にはツインキャブレターの1.6リッターエンジンを搭載したホットモデルの「GSR」が追加されると、ラリーなどで大活躍。74年と76年にはサファリラリーで総合優勝。73年から75年までサザンクロスラリーで4連覇を果たすなど「ラリー=ランサー」のイメージは初代から受け継がれたものだったと言えます。
そんなランサーですが、日本国内での販売は2010年にセダンの販売が終了。ランサーエボリューションはギャランフォルティスがベースとなったものが10代目として2007年に登場しましたが、2015年のファイナルエディションをもって終了してしまっています。そのため、現在日本国内でランサーの名前を冠するのは日産・NV150ADのOEM供給を受けるランサーカーゴのみとなっています。
トヨタ・パブリカスターレット
1969年に登場したトヨタのベーシックカー、パブリカの上級版として1973年に登場したのがパブリカスターレットです。その名前からも分かるように、ヴィッツが登場するまでのトヨタのコンパクトカーとして長らくそのポジションを守ってきたスターレットの祖となるモデルで、発売当初は内外装やエンジン、ミッションの組み合わせを一定の範囲内で自由に組み合わせることができる「フリーチョイス・システム」が採用されたことも話題となりました。なお、スターレットと聞くとハッチバックのイメージが強いと思いますが、パブリカスターレットは2ドアクーペと4ドアセダンのラインナップでした。
搭載されたエンジンは1リッターと1.2リッターの2種類でしたが、1.2リッターにはハイスペックなツインキャブレター仕様も用意され、74馬力を発生。700kg台の軽量なボディを武器にツーリングカーレースで活躍する姿も見られました。しかし、76年のマイナーチェンジで51年排出ガス規制をクリアするためにツインキャブレター仕様と1リッターエンジンが消滅。前述のフリーチョイス・システムも廃止となっています。
その後スターレットは5世代、ヴィッツになって3世代が経過して現在に至るわけですが、車両型式に入る「P」(NSP130など)はパブリカの頭文字が由来となっているのです。
日産・バイオレット
最後にご紹介するのは1973年1月に登場した日産・バイオレットです。それまでサニーからのステップアップ車種として存在していたブルーバード(510型)が71年のフルモデルチェンジで車格、排気量ともにアップしてしまったために、その隙間を埋める車種として登場したのがこのバイオレットだったのです。
ボディタイプは2ドア/4ドアセダンと2ドアハードトップの3種類ですが、セダンボディもセミファストバックタイプのクーペ風スタイルを持って登場。しかし、デザイン重視のスタイルは後方視界が悪いという意見が寄せられたためか、76年2月にはリア回りを大改修して一般的なノッチバックの4ドアセダンに生まれ変わっています。
81年には3代目モデルとなり、販売チャネルの違いによってオースターJXとスタンザFXとの3兄弟体制に。名前も「バイオレット・リベルタ」となって駆動方式もFRからFFへと大きく変貌を遂げましたが販売台数は振るわず、兄弟車2車種よりも早い82年6月に生産を終了しています。
現在も続く車種の祖となったモデルもあればひっそりと消えてしまったモデル、そして強烈なインパクトを残したモデルと、悲喜こもごもな45周年車をご紹介いたしました。皆さんの思い出に残っている車種もあったでしょうか? 次回は35周年でお会いいたしましょう!
(文:小鮒康一 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
メモリアルイヤーを迎える国産車の記事
最新ニュース
-
-
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
2024.11.21
-
-
-
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
2024.11.21
-
-
-
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
2024.11.21
-
-
-
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
2024.11.21
-
-
-
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
2024.11.21
-
-
-
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
2024.11.21
-
-
-
楽しく学べる「防災ファミリーフェス」を茨城県の全トヨタディーラーが運営する「茨城ワクドキクラブ」が開催
2024.11.21
-
最新ニュース
-
-
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
2024.11.21
-
-
-
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
2024.11.21
-
-
-
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
2024.11.21
-
-
-
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
2024.11.21
-
-
-
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
2024.11.21
-
-
-
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
2024.11.21
-