白煙が台場の空に舞い上がる! 第2回FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップレポート
11月3日(土)4日(日)に「第 2 回FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップ (FIA IDC)」が、お台場特設会場にて行われました。観戦に訪れたのは、肌寒さを少し感じる11月4日。会場は前売り券も当日券も完売ということで、スタート前からほぼ満席。期待感の高さを伺わせています。
超満員の“ドリフト世界一”を決める本イベントをレポートすると同時に、なんと今回、筆者は選手のデモ走行に同乗させていただくことに。プロのテクニックを間近で体感するのと、見る時とでは何がどう違うのか。大盛り上がりの大会2日目の様子をお届けします。
生観戦は、日本選手勢の技術の高さを体感!
「FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップ (FIA IDC)」は、通称“ドリフト世界一”を決める大会といわれ、17カ国30名のドライバーが集まっています。
昨年優勝したのは、我らが日本の名ドライバー川畑真人選手(TOYO TIRES GLION TRUST RACING)。ディフェンディングチャンピオンとして去年に引き続きGT-R(R35)で挑みます。
大会は午前のSolo(単走)と午後Battle(追走)に分け、それぞれ白煙巻き上げ、会場を名実ともに熱くさせます。IDCの審査基準はライン、アングル、スタイル、スピードの4つ。それぞれの項目を3人の審査員が中立的にジャッジメント。Soloでは合計スコアを競い合い、Battleではトーナメント形式で進みます。
迫力満点の走行に会場中白煙に包まれる
この日の天気は曇りときどき雨。午前はひんやりした空気の中、軽微なアクシデントなど起きつつも、どのクルマも白煙をモクモクと立ち上げ、会場からは歓喜の声が湧き上がります。
ドリフトは日本発祥の競技ではありますが、ただお尻を流して走ることと思っている人は、間近で見るとその技術や選手の個性に圧倒されます。
目を奪われたのが、昨年チャンピオンの川畑選手の走りと、ロシアの“ゴーチャ”ことゲオルギィ・チフチャン選手。1本目からトップスピードでラインギリギリを攻め続け、白煙を立ち上げ会場を沸かせます。もちろん他の海外選手の走りも素晴らしく、会場の熱気はどんどん高まっていきました。
ワクワクドキドキ同乗走行!見える世界はどうちがう?
午前のSolo Runを終えたところで、今回特別に筆者がデモ走行に同乗させていただくことに。乗せていただくのは、前日の「グランツーリスモD1グランプリシリーズ」最終戦で2位を獲得した末永正雄選手。
GT-R(R35)の助手席で、緊張しながら4点シートベルトを締め、「ジムカーナ経験はありますが、ドリフトは初めてです」と恐る恐る話しかけます。そんな筆者に「じゃあ全力でいきますね!」と、笑顔で答えてくださる末永選手。スタートと同時に思いっきり加速し、重力を感じながらコーナーへと侵入していきます。
スピード感は当然みているよりもずっと早い。アクセルが抜かれ、カラダが一瞬重力から逃げたと思ったら、そのままお尻が猛スピードで流れ始めます。
「わあっ!」と歓喜の声を上げる暇もなく、そのままコースを右へ左へとドリフトし続けフィニッシュ。ピットに戻ってきた瞬間全身から湧き上がる「楽しい!」という感覚を味わいながらクルマを後にしました。
ちなみに次に乗車したアメリカ人インスタグラマーの方は、乗車前は「Scary!(怖い)」としきりに眉をひそめていましたが、同乗後は「Amazing!(凄い)」と言葉も表情も変わっていたので、ドリフトは体感すると全員幸せになれるステキなモータースポーツかもしれません。
他にもトークイベントやサイン会など、様々な催しがおこなわれていた本イベント。
優勝したのはロシアのゲオルギィ・チフチャン選手。残念ながら日本勢はマシントラブルなどもあり表彰台には上がれませんでしたが、見応え充分の走りは目に焼き付けることができました。
午後からは雨模様のため、白煙モクモクの午前の凄さと、午後のレイン走行、1日で2つの楽しみ方ができることとなった今回のイベント。ぜひ来年のD1やFIA IDCは、会場に足を運んでみてはいかがでしょう。
(取材・文:おおしまりえ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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