最新パトカーからブロックで作った人形まで! デトロイトモーターショーで気になった8つのトピック

今年は東京モーターショーの年ですね。一般公開は10月25日(金)から11月4日(日)まで行われるそうです。ところでモーターショーは東京だけでなく世界各地でおこなわれているのですが、アメリカの自動車都市「デトロイト」でおこなわれるのがデトロイトモーターショー(正式名称は「北米国際自動車ショー」です)。年があけてすぐにおこなわれるのが毎年(デトロイトモーターショーは毎年開催)の恒例で、今年は1月14日に開幕しました。
今日は、そんなデトロイトモーターショーで見かけた、興味深いトピックをお届けしましょう。

TOPIC 01:やっぱりSUV人気が根強い。会場内はSUV率高し! トラックもたくさん

乗用車販売のうち50%以上がSUVというアメリカでおこなわれるモーターショーだけに、会場内はとにかくSUVが多いんです。上の写真はアメリカの自動車メーカーのひとつである「GM」を代表するブランド「シボレー」のブースですが、見える範囲の車両はほとんどがSUV。本来、SUVはセダンに対して特別なクルマだったはずですが、ここまでSUVが多いと「個性的なクルマが好きだからセダンに乗る」なんていう逆転現象が起きてもおかしくないですね。

プレミアムブランドの「キャデラック」だって、昨今の主力はSUV(写真左)。大きいのから小さいのまで揃っています。「RAM」はクライスラー(FCA)のSUV&トラック専門ブランド(写真右)。その主力となる「RAM」(RAMはブランド名でもあり車名でもある)という力強いトラックは、2017年になんと50万台も販売。日本でもっとも売れた乗用車の約2倍も売れてしまう人気の高さに、驚かずにはいられません。

TOPIC 02:でも、アメリカの人たちはスポーツカーだって大好き

SUVやトラックが大人気だったら、スポーツカーは少ないだろう……なんて思ったら大間違い。アメリカの人たちは、スポーツカーも大好きなのです。写真右側は「ダッジ」の「チャレンジャー」というマッスルカー。展示されている車両を見ていると“エネルギーに満ち溢れた力強い雰囲気のクルマ”が好みのようですね。

こちらは「フォードGT」。600馬力以上を誇る市販スーパーカーです。
ところで、左に立っているレーシングスーツ姿のドライバーは……なんだか様子がヘン?

カクカクしているのは、決して写真の解像度不足ではなくレゴブロックで組み立てられた人形だったからでした。最近、実物大の展示物をレゴブロックで作るのが流行っていますね。

TOPIC 03:フォードのブースには天井以外はすべて液晶にした場所も

昨今、モーターショーではステージ奥の壁を全面液晶ディスプレイにするのが流行っています。しかし、フォードブースの一部はそれだけじゃ収まらない。なんと、壁だけでなく床まで液晶ディスプレイにしちゃったのですから。斬新ですね。
踏みつけて割れちゃったりしないか心配する必要は……どうやらなさそうです。

TOPIC 04:警察仕様も展示。どうやら本物らしい。

そんなフォードは、今回のデトロイトモーターショーで主力SUVの「エクスプローラー」をお披露目。そして、新型エクスプローラーの隣に展示されていたのがなんと、その新型エクスプローラーをベースにした警察仕様のパトカー。「インターセプタ―」という独立した車種です。

ベース車両の新型が登場するのと同時に警察車両も公開するなんて、なんという早業!
ベース車両の新型が登場するのと同時に警察車両も公開するなんて、なんという早業!

室内も、しっかり警察仕様に作り込まれていました。そうそう、パトカーもSUVが多いんですよ、アメリカは。

TOPIC 05:会場内で実車を走らせちゃうなんて!

韓国の自動車メーカー「キア」はなんと、オフロードコースのような展示……ではなく、建物内に特設コースを作って実際にクルマを走らせ、助手席同乗体験ができるようになっていました。

日本では考えられません(消防法により展示場内でエンジンを掛けられません)。こういうところが自由でいいですね、アメリカは。

TOPIC 06:カラーコーディネートにもこだわる

最近は、展示車両全体のカラーコーディネートにこだわる自動車メーカーが増えましたね。

ホンダの上級ブランド「アキュラ」は、前列は赤、後列は青でボディカラーをコーディネート。

日産の上級ブランド「インフィニティ」は白で揃えています。対称的に、フォルクスワーゲンはカラフルですが一見したところバラバラ。だけど実は、手前の紺からいちばん奥の赤へ向かって鮮やかなグラデーションになっているんです。これもこれで楽しい。

TOPIC 07:トヨタブースに展示されたラリーカーの秘密

トヨタブースにはWRC(世界ラリー選手権)で大活躍したヤリスが展示されていました。ヤリスは昨年のシリーズチャンピオンに輝いたマシンですが、これは展示用のレプリカではなくなんと本物。貴重な車両だから、プレスデーでも専属のガードマンが絶えず張り付いていたうえに、仕切りで囲まれて触れないようになっていました。そこまで手間がかかっても、展示して多くの人に見てほしかったということなのでしょうね。

トヨタブースのスタッフが「実は、トヨタブースの展示でいちばん高価な車両ですよ」とこっそり教えてくれました。

TOPIC 08:会場から見える川には、大きな氷が流れている。

デトロイトは五大湖のほとりにあり、大きな川を挟んだ対岸はカナダ。だから毎年1月のモーターショーの時期はとっても寒いんです。会場の休憩スペースから見える国境の川に、大きな氷が「どんぶらこ、どんぶらこ」と流されている様子はデトロイトモーターショーの風物詩といっていいでしょう。

対岸はカナダ、川を流れるのは氷。すごくないですか、この風景
対岸はカナダ、川を流れるのは氷。すごくないですか、この風景

しかしながら、1月にモーターショーが開催されるのは、今回が最後。来年からは6月に開催されるそうです。
取材の合間にコーヒーを飲みながら風景を見つつ「川を流れる大きな氷がみられるのも最後か」と思うと、なんだかさみしい気分にもなった冬開催最後のデトロイトモーターショーでした。一年半後の開催となる次回も、ボクたちをワクワクさせてくれるクルマがたくさん出展されることを期待したいですね。

(文:工藤貴宏 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]

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