創業50周年を迎えた光岡自動車の歴史を振り返る!
クルマを愛し、より個性的なモデルに乗りたいと考えるユーザーに向けて、往年のクラシックカーのテイストを盛り込んだ車両をリリースし続けている光岡自動車。1994年には日本で10番目の乗用自動車メーカーとして認可を受け、オリジナル車両の制作もしている同社は2018年で創業50周年を迎えます。そこで今回は光岡自動車50年の歩みを振り返ってみましょう。
自動車板金工場としてスタート
創業者である富山県出身の光岡進氏はもともと新車ディーラーに勤めていましたが、1968年2月に独立し、光岡自動車の前身となる光岡自動車工業を地元である富山県で創業しました。当時は自動車板金工場としてのスタートでしたが、クルマの修理の傍ら顧客の要望に応えて中古車の手配もするようになり、1979年に株式会社光岡自動車を設立。中古車販売を中心に1981年7月には東京都江戸川区に東京支社を開設します。さらに同年12月には自社オリジナルカーの製造に乗り出すため富山県に開発部を設置し、翌年には初の自社オリジナルカーとなる「BUBUシャトル50」をリリースしたのです。
- こちらは1982年12月にリリースされたBUBU501
この1人乗りマイクロカーであるBUBUシリーズは、50ccの原付バイク用のエンジンを搭載したゼロハンカーと呼ばれるもので、当時は原付免許があれば乗れたため大ヒットを記録しました。しかし、1985年の法改正により普通免許が必要となってしまったために売り上げが激減。一時は工場を閉鎖するまでに至ってしまったのです。
レプリカカーの制作に着手
そんななか、マイクロカーの開発販売と並行して行っていた中古車部門でアメリカ車の並行輸入を開始するためにロサンゼルスに視察に訪れた光岡進氏は、現地で見かけたレプリカカーに興味を持ちます。その車両をヒントに生み出されたのが、1987年に限定販売された「BUBUクラシックSSK」だったのです。
BUBUクラシックSSKはルパン三世の愛車としても知られるメルセデスベンツ・SSKを再現したレプリカカー。オリジナルのメルセデスベンツ・SSKは1920年代の車両であったため、到底日常的に乗れるものではありませんでしたが、こちらはクラシックカーの雰囲気を味わいながらも日常的に乗れるモデルとして人気を博しました。
- 光岡・ビュート(現行モデル)
その後、1990年には「ラ・セード」、1991年には「ドゥーラ」、1993年には現在も販売が続けられている「ビュート」と、クラシックタイプのカスタムカーを続々とリリースしていったのです。
日本で10番目の自動車メーカーに
そしてついに1994年、乗用車メーカーとなる第1号車として「ゼロワン」がリリースされました。当初は車検証の型式欄に「組立」と記載され販売されていましたが、1996年には正式に型式指定を受け、MS01型として車検証にも車両型式が記載されることになったのです。
さらに2006年には自社製のオリジナルフレームを持ったフルオリジナルカー「オロチ」を発表。海外のスーパーカーにも引けを取らないルックスを持ちながらも、控えめなエンジンパワーやATのみのミッション、乗り心地に配慮した足回りなど、日常的に乗れるスーパーカー「ファッションスーパーカー」という新たなジャンルを切り開いたエポックメイキングな1台となりました。
そして先日には光岡自動車創業50周年記念モデルである「ロックスター」をリリース。こちらは古き良きアメリカをイメージさせるオープン2シーターとして発売前から注目度の高いモデルとなっています。来年以降もどんな個性的なモデルがリリースされるのか楽しみにしたいところですね。
(文:小鮒康一 編集:ミノシマタカコ+ノオト 画像提供:光岡自動車)
[ガズー編集部]
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