【eスポーツ】優勝賞品は実車のスカイライン! 0.004秒が勝敗を分けた 「ROOTS JAPAN CUP 2018 FINAL」

12月8日(土)、東京・六本木でレーシングゲームのeスポーツ大会「ROOTS JAPAN CUP 2018 FINAL」が行われました。

「ROOTS」は、土屋圭市さんが取締役を務める「DKアソシエイション」主催のもと、2018年6月に始まったシリーズ戦で、3回目の開催となる今回は、「ROOTS」初年度の国内チャンピオンを決定するもの。使用ソフトは「グランツーリスモSPORT」で、11月から12月上旬にかけて大会公式サイトでエントリーを募り、100名以上の申し込みの中から選ばれた47名の“eレーサー”が出場しました。優勝賞金は、なんと本物のクルマ!

ハイレベルな戦いにプロレーサーも予選通過ならず!?

「ROOTS JAPAN CUP 2018 FINAL」は、予選タイムアタック、決勝レースのスターティンググリッドを決めるグリッドレース、決勝レースで行われました。

予選タイムアタックでは「筑波サーキット」を6周走行し、上位8名がグリッドレースへ。現実世界の「FIA-GT3マシン」に相当する「Gr.3」マシンで戦われ、コンマ1未満のタイム差を争う接戦となりました。

結果は、HeAvN選手が、2位のやまどぅー選手を0.011秒上回る「53秒120」というラップを記録しポールポジションを獲得。この予選には「SUPER GT」や「86/BRZレース」で活躍するリアルプロレーサー、久保凛太郎選手も参加しましたが、決勝進出は叶わず。eスポーツのレベルの高さが伺えます。

予選に臨む久保凛太郎選手。「SUPER GT」や「86/BRZレース」で活躍するリアルのプロレーサーだ
予選に臨む久保凛太郎選手。「SUPER GT」や「86/BRZレース」で活躍するリアルのプロレーサーだ

グリッドレース・決勝レースともに一瞬とも目が離せない!

決勝レースのスターティンググリッドを決めるグリッドレースは、鈴鹿サーキットを3周するスプリントレースです。やまどぅー選手(BMW Z4 GT3 '11)、カルソニック選手(メルセデスAMG GT3)、冨林勇佑選手(ポルシェ911 RSR)の3名が、スタートから見事なドッグファイトを展開し、僅差でやまどぅー選手が逃げ切って、決勝レースのトップスタートをゲットします。

決勝前、土屋圭市さんと日本人初の女性プロゲーマー、チョコブランカ選手によるエキシビションマッチも行われた。勝ったのは土屋さん。久保凛太郎選手がレース解説を担当した
決勝前、土屋圭市さんと日本人初の女性プロゲーマー、チョコブランカ選手によるエキシビションマッチも行われた。勝ったのは土屋さん。久保凛太郎選手がレース解説を担当した

決勝レースは、同じ鈴鹿サーキットを11周します。よりレースをおもしろくしたい土屋圭市さんのアイデアで、通常よりもタイヤの減りと燃料消費を早く、そして現実ではありえない強いスリップストリーム(高速で走るクルマの後方に付くことで空気抵抗が低減し、加速するレーシングテクニック)を設定した、eスポーツならではのスペシャルレースです。

各選手とも、スムーズなドライビングでタイヤをいじめないようにしたり、ピットでの給油時間を減らすために手元で燃料の濃さを変えたりと、地味ながらも高度なテクニックでレースを展開。レース終盤には、グリッドレースで上位を争ったカルソニック選手、冨林選手、そしてやまどぅー選手の3名が激しいトップ争いを繰り広げ、最終ラップへ。トップでゴールラインを越えたのはやまどぅー選手でした。2位のカルソニック選手との差は、わずか0.004秒! 優勝したやまどぅー選手には、「ER34型日産スカイライン」の実車がプレゼントされました。

決勝後の記念撮影。1~3位の選手には、今大会で使用したゲーミングヘッドセット、決勝進出全員に土屋圭市氏が司会を務めるカーDVD「ホットバージョン」の最新号がそれぞれプレゼントされた
決勝後の記念撮影。1~3位の選手には、今大会で使用したゲーミングヘッドセット、決勝進出全員に土屋圭市氏が司会を務めるカーDVD「ホットバージョン」の最新号がそれぞれプレゼントされた

やまどぅー選手は、「なかなかすごいレースで、最後は本当にラッキー。選手同士の信頼関係があるから、ここまで攻められました。途中からブレーキフィーリングが変わって、何回かコースを外れてしまいましたが、3位まで挽回してからは落ち着いて前の2台のミスを待っていました。わざと少し距離を取ってシケイン(カシオトライアングル)でわちゃっとなったときに、一気に“漁夫の利”をいただきました」とコメント。

ROOTSスペシャルアンバサダーの土屋圭市氏は、「現実のレースにはない、強いスリップストリームを導入したことで盛り上がったのかなと思っています。現実のレースでは、年に1回あるかないかのバトルが見れて非常に満足しました」と、eスポーツならではの展開を振り返りました。

eレーシングの先頭を走る「ROOTS」は2019年も開催!

ROOTSは、6月のプレ大会で30万円の賞金が、そして初年度の最終戦となる今回では実車がそれぞれプレゼントされるなど、eレーサーのモチベーションも上がる本格的な大会。

日本国内ではまだまだ「所詮はTVゲーム。ゲームの大会に賞金をかけるなんて……」という考えがありますが、ROOTSの開催がこれからのeスポーツに大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。2019年もROOTSは開催予定とのこと。eレーシングの先頭を走るイベントとして、要チェックです。みなさん参加して、「プロeレーサー」への道を拓いてみませんか?

▼ROOTS公式サイト
https://rootsesports.com/

(取材・文・写真:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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