ドライバーなら知っておきたい、クルマに必ず装備されている安全装備
現代のクルマには、たくさんの安全装備がついています。それらの安全装備は、法律で装備が義務付けられているものもあれば、そうでないものもあります。ただし、重要なのは、「安全装備はクルマの乗員を守るため」にあることです。お巡りさんが取り締まりをするためのものでもありません。クルマに乗っている大切な家族や友人などを、交通事故から守るためにある。自分たちのためのもの。そこのところをしっかりと理解してください。
運転する自分や大切な家族や友人を守るためにも、クルマの安全装備を知ることはとても大切なこと。ここでは、そうした安全装備の内容を説明します。
身近な安全装備「シートベルト」
まず、最も身近で触れる機会の多いのが「シートベルト」です。万一の交通事故のときに、乗員がハンドルやダッシュボードに叩きつけられたり、窓の外に飛び出したりするのを防いでくれます。理解してほしいのは、前席だけでなく後席の乗員にも必要なこと。たとえ低速であっても、窓の外に飛び出てしまえば、後続車や他のクルマにひかれる危険性があります。つまり、規制がどうのこうのではなく、常に前席も後席も同じようにシートベルトを装着することが、安全のためにはベストです。
そんな重要なシートベルトを、乗員がちゃんと使っているかどうかを確認する装置が「シートベルトリマインダー」です。乗員がシートベルトを使っていないことを警報を鳴らして教えてくれます。非常に重要な役割を果たす装置なので、装備が義務付けられています。
シートベルトの補助装置「エアバッグ」
「エアバッグ」は「シートベルト」の補助装置です。衝突時に目にもとまらぬ早さで、風船のようにクッションを展開させ、乗員がハンドルやダッシュボードに顔や頭をぶつけることを防ぎます。重要なのは「シートベルト」をしっかりとしめている状態で、初めて高い安全性を発揮すること。逆に言うと「シートベルト」なしで「エアバッグ」が働くと、その威力で乗員がケガをしてしまう可能性が大きくなります。過去には死亡事故がおきてしまったこともあるほどです。あくまでも「シートベルト」が主役のため、「エアバッグ」の装備は義務化されていません。
義務化されている「横滑り防止装置」と「ブレーキアシスト」
その他の義務化されている安全装備には「横滑り防止装置」と「ブレーキアシスト」があります。「横滑り防止装置」は、文字通り、走行中にクルマが横滑りしてスピン状態になりそうになると、システムがエンジンの出力やブレーキを調整して、不安定な状態にならないようにしてくれるものです。メーカーによって、「ESC」や「VDIM」「VSC」「ESP」「VSA」などと英語表示が異なりますが、内容は同じものとなります。
「ブレーキアシスト」は、急ブレーキをドライバーが踏んだ時に、ブレーキを踏む力をサポートして、より強く踏んだのと同じ状態にしてくれるものです。普通の人は急ブレーキを踏む機会が少ないため、なかなか強くブレーキペダルを踏むことができません。そこを助けてくれるシステムです。
急ブレーキ時、タイヤのロックを防ぐ「ABS」
ブレーキには他に「ABS」という安全装備もあります。これは「アンチロック・ブレーキ・システム」の略で、急ブレーキ時にタイヤがロックするのを防ぐもの。減速中にブレーキの制動力がタイヤの摩擦力より勝ると、まだクルマが進んでいるのに、車輪だけが止まってしまうことがあります。これがロックです。そうなると、タイヤは路面の上を滑ってしまい、コントロール不能に陥ります。これを防ぐため「ABS」は、ロックを検知した瞬間に、一瞬だけブレーキを緩めて、ロックを解消。すぐさまブレーキ力を回復。さらにロックしたら、一瞬だけ緩めてブレーキ力を回復ということを、繰り返します。そうすることで、急ブレーキの最中でもハンドル操作の効きを守ります。急ブレーキをかけてから停止するまでの距離を縮めるのではなく、急ブレーキでもクルマのコントロールを失わないことが主たる目的です。
2020年から義務化「事故自動緊急通報装置」
2020年から、新型車に装着が義務化される安全装備が「事故自動緊急通報装置」です。これは、「エアバッグ」が展開するような事故が発生したときに、自動的にコールセンターへ通報するシステムのこと。迅速に事故が通知されるため、救急車や警察の対応も早まり、事故で助かる命が増えることが期待されます。
義務化間近「衝突被害軽減ブレーキ」
また「自動ブレーキ」の義務化も間近です。「自動ブレーキ」は「衝突被害軽減ブレーキ」が正式な呼び方で、名称の通りに、衝突事故のときに被害を軽減するべく自動でブレーキが作動するシステムです。
ただし、クルマによってシステムの内容が異なり、作動条件も異なります。つまり、クルマによって「クルマが相手のときにしか働かない」「クルマも人も作動する」「クルマ、人だけでなく自転車もOK」「時速1㎞でも作動する」「時速10㎞以下ではダメ」「時速50㎞以上は作動しない」などと、内容がばらばら。ですから、自分のクルマに「自動ブレーキ」が装備されたときは、どんな条件のときに、何を相手に作動するのかを把握しておく必要があります。
また、ブレーキが作動しても、ぶつかる前に必ず止まるわけでもありません。ブレーキが作動しないときもあるし、作動しても止まり切れないときもあるのです。「何が相手でも、いつでも停まる」と過信してはいけません。
装備を過信せず、上手に使って安全運転を
クルマの安全装備は、年々、進化を続けており、その成果もあって、日本における交通事故死亡者の数は減っています。しかし、ゼロになったわけではありませんし、事故自体は、毎日、全国で非常に数多く発生しています。クルマの安全装置は、便利なものですが、それだけでは交通事故は防げません。あくまでもドライバーの安全運転への意識が重要です。安全装備を上手に使いつつも、過信せずに、安全運転を心がけましょう。
(文:鈴木ケンイチ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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