オススメの観戦スポットは? 香港マカオ「ギア・サーキット」をぐるりと1周
2018年のモータースポーツを盛り上げた「マカオグランプリ」。「WTCR(世界ツーリングカー選手権)」や「F3ワールドカップ」といったビックレースが行われたこのイベントの舞台が、「ギア・サーキット(広東語:東望洋跑道)」です。マカオ市街地の一般道を封鎖して作られるこのサーキットは、まるでF1モナコグランプリが行われるモンテカルロ市街地コースのようであることから「東洋のモナコ」とも呼ばれるもの。今回はこのギア・サーキットをぐるりと一周して、観戦スポットや雰囲気をご紹介します。
道幅の狭い市街地ならではスポットがたくさん
まずは、ギア・サーキットのコースレイアウトをご覧ください。
マカオ中心地の公道を封鎖して作られる全長6.2kmのこのコースは、1周の中に「海側」と「山側」の2つの顔を持ち、海側はストレートが続く高速セクション、山側はコーナーが続くテクニカルセクションとなっています。今回、解説する箇所は、(1)~(6)の番号を振った場所です。番号がない地点は、安全上の理由などにより入場できなかった箇所になります。
(1)ホームストレート・ピット&グランドスタンド(スタート/ゴール)
ここがギア・サーキットのスタート/ゴールのホームストレート。ほかのサーキットと同じく、ピットレーンとグランドスタンド、メディア・レース関係者が業務をするビルなどがあります。
大きなレースが開催されるサーキットとしては狭く、レース前になると人とマシンで大変混雑します。グリッドウォークなどでホームストレートへ行くときは、レース関係者の邪魔にならないようにするだけでなく、スリや落とし物にも気をつけましょう。ただ、狭いだけに、お目当てのドライバーやレースクイーンに会える確率は、高いと言えるでしょう。
(2)リスボアコーナー
スタート後、高速コーナーと長いストレートを抜けると待ち構えている90度カーブが「リスボアコーナー」です。ここにも観戦スタンドがあり、スタンドの向かいには大型スクリーンが設置されています。ここから一気にコースが狭くなるため、接触やクラッシュが多発するエリアです。「リスボア」の由来は、コーナー外側にポルトガル領時代からの老舗ホテル兼カジノ「ホテルリスボア」があるから。マカオグランプリらしい激しいバトルを見たい人にオススメの観戦スポットです。
ちなみに、ここから5~6分歩いたところにエッグタルトで有名なカフェ「マーガレットカフェ」があります。できたてホヤホヤのエッグタルトは甘さ控えめで、レースの合間や観戦帰りに一息つくのにピッタリなスイーツです。写真の6個入りで55MOP(マカオパタカ)。日本円で700円前後です。
(3)モーリッシュ・ヒル ※一般観戦不可
リスボアコーナーからは、峠道のような曲がりくねったセクションが続きます。「モーリッシュ・ヒル」はさらに道幅が狭くなり、見通しが悪い急カーブもある登り坂。レースではクラッシュポイントとして有名です。クラッシュが起こると、後続車両が次々と突っ込んでしまいレース中断となることも、珍しくありません。
なお、このカーブの下は幹線道路で、レース中も現地のクルマがたくさん走っており、近くには中学校も。カメラマンは(1)のグランドスタンド下から大きな貯水池に沿うように歩いて向かいます。
(4)ドナ・マリア・ベンド ※一般観戦不可
ここは若干下りながらの長い左コーナーです。公園があり、普段は地元住民の憩いの場となっているようです。道を挟んで「通訊博物館(通信博物館)」という郵便、テレビ、電話といった通信にまつわるさまざまな博物館があります。
レース中、コーナー出口にはオフィシャルが「注意・追い越し禁止」を示す黄旗を常に出しているのが、「ドナ・マリア・ベンド」の特徴(理由は次項で解説します)。ちなみに「ドナ・マリア」とはポルトガル女王の名前が由来です。
(5)メルコヘアピン
ギア・サーキットで一番有名な180度カーブです。奥行きはあるもののヘアピン出口が絞りこまれるように狭く、ハンドルを切るタイミングを誤ると曲がりきれない難所です。そのため常時、黄旗が振られ、追い越し禁止となっているのです。ここにはマカオ交通事務局の建物があり、そこの屋内駐車場から観戦ができるそうです。
(6)Rベンド ※一般観戦不可
いよいよ最終コーナー。メルコヘアピンから一気に下り、スピードに乗ってマシンがやってきます。写真には写っていませんが、並行して高速道路が敷かれていて、レース中もたくさんのクルマが行き交いしていました。
こちらはコーナー出口の写真ですが高速で走るレーシングカーとカメラマンを隔てているのはガードレールだけで正直、怖かったです……。
現地観戦はスマホの生中継を活用して楽しむのがオススメ
道幅の狭い市街地サーキットであるため、しっかり観戦できるポイントは(1)と(2)の2箇所だけですが、それでも十分にレースを楽しむことはできるでしょう。マカオは、登録不要の公衆無料Wi-Fiが多く展開されているので、立ち入れないポイントの様子はスマートフォンで生中継を見るのをオススメします。レースファンなら一度は訪れたいギア・サーキット。次回のマカオグランプリは、ぜひ現地でこの迫力を感じてみてください!
(取材・文・写真:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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