高速道路をこよなく愛する団体「日本サぱ協会」とは?
愛知県名古屋市に「日本サぱ協会」があります。高速道路のサービスエリア・パーキングエリアの魅力を発信している団体です。一体どういった経緯で協会を設立され、どんな活動をしているのでしょう? 資料館兼コミュニティスペースになっている「サぱサろん」にお邪魔し、会長の山形みらいさん、本部事務局長の青葉美咲さんに話を聞いてみました。
日本サぱ協会が提唱する「サぱ」とは?
- 会長の山形みらいさん(左)と本部事務局長の青葉美咲さん(右)
まず「サぱ」とは何でしょうか? と伺ったところ、高速道路にある3つの施設のことを指す言葉だそう。
「SA、PA、をローマ字読みにしたものと、サービスエリア、パーキングエリアの頭文字をとって 『サぱ』 とよんでいます。というのも 『サービスエリア・パーキングエリア』 というと長いので 『サぱ』 ですとたったの2文字で済むからです」(山形さん)
「サを片仮名、ぱを平仮名にしたのは、高速道路のSAとPAの明確な違いがなくなりつつある今、あえて日本サぱ協会では、それぞれの持つ機能を明確にしようということからです。また、この2つに加え、ハイウェイオアシスも 『サぱ』 に含まれます」(青葉さん)
山形さんの高速道路好きが高じて協会を設立
山形さんはある時はMC、またある時はモデルやライターなど、様々な活動をしているマルチタレントです。協会設立は彼女の道路趣味がきっかけでした。
- 日本サぱ協会のサぱサろんには、今となっては手に入らない貴重な高速道路関連のグッズや書籍が置いてある
「私は道路全般が好きで、その中でも特に高速道路とサぱに興味がありました。同じように高速道路が好きなひととコミュニケーションしているうちに、自然と集まりのようなものが出来てきました。そんななか、青葉さんが 『自分が事務局長やるから、協会長やってよ』 と背中を押してくれたことで、協会を設立するに至りました」(山形さん)
なお、青葉さんの仕事は音楽プロデューサーで、最初から「サぱ」に興味があったわけではなく、山形さんと一緒に仕事をしているうちにハマったとか。
「山形みらいに楽曲を提供する際、歌詞を書くけれど 『なにが好き?』 と聞いたときに 『高速道路…サービスエリア!』 という答えが返ってきて 『なんじゃそりゃ!?』 と思いましたね(笑)。車の免許は持っていたのですが、高速道路を使う機会がありませんでした。歌詞を書くために、サービスエリアを巡っていて、こういう世界があるんだと興味を持つようになりました」(青葉さん)
現在は一般の協会員が600人も!
「日本サぱ協会」は2014年に設立。現在は支部長が15人、一般の協会員(サぱニティ)が600人、かなりの規模に成長しました。
「支部長は私が任命しています。日本サぱ協会にとって大きなアピールポイントになる、特技を超えた “一芸” がないと支部長にはなれません。例えば、グッズを自作できるとか、人よりも発想力が豊かだとか。個性的な支部長ですが、15人全員仲がいいんですよ。各人の人柄はとても大事です。なかには免許を持っておらず、鉄道でサぱに行く強者もいます。今のサぱは地元の人にも使ってもらえるようにと、高速道路に乗らなくても利用できる場所も多いのですよ」(山形さん)
「日本サぱ協会を立ち上げた直後に、日経新聞さんから 『全国のSAPAの審査員をお願いします』 とオファーをいただきました。その後もメディアの仕事を受けるたびに協会員が増えていきました。関東圏のバラエティー番組には結構出ていますね」(青葉さん)
山形さんや青葉さんが高速道路会社に意見を伝えることもある
高速道路会社がサービス向上のため「日本サぱ協会」の意見を参考にすることも。
「日本サぱ協会が着目するところは高速道路会社さんが気づいていないことがあるそうです。それなので、私たちがお話ししたことを高速道路会社さんが反映することもあります。先日、某高速道路会社さんに呼ばれた際、ある内容についてお話をしたところ 『それは気づいていなかったです』 と言われました。 『どうしたらSAPAはよくなりますか?』 と、具体的な案を聞かれることもありますよ。私たちは分け隔てなく各高速道路会社さんのサぱを巡れますが、意外とオフィシャルな立場だと巡ることは難しいようです。堂々と他社さんのいいところを比較できるのが協会のメリットですね」(山形さん)
日本サぱ協会では毎年3月8日を「サぱ(SAPA)の日」として定め、各高速道路会社と組んでイベントなども企画。この日は、日本記念日協会にも認められているそうです。最近はサぱの名物やお土産など、何かとメディアで話題となることが増えてきました。
サぱを訪れた際には「ここを見て欲しい!」という注目ポイントがあるそうです。
「今のサぱでは、ぜひトイレに注目して欲しいですね。昔のサぱはトイレが汚いというイメージだったのですが、今は最新トイレのショールームのような感じになっています。とにかくキレイで清潔なんですよ。スタッフさんが、手作りした作品をトイレに飾るなど、細かい所にも注目をして欲しいです。中にはサぱのサービスを超えたトイレもあって、圏央道の厚木ぱ外回りは、まるで高級旅館にきたような雰囲気のトイレだったり、伊勢湾岸道の刈谷ハイウェイオアシスはデラックストイレといって、トイレに一億円かかっていたりするんです」(青葉さん)
「サぱの園地に置かれている石やオブジェに注目してしまいます。何気なく置いてある石をよく確認すると 『資産』 と書いてあったりするので、この石は単にそこにおかれているのではなく、何か意味があってここに設置されているんだなぁと。その石のルーツはどんなものか歴史を辿って確認することもあります(笑)」(山形さん)
「僕はサぱに置かれている、ガチャガチャもよく確認しますね。そこにしかないご当地ガチャがあるのはもちろんですが、こういったスペースを置くことは店長の裁量で決められます。お土産のラインナップを見ていると店長の人柄がよくわかるんです」(青葉さん)
「サぱ」の魅力を存分に語ってくれたお二人。知れば知るほど、何気なく利用している「サぱ」の楽しみ方が変わりそうです。今回取材に伺った場所は、日本サぱ協会が運営している「サぱサろん」(予約制)。「サぱ」好きな人が、山形さんや青葉さんと意見交換するのはもちろん、旅行の相談などにも応じてくれますよ。
<取材協力>
日本サぱ協会
住所:愛知県名古屋市天白区野並2-261ポスタル野並303号
TEL:052-895-1567
URL:https://www.n-sapa.com/
サぱサろんURL:https://n-sapa-salon.jimdo.com/
(取材・文:写真:斎藤雅道 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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