海外で見かけたちょっと懐かしい日本車 ~東南アジア 昭和車編~
世界各国を旅する中で、特に日本車の遭遇率が高いのが東南アジアです。とりわけ日本と同じ左側通行・右ハンドルで、現在は多くの日本の自動車メーカーが工場を構えるタイは、新旧さまざまな日本車の宝庫。今回は、タイの街中で見かけた昭和時代のモデルを紹介します。
三菱・ギャランシグマ(タイ・バンコク)
春には松田聖子がレコードデビューし、年末にはジョン・レノンが凶弾に倒れた1980年(昭和55年)。そんな年に登場したのが、三菱・ギャランシグマ(4代目)です。右ハンドルでナンバープレートの縦横比も日本のものと近く、フロントグリル中央に配置された丸型のランプを除けば違和感ゼロ。年々その数は減ってはいるはずですが、それでもこんな昭和の日本車が現役で活躍しているタイは、古い日本車好きには天国です。
マツダ・ファミリア(タイ・バンコク)
ギャランシグマと同じ1980年に登場したのがマツダ・ファミリア。歴代ファミリアの中で初めてFF(前輪駆動)を採用した5代目「BD型」は、月間販売台数で当時の2強であった日産・サニー、トヨタ・カローラをしのぐ月もあったほどの大ヒット作となり、当時は街中で本当によく目にしました。バンコクの郊外で歩道に堂々と駐車しているこのファミリアは、少々傷んでいますがもちろん現役。よく見るとグリルは6代目「BF型」のものを無理やり押し込んでいるように見えますが、そこはマイペンライ!(タイ語で気にしない!気にしない!)です。
ダイハツ・シャレード(タイ・バンコク)
キャンディーズが解散しピンクレディーが「UFO」を歌った1977年(昭和52年)に登場したのが、ダイハツの初代シャレード。趣味性が高いとはいえない実用車だったゆえに、近年日本ではその姿を見ることは皆無でしたので、バンコクの街で見かけたときには感動しました。直列3気筒1.0Lという当時としては珍しいガソリンエンジンは、その後も進化を続けながら後継のストーリアやブーンに引き継がれます。この角度から見るシャレードのクリーンなデザインは、今見ても魅力的に感じます。
日産・サニーRZ-1(タイ・サケオ)
カンボジアと国境を接するタイ・サケオの片田舎で見かけた赤いクーペは、日産・サニーRZ-1です。ハレー彗星が76年ぶりに大接近した1986年(昭和61年)に、トラッドサニーの愛称で親しまれたB12型サニーのクーペ版として登場したモデルです。前期型は1.5LのNAとターボモデルが用意され、後期にはターボが廃止され1.6Lツインカム搭載モデルが追加されました。ちなみにRZ-1は「アールズィーワン」と読みます。
余談ですが同じB12型サニーでも、ハッチバックボディのサニー303/305/306(排気量によって車名が違う)はサニーRZ-1以上にレアで、シビックやファミリアなど日本の若者にハッチバックが人気だった時代のモデルでありながら、現在滅多に目にすることはありません。
トヨタ・セリカ(タイ・バンコク)
バンコク市内の駐車場で見かけた初代セリカ、通称「ダルマ」。アジア初の国際博覧会、大阪万博が開催された1970年(昭和45年)に登場した2ドアクーペで、ダルマと言われているものの、そのボディは今見ても美しくスペシャリティカーとしての存在感も十分です。一方で、昨年マニュファクチャラーズタイトルを獲得したトヨタのWRC参戦への礎を築いたモデルでもあり、この初代から6代目のST205型まで、すべてのセリカがトヨタの主力マシンとしてWRCに参戦しています。旧車ファンにも人気のクルマなので、イベント等で見かける機会も少なくありませんが、それでも外国で普通に使われている姿を見かけるのは嬉しいものです。
タイでは日本の旧車、最新モデル、そして日本のメーカーでありながら日本未導入のクルマが街を行き交っています。しかしながら、現在タイ国内に数多くの日本メーカーの生産工場があることを考えると、これからは日本から輸出された旧車がどんどん減っていき、地元タイ生産の日本車が増えていくのは間違いなさそうです。そんな時代ではありますが、写真のクルマたちのオーナーさんには、これらの古い日本車を大切に乗り続けて欲しいと願わずにはいられません。
(取材・文・写真:高橋学 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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