究極の音響は風流なクルマ趣味! サウンドピクニック参加レポート
一言で「クルマ好き」と言っても、その「好き」の種類やかたちは様々。カーオーディオにこだわる、というのもそんな一つのクルマ好きの形と言えるのではないでしょうか。そして、数多く楽しみ方があるなかで、自分の価値観を理解してくれる人と集い交流する。そんなオフ会、ミーティングなどは楽しいものです。
今回筆者は、最高の音質を、愛車の車内の形状や広さを考慮、さらに自分の体格に合わせて作り出す。自分だけの最高の音響空間に愛車を仕立てる。そんな人たちが集うミーティング「SOUND PICNIC(サウンドピクニック)」に参加。音にこだわる人たちの様子をご紹介します。
- 千葉県のかずさアカデミアパークでサウンドピクニックは開催された。
音響好きが集まるイベント「サウンドピクニック」とは?
サウンドピクニックは、カーオーディオばかりでなく、ホームシアターなど幅広く音響を手掛けるProshop - vogue(プロショップ・ヴォーグ)が主催。高級カーオーディオメーカーBEWITH(ビーウィズ)と、オーディオファンから音響のプロまで、幅広く信頼を集める音響機器メーカーaudio-technicaの協賛で、かずさアカデミアパークで開催されました。
当日は秋晴れに恵まれ、朝から会場には、自慢の愛車とともに43台のエントラントが大集合。かずさアカデミアパークの駐車場は、屋根の付いた構造になっており、天候に左右されない環境です。カーオーディオを聴き比べたりする車種を見てみると、高級輸入車から国産車、中には軽自動車もいれば、今となっては懐かしいモデルも。ほかのイベントでは、なかなか見ない顔ぶれがそろいます。
カーオーディオは風流な趣味の世界!
まず会場に行ってみて感じたのが、カーオーディオの世界はずいぶん「風流なクルマ趣味」だということです。例えば、長鳴き鳥などのさえずりコンテストなど、その優劣は点数化が難しいもの。また、見た目でその優劣がはっきりすることもありません。見栄の張り合いではないという意味で、風流なイベントと感じます。
もちろん、その車種自体が十分高価なうえ、こだわりのオーディオを組んでいる場合もありますが、アピールの中心はそこではありません。いかに愛車で音響が最適化できているか。車内の形状、大きさ、またキャビンの重量や材質・構造によって、型にはめようのない個別のセッティングを施してあるのです。
しかも究極の音を目指しつつも、見た目でのアピールは最小限。ただ、耳を傾ければ、その音響がただならぬものであることは、素人でもきっとわかるはずなのです。
車内はライブならではの生音感
参加車両のオーディオを、実際に聴かせていただきました。まず印象的だったのが、とにかく自然であること。そこでまさに今ライブ演奏がされているかのような臨場感であります。
明言しておかねばならないのは、それが決して迫力で攻めてくる音ではないということです。
重低音で圧倒されるかといえば、それほどでもありません。ライブの魅力は、音圧よりもミュージシャンの技巧や息遣い。そして経験とセンスで織りなす独特の「間」。その「間」に残る残響があるからこそ。この日、オーディオ愛好家のこだわりの結晶であるクルマでは、ライブならでの生音感がしっかりと伝わって来ていました。
- こちらのノートのオーナーは通勤に、日常のアシにと大活躍のこのクルマでとことんオーディオにこだわった。
- ノートのラゲッジスペースは最小限のスペースだけを残し音響機器に占有されていた。
- このスカイライン、オーナーはすでに20年ほど共にしているという。10年ほど前に大掛かりなオーディオセッティングを行った。
- 映画好きのオーナー。スカイラインの車内にはたくさんの映画ソフトを常に携行している。
- ミニバンが人気なのもわかる。フロントウインドウからの景色がよいのだ。さらに優れた音響があれば、車内環境としては無敵!?
- 軽自動車も参加していた。しかし、補強や、スピーカーを収めるボックスがしっかりと作り付けてあるため、例えばドアを開閉すると、その重さの違いに驚かされる。
オーナー独自のセッティングのため「シート移動禁止!」
どのクルマも「ドライバー=オーナー」が多いため、運転手がベストに聞くためのセッティングになっています。ドライバーと同じ場所で聴いたとき、音が耳に届くまでの時間、反響、残響などが綿密に考慮されているのです。そのため、ルールの1 つに「シートは動かさないこと」というのがありました。オーナーの方にお話を聞くと、この位置を決めるまで調整に次ぐ調整の連続とのこと。一筋縄ではいかないことがわかります。
- 何台もクルマは持っているが、結局一番高い頻度で乗るハイエースでオーディオを組むことにしたのだという。ディーゼルモデルだがアイドリング時のノイズ、振動などかなり抑えられていた。
そうしたこだわりの数々には、お金は相当にかかっています。中には車両と同じくらいかかっているクルマもありますし、高級車がプラスもう一台買えるほどかかっているクルマもあります。しかし、お金をかけたからいい音になるのではなく、クルマや音に見合ったセッティングにこだわっていく。そのこだわりにこそ、趣味の神髄を垣間見ることができるわけです。
- 取材に応じるオーナー。会場では他の参加者のクルマで視聴したり、情報交換をする参加者たちの姿も多くみられた。
ボディが身だしなみを整える鏡になる
当然それだけ手をかけたクルマですから、皆さんクルマを「飾っておく」ということではないようです。公私ともに頼れるアシだからこそ、その車内で過ごす時間を最上のものにしたい。そんな気持ちが、ベースにあるように感じました。
- この日は日本レースクイーン大賞を受賞した立花サキさんと美波千夏さんも登場。イベントの進行の他、参加者たちと愛車の記念撮影を撮ったりしていた。
いろんなクルマのオーナーが異口同音に語るのは「まだまだできることはある」というあくなき探求の姿勢。あくまでも「自然なサウンド」を目指しているということでした。1つ言えることは、自分の好きな時に好きな音楽と一緒に出掛ける。こんなに素敵なことはないでしょう。
- 最後は全員で記念撮影。気持ちいいサウンドがつなぐ縁。今回で3回目だが毎年の開催を望む声も多かった。
クルマで音響をこだわるというのは、障害が多いのも確かです。振動や熱、また金属のボディが走れば電荷がたまったりもするでしょうから、必ずしもクルマという環境がオーディオ趣味に向いているわけではないでしょう。それにひるむことなく、最高の音質を追求するからこそ、この趣味に意味があるのかもしれません。
他の参加者のクルマに乗って、感想を述べあったり、情報交換したり、オーディオの世界の奥深さを見ると同時に、大人のクルマ趣味、粋で風流な世界だと感じたものでした。
<サウンドピクニック>
主催:Proshop vogue http://proshop-vogue.com/
協賛:BEWITH http://www.bewith.jp/ja/
Audio-technica https://www.audio-technica.co.jp/atj/
(取材・文:中込健太郎 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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