目指せ自己ベスト更新!チューニングカーのタイムアタックイベント「Attack Tsukuba 2019」
2019年02月23日(土)、茨城県の筑波サーキットコース2000にて「GOODRIDE presents Attack Tsukuba 2019」が開催され、多くのチューニングカーが自己目標タイムに挑戦しました。好天にも恵まれ、大いに盛り上がったこのイベントをご紹介します。
マシン規定は特になし!
Attackは、有名チューニングショップで腕を奮っていたエンジニアが主催する、チューニングカーによるタイムアタックイベント。筑波サーキットでの開催は、昨年10周年を迎えました。14のコーナーと2本のストレートで構成される1周約2kmのテクニカルコースは、ドライバーの力量はもちろんのこと、チューニングカーの総合力が問われ、“1分切り”がひとつの目標とされています。最速タイムはアンダー鈴木さんと愛機、スコーチアドバンシルビアが2017年に出した50.366。あと少しで50秒の壁を切ることができるところまで来ています。
マシンは、市販のラジアルタイヤかSタイヤを使用する以外、特に規定などはありません。マシンもS2000やランサーエボリューション9、RX-8やRX-7(FD3S)、GT-Rやシルビア(S15)など多種多様。中には、RX-7にトヨタの6気筒エンジン(2JZ)を搭載したマシンなどもありました。
多くのマシンは、コーナーリングスピードを高めるべく大型のエアロパーツを備えているほか、徹底的な軽量化とエンジンの高出力化が図られています。その姿は、速さを追い求めた“チューニングカーの究極進化形”といえるでしょう。
参加者も多種多様。トップ勢はチューニングショップとプロドライバーですが、個人や仲間同士で参加している人も多く、中にはトランクにタイヤを詰め込み自走で来られている方もいらっしゃいました。男性だけかと思いきや女性ドライバーの姿もみられ、話を伺うと「今日でこのマシンでタイムアタックするのは5回目なんです。ハイパワーなマシンに慣れていなくて。目標の1分切りしたいですね」と笑顔。
会場はオープンピットということもあり、来場者はマシンの近くまで立ち寄れるのも魅力。チューニングカーファンとしては、たまらないイベントといえるでしょう。来場者がカメラで気になる部分を撮影したり、ドライバーやメカニックに声をかけたりする姿も目立ちました。また、出展ブースも多数あり、GT500のマシンが展示されていたほか、ドライバーのトークショーでは人だかりで選手の顔を見ることができないほどの盛況ぶりでした。
アタック開始!注目の結果は?
Attack筑波2019の注目は今季51秒757を出し、筑波歴代2位の記録を樹立しているファイアー安藤さんのESCORT Evo9と歴代4位のタイムをもつ谷口信輝さんがステアリングを握るガレージGフォースエボによるランサーエボリューション9対決。
そして、アメリカのバトンウィローでFF最速の称号を持ち、WTAC2018で2位を獲得したウイリアム アウトヤング選手のVibrant Performance/PZ Tuning(CIVIC)がタイム更新するかという点。ウイリアム選手は、前日の練習走行であっさりと筑波FF最速タイムを1秒以上も塗り替える53秒299を出しているだけに、いったいどのような記録が飛び出すのかに話題は集中していました。
午前中に練習走行、午後に本番を迎える他のモータースポーツイベントと違い、Attackでは、朝9時と午後3時に「スーパーラップ」と呼ぶ本番、それ以外の時間帯は練習走行が行われます。これは朝や夕方といった気温が低いほうが、タイムが出やすいためです。
時折冷たい風が吹く朝9時に、1回目のスーパーラップがスタート。ファイアー安藤さんは、計測ラップ1周目に自身の記録を大幅に上回る51秒119を記録した一方、谷口信輝さんは自身の記録52秒391から1秒以上遅い53秒830と更新ならず。ウイリアム選手も53秒700と好タイムを出すも記録更新はなりませんでした。
その後も、参加者達は自身のラップタイム更新を目指し筑波をアタック。気温がだんだん高くなると、記録更新する車両も少なくなってきました。
日が傾き始め、肌寒くなってきた午後3時から行われた2回目のスーパーラップは、谷口信輝さんのガレージGフォースエボが、エンジントラブルのため不参加。一方ファイアー安藤さんがセクター1を自己ベストでやってくるものの、第2ヘアピンを過ぎたあたりで突然マシンが不調になりピットへ。話を伺いに行くと、突然燃料が濃く吹いたためで「50秒切りまで、あと0.2秒なんだけれどね、アンダー鈴木さんも言っていたけれど、その壁が厚いんですよ」と苦笑い。マシンに異常はなく再度アタックするものの、記録更新にはなりませんでした。
FF最速記録更新を狙うウイリアム選手は、一度はマシンをピットに入れてしまうものの、53秒071を叩き出して目標達成。各選手も目標タイムに近いラップを重ねていきました。
タイムアタッカーたちの情熱を感じよう!
戦略で左右されるモータースポーツとは異なり、極限まで愛車をチューニングし1周にすべてをかける姿は、チームや個人のクルマに対する情熱をより強く感じさせるものでした。また、数多くのチューニングカーが数多く並び、その多くが市販で販売されているパーツで構成されていますので自動車好きにはたまらないイベントといえるでしょう。
次回のAttackは、3月6日(水)に岡山国際サーキット、3月24日(日)に仙台・スポーツランドSUGO、4月27日(土)に福島県・エビスサーキットで行われます。タイムアタッカーたちの情熱を感じに、サーキットに足を運んでみてはいかがでしょう。
(取材・文・写真:栗原祥光 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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