どんなクルマが人気? 地元の自動車業者に「北関東のクルマ事情」を聞いた
都市部では、クルマを所有していても「一家に1台」というケースが多いもの。しかし、都市部を離れると「一家に1台以上」が当たり前となってきます。では、こうしたクルマがより移動手段として身近にある地域では、どういったクルマが好まれるのでしょうか? 群馬県伊勢崎市で新車・中古販売、車検、点検など請け負っている、有限会社町田モーターサイクル代表 町田浩和さんに、北関東、特に群馬県のクルマ事情について聞きました。
1台目は家族での移動を考えてミニバン
「群馬県は、山奥だけではなく、弊社のある伊勢崎市でもそうですが、公共交通機関が通っていない地域にお住まいの方も多く、通勤や通学のためクルマの所有は“ひとり1台”である場合が多いものです。そのため、クルマを購入されるお客様の年齢層も、幅広くなっています。これは、群馬というより地方では共通のことだとは思います」(町田さん)
では、どんなクルマが求められているのでしょうか?
「1台目として選ばれるのは、家族みんなが快適に乗れるミニバンですね。核家族化は進んでいますが、おじいちゃんおばあちゃんを乗せる機会も多いため、乗降性の面からもスライドドアのミニバンは人気です。お子さんがある程度大きくなったご家族なら、トヨタ・プリウスや日産・ノートe-POWERといった燃費のいいクルマを購入される方も多くいますね」(町田さん)
2台目以降は軽自動車が人気。特にスライドドア車
2台目以降に関しては、やはりコストや燃費を考えて軽自動車を選ぶお客さんが多いそう。でも、軽自動車の中でも人気モデルの傾向は変化しているとか。
「2台目以降は、今は小型車より軽自動車の人気が強いですね。特に、スライドドア車です。たとえば群馬県は地域柄、風が強いため、駐車場でドアを開けたとき、通常のヒンジドアでは風にあおられて隣のクルマを傷つけてしまうこともあります。こんな地域事情も、スライドドアが選ばれる理由のひとつです。また、お孫さんを乗せることを考えてスライドドア車を選ぶ、年配の方もいらっしゃいます」(町田さん)
小さいお子さんの乗降性を考えると、スライドドア車を選ぶ方が多いようです。当初、スズキ・ワゴンRを考えていたお客様が、そういった理由でスペーシアを選んだケースもあったと言います。
ちなみに群馬県といえば、スバルの工場があることでも有名ですが、地元のクルマ好きはスバルを選ぶ傾向にあるのでしょうか?
「群馬県内でもクルマ好き、特に若い男性に好まれていますね。『地元だから』というので、あえて選んでいる人もいると思います。それ以外では、スバルに関係する人なども乘っていますが、実は群馬でも“クルマ好きのクルマ”というイメージは強いです。ですが最近は、お洒落だからと選ばれる女性も増えています。『MINIに乗りたいけど輸入車だから不安で……』という女性がXVを購入されたケースもありました」(町田さん)
進学・新卒者へのクルマ需要は5月がピーク
なお、群馬県内でクルマの需要が高まるのは、進学や就職と重なる年度末ではなく、ちょっとずれて5月とのこと。
「進学者や新卒者向けのクルマは、5月のゴールデンウィークあたりが一番よく売れます。なぜかというと、教習場が込み合うので免許が取れる時期がずれて、入学や入社の直後には間に合わない人が多いからです。4月中旬から下旬に免許が取れて、とりあえず親のクルマを共用で使う。すると、『もう1台必要だ』となるわけです」(町田さん)
ちなみにこの時期に購入される方は、梅雨の時期には手元にクルマがあるように、6月までに納車可能なクルマを選ばれることが多いと言います。
高齢者の移動手段が大きな問題
町田さんによると、「免許を返納したくても、代替え交通機関がなくて難しい高齢者が増えている」とのこと。高齢者の移動手段は、群馬県や北関東に限らず全国で問題となっています。
「弊社では、そういった移動手段がないお年寄りのために、介護タクシーの事業を始めました。このようなケースはどんどん増えていくので、私たちのような街のクルマ屋さんは、地元との信頼関係を活かして、生き残りの意味でも、こういったクルマの販売や修理以外の事業もやっていくケースが増えるのではと思っています」(町田さん)
今回は群馬県伊勢崎市の自動車業者にお話を聞きましたが、どのエピソードや問題も全国に共通するものかもしれません。
▼町田モーターサイクル
住所:群馬県伊勢崎市羽黒町20-5
TEL:0270-31-0340
URL:https://www.arena-machida.net/
(取材・文:斎藤雅道 メイン写真:町田モーターサイクル 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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