走り続ければメキシコへ!? アメリカ西海岸交通事情
まさに「ところ変われば品変わる」ですね。土地土地で習慣や作法が変わるのはクルマ文化だって同じこと。海外に出かければ、交通ルールやマナー、そして常識が日本と違うのは当然です。だからこそ、海外でのドライブっておもしろい。
先日、アメリカ西海岸でドライブをしてきました。そこで感じた日本との違いや興味深いルール&マナー、そして日本では考えられない体験を紹介しましょう。
日本車なのに、日本にはない装備が付いていた!
ドライブのパートナーは最新のMazda6(マツダ・シックス)。日本では「アテンザ」として販売されているクルマの、北米仕様です。でも、日本向けとは違う部分がいろいろとあっておもしろい。
サンバイザーは後方へ延びるエクステンションが付いていて、横からの日差しをしっかりカット。
オーディオに「XM」というソースが? これは衛星からの電波をキャッチする衛星ラジオでした。ラジオの電波が入らない場所……それこそ近くに街のない砂漠の真ん中でも聞こえるし、長距離移動中に刻々と変化するラジオの周波数を変える必要だってない便利装備です。
余談ですが、今回のドライブの相棒はハードロックを延々と流すチャンネルをずっと聞いていました(笑)。チャンネルがたくさんあるので、好みのジャンルにあわせられるのです。
全車両が一時停止。信号のない交差点で多い合理的なルール
アメリカの、信号機のない交差点で多く見かけるルールが「4ウェイ ストップ(オールウェイストップ)」。交差点に入るすべての車両が一時停止し、先に交差点に進入した車両から順番に通過できます。単純明快でわかりやすいし、優先道路がなく全車が一時停止だから通過速度も落とせますね。タイミングが微妙な時は右側の車両に優先権があります。
赤信号で曲がるのは違反じゃない!?
信号は日本よりも厳密に守られている印象で、どのクルマも黄色信号になったらしっかり止まるし、日本と違って赤に変わってから交差点を通過するようなクルマは見当たりません。というか、そんなことをしたらすぐに警察に捕まっちゃいます(取り締まりはけっこう厳しいらしい)。
しかし、信号が赤なのに右折(右側通行なので日本の感覚だと左折)するクルマはたくさん!
信号無視? と思ったら、そうではないのでした。なぜなら、信号が赤でも右折することが認められているから。確かに、安全さえしっかり確認すれば右折しても誰も困りませんからね。合理的なルールです。
「信号が赤の時は右折禁止」という標識がある交差点だけはNGで、それ以外の場所(特に禁止指示のない場所)は赤信号で右折可能です。右折の際(右折レーンの先頭にいるとき)は、日本の感覚で信号が青になるのを待っていると後ろのクルマから「ププッ!」とホーンを鳴らされちゃいますのでお気をつけを。
高速道路は広い。広すぎる! だからどの車線を通ったらいいのか悩む
それではハイウェイへGO!
高速道路を走ると、アメリカっていう国は凄いなと思います。とにかく高速道路が広い! 日本の高速道路は多くても3車線で、4車線はごく一部の区間で見かけるくらいですよね。ところが、アメリカの大都市近郊は4車線なんてあたりまえ。5車線とか6車線だってあります。さすが自動車大国。 でも、慣れるまではそれゆえの悩みも。との車線を走ったらいいのかわからないのです。本当に迷うんですよ。
迷ったら、基本は外側(右側)を走りましょう。中央寄りが速いクルマ用の追い越しレーンなのは日本でもアメリカでも同じことです。ただ、車線の多い高速道路の場合は一番右のレーンはそのまま右にそれて出口レーンとなってしまうことが多々あるので、右から二番目のレーンがいいですね。
アメリカの高速道路を走って感じるのは、日本と違って極端に遅い車がいないこと。みんな制限速度にあわせて走っている印象です。だから流れがとてもスムーズで、日本のように遅い車に詰まって集団になったりはしないんですよね。これがストレスレスにつながり、長距離を走っても疲れにくい理由なのだと思います。
2人以上が乗るクルマと省エネカーだけが走れる車線も
カリフォルニアなどのフリーウェイには「カープールレーン」と呼ばれる、興味深い車線があります。ここは、「2人以上が乗った車両」と「電気自動車やプラグインハイブリッドカーなどのエコカー」だけが走れる車線(以前は“プラグインではない”ハイブリッドカーまで対象だったこともあります)。どの車線もスムーズに流れている時はメリットがありませんが、渋滞したときにはこの車線だけスイスイ走れることがあるのです。
目的は道路を効率よく活用するためですが、この車線を走るためにプラグインハイブリッドカーや電気自動車を買う人もいるとかいないとか。
えっ? 高速道路を走り続けていると、意図せずメキシコへ?
下の写真の案内看板に「LAST USA EXIT」、つまりアメリカ合衆国の最後の出口と書いてあります。そこでクエスチョンです。ここで高速道路を降りなかったらどうなるのか?
なんと、そのまま隣国のメキシコへ入ります。島国である日本の感覚では想像しづらいですが、道をそのまま走っていると違う国へ入ってしまうのです。信じられません。
ただし、以前はノンストップで国境を通過するだけ(!?)だったアメリカからメキシコへの入国も、数年前からメキシコ側のパスポートコントロールが設けられました。現在はさらに大掛かりな国境施設も建設中で、なんだか残念ですね。
数時間待ちは当たりまえ。メキシコからアメリカへの入国は大混雑
かつてほどの緩さはなくなったとはいえ、アメリカからメキシコへの入国は簡単で時間もかかりません。しかし、その逆であるメキシコからアメリカへの入国はチェックが厳重。だから国境をクルマで通過するのにはかなりの時間を要します。メキシコ側からの検問への列は、こんなに凄いことに。
ちなみに、徒歩でのアメリカ入国は日本のパスポートであればそれほど時間はかかりません。
クルマ好きなら、Come on baby America!
アメリカは自動車の普及が世界一はやく、クルマとともに文化が作られてきた国。クルマ好きなら、いちどは自分の手でハンドルを握って運転してみたい場所ですよね。
ところで、カリフォルニア州を含めてアメリカのほとんどの州は国際免許がなくても日本の免許証さえあればクルマを合法的に運転可能です(ただしレンタカーを借りる手続きや警察に止められた時のことを考えるとレンタカー会社の発行する免許証翻訳書などを携帯するのが望ましい)。ご存知でした?
(文:工藤貴宏 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
あわせて読みたい!
最新ニュース
-
-
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
2024.11.21
-
-
-
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
2024.11.21
-
-
-
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
2024.11.21
-
-
-
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
2024.11.21
-
-
-
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
2024.11.21
-
-
-
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
2024.11.21
-
-
-
楽しく学べる「防災ファミリーフェス」を茨城県の全トヨタディーラーが運営する「茨城ワクドキクラブ」が開催
2024.11.21
-
最新ニュース
-
-
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
2024.11.21
-
-
-
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
2024.11.21
-
-
-
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
2024.11.21
-
-
-
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
2024.11.21
-
-
-
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
2024.11.21
-
-
-
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
2024.11.21
-