【L1 RALLY in 恵那 2018】昨年から始まった女性だけのラリーイベント。800年の歴史ある城下町を走る!

12月1日(土)~2日(日)、岐阜県恵那(えな)市にて、女性ドライバーだけで行われるラリー「L1 RALLY in 恵那 2018(L1ラリー)」が開催されました。昨年、発足した女性だけのモータースポーツシリーズ“L1シリーズ”の1戦として位置づけられ、その名の通り参加資格はドライバーが女性限定(コ・ドライバーは男性の参加も認められる)であること。2年目を迎えた今大会は、34台のエントリーがありました。

ハイスピードなコースやギャラリーステージも用意された今年のL1ラリー

JAFの公認競技として行われるL1 ラリーは、参加車両の排気量が1500ccを超える「L1-2クラス」と、1500cc以下の「L1-1クラス」の2クラスで争われるシンプルな構成です。いずれのクラスも参加者はベテラン勢から初心者まで幅広いのが特徴。昨年の大会で初めてラリーを経験し今年が2年目の挑戦となる選手や今大会が初ラリーという選手も多く、その敷居の低さも魅力である一方、コース総距離やスペシャルステージの本数はともに昨年より増え、ハイスピードなコースも設定されるなど競技内容はスケールアップしています。また、今年からはギャラリーステージも用意され、観て楽しむラリーにも進化しました。

自動車評論家 国沢光宏氏が所有するスバルWRX S4で参戦したのは、昨年に続き出場した岩岡万梨恵選手(ドライバー:写真右)と初めてのラリー参戦だった山口和紗選手(コ・ドライバー:写真中央)。「楽しかった!」と感想を語る山口選手は、競技中大声でペースノートを読み上げ続けたらしく声がガラガラ
自動車評論家 国沢光宏氏が所有するスバルWRX S4で参戦したのは、昨年に続き出場した岩岡万梨恵選手(ドライバー:写真右)と初めてのラリー参戦だった山口和紗選手(コ・ドライバー:写真中央)。「楽しかった!」と感想を語る山口選手は、競技中大声でペースノートを読み上げ続けたらしく声がガラガラ
ゼッケンを貼るテープにもL1ラリーらしさが
ゼッケンを貼るテープにもL1ラリーらしさが

2年目のL1ラリー恵那を制したのは中島紀子選手!

そんな「L1ラリー in 恵那 2018」を制したのは、ラリー経験も豊富な中島紀子/山田訓義 組。マシンは、ランサーエボリューション。L1-1クラスは、昨年同クラスで2位を獲得している毛受広子/赤木弥生 組がうれしいクラス優勝を果たしました。

恵那市役所前で行われた暫定表彰式(写真はL1-2クラス)
恵那市役所前で行われた暫定表彰式(写真はL1-2クラス)
2度目のL1ラリーを制した中島紀子/山田訓義 組
2度目のL1ラリーを制した中島紀子/山田訓義 組
L1-1クラス優勝は昨年同クラスで2位を獲得している毛受広子/赤木弥生 組
L1-1クラス優勝は昨年同クラスで2位を獲得している毛受広子/赤木弥生 組

朝の連続テレビ小説『半分、青い。』のロケ地、岩村本通りを走り抜ける!

今年はスタートが恵那市役所に変更されましたが、岩村城の800年もの歴史を今に伝える城下町であり、昨年のスタート地点であった「岩村本通り」は今大会でもルートに取り入れられ、多くの人々が見守る中、ラリーカーが走り抜けました。

ここ岩村本通りは、今年の上半期に放送されたNHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』のロケ地として一躍注目を浴びた観光スポットです。そのため、昨年見られた地元住民の応援に加え、ロケ地巡りを楽しむ多くの観光客が、初めて見るであろうラリーカーの姿を楽しむ姿が見られました。

今年の大会は恵那市役所からスタート。スターティングフラッグは、国会議員でこの大会の名誉会長でもある古屋圭司氏をはじめ恵那市長 小坂喬峰氏らが担当した
今年の大会は恵那市役所からスタート。スターティングフラッグは、国会議員でこの大会の名誉会長でもある古屋圭司氏をはじめ恵那市長 小坂喬峰氏らが担当した
岩村本通りを走るラリーカー
岩村本通りを走るラリーカー
岩村本通りに設置されたゲートでは1台1台を紹介しつつ記念写真を撮影した
岩村本通りに設置されたゲートでは1台1台を紹介しつつ記念写真を撮影した

TV番組で一気に人気観光スポットの仲間入りを果たした岩村本通りですが、その歴史を感じる静かな風情は健在で、ぶらりと散策するのもとても楽しいものです。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている通りには、気軽に建物内の見学が可能な家や100年以上変わらぬ味を提供する食堂など、派手さはなくても歴史に彩られた魅力にあふれています。また、ラリーカーの通過後にはクラシックカーのパレードも行われ、さまざまな時代が混在する不思議な風景もこのラリーを盛り上げます。

歴史的な建物も現在進行形で営業している岩村本通り。ショーウィンドウの中にもお宝満載
歴史的な建物も現在進行形で営業している岩村本通り。ショーウィンドウの中にもお宝満載
建物内が見学できる家も多数あり、こちらを巡るのも楽しい
建物内が見学できる家も多数あり、こちらを巡るのも楽しい
かんから屋の「かんから餅」と、かしわ(鶏肉)と卵が入った「親子うどん」。100年以上続く味は奇をてらわない素朴な味。店内の風情もなかなかいい
かんから屋の「かんから餅」と、かしわ(鶏肉)と卵が入った「親子うどん」。100年以上続く味は奇をてらわない素朴な味。店内の風情もなかなかいい
岩村のカステラは200年前から変わらぬ製法で作る、こちらも素朴な味。写真は「かめや」のカステラ
岩村のカステラは200年前から変わらぬ製法で作る、こちらも素朴な味。写真は「かめや」のカステラ
岩村本通りではラリーカーの通過後クラシックカーのパレードも行われた。こちらもいい雰囲気
岩村本通りではラリーカーの通過後クラシックカーのパレードも行われた。こちらもいい雰囲気

2回目を迎えた「L1ラリー in 恵那」。天候にも恵まれ、今年も女性だけの戦いは無事に幕を下ろしました。初心者でも挑戦できる気軽さが魅力のひとつであるこのラリーですが、「託児所とまではいかなくとも一時的に子供を預けられたり、遊ばせたりする場所があれば嬉しい」というママさんラリーストの声や、「子供が6年間使えるランドセルの予算が1回のエントリーフィーで飛んでいっちゃいますー」と笑う声に、女性だけの大会ゆえの進化の余地と可能性も感じます。

大会会長を務める恵那市長 小坂喬峰氏は、「これからもこの地でL1ラリーを継続していく」と宣言しています。かつて女城主が治めたというこの地が800年の時を経て、1戦1戦開催経験を積み重ね、現代の女性のモータースポーツ活動の中心地のひとつになっていくことは、この地域にふさわしいストーリーなのかもしれません。

(取材・文・写真:高橋学 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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