【クルマ系YouTuber】ドライビングテクニックとクルマ遊びの伝道師、大井貴之さん

『ベストモータリング』や『REV SPEED』でクルマの魅力やドライビングテクニックを伝え、SUPER GTやスーパー耐久でレーシングドライバーとしても活躍してきた大井貴之さんが、YouTubeチャンネル「クルマで遊ぼう!大井貴之のSports Driving Labo.」を開設。自身をYouTuber(ユーチューバー)と称する大井貴之さんに、動画作成を始めたきっかけや今後の目標などをお伺いしました。

「クルマで走りたくなっちゃう動画」がテーマ

――なぜYouTuberとして活動を始めたのでしょうか?

長年『REV SPEED』に付属するDVDで、映像を通して読者にドライビングテクニックを伝える活動をしてきたのですが、制作の体制が変わって『REV SPEED』の仕事を離れることになりました。10年以上続けて来た仕事がなくなってしばらくは何をすればいいかも分からず抜け殻になっていたんですが、「今までやってきたことを、YouTubeで続けていけばいいじゃん!」とYouTuberとしての活動を始めました。

YouTuberは儲かる! と考えている方も多いんですが、現実は厳しいです(笑)。特にスポーツドライビングがテーマとなると、爆発的な人気コンテンツになる可能性はないと考えています。しかし、オレにできることはコレしかないので。

――YouTubeチャンネルのテーマはありますか?

「クルマで走りたくなっちゃう動画」をテーマに動画を作成しています。活動を始めたきっかけでもあるのですが、最近はサーキットなどでスポーツドライビングを楽しんでいる人に向けた情報が少ない。でも、運転好き、クルマ好きがいなくなったわけではない。そんな人たちのためのドライビングテクニックやチューニング情報はもちろん、街乗りで意識できるドライビングや穴場サーキットの走行会情報など、安く安全にできるクルマ遊びの方法も発信していくのがコンセプトです。

――動画撮影や編集はすべてご自身で行っているのでしょうか?

『ベストモータリング』時代にプロデューサーとしてディレクター、カメラマン、編集など映像制作のプロの仕事を身近に見ることができた経験が、現在の活動に生きています。『REVSPEED DVD』を制作していた時代にコストダウンのために自ら撮影、編集するようになり、現在はテーマによって昔からの仲間の手を借りることもありますが、ほぼ自分ひとりで制作しています。ギャラを支払う余裕などありませんから(笑)。

プロドライバーやレーシングエンジニアの出演に関しても、彼らのメリットになるようには考えて撮影、編集を行いますが、基本は友情出演(ノーギャラ)。いつかしっかりお返しが出来るように! と頑張っています。ウチで制作していた時代の『REVSPEED DVD』のコンテンツに関しては編集長から使用の許可をいただけたので、情報としてはちょっと古いんですがコンテンツの厚みを出すことができています。

撮影は、基本的に家電量販店で購入できる家庭用ビデオカメラです。移動先には常にビデオカメラを携帯していますね。現在のビデオカメラは業務用カメラに比べれば映像のクオリティは劣りますが、十分綺麗な映像が撮れます。それに出先でおもしろいネタを見つけたとき、すぐに撮影できる強みも。また、家庭用ビデオカメラだと撮影される側の人も変に気構えず、自然体で撮影できるのが長所です。

――動画の企画はどのように決めていますか?

動画の企画は一人編集会議をして、ネタ帳に書き連ねていっています(笑)。別の仕事で訪れた場所でおもしろそうなネタを見つけて撮影することはありますが、基本的に事前に登場してもらう人物や車種などを煮詰めてから撮影しています。

――登場するクルマは大井さんの愛車が多く見られます。

基本的に自分の愛車であるNB型ロードスターや、S2000を動画に登場させることが多いですね。特に登場が多いのがロードスターです。というのも、サーキット走行などでスポーツドライビングをする上で失敗は付き物。もし、修理が必要になった場合のことを考えると、新車価格が高価ではない車種がオススメです。その点NBロードスターは、ピッタリのクルマ。必然的に登場回数が多くなっていますね。

最近では「サーキット走行をするならこれぐらいの装備がないと!」みたいな感じになっていますが、安くてもクルマ遊びができることを動画で伝えていきたいと思っています。YouTuber的には、今「遊ぶ素材」として旬の86/BRZを手に入れたい本音もありますが……。

――最後に、読者の方にメッセージを

クルマがスポーツカーでなくても場所がサーキットでなくても、日常の街乗りを中心にどんな車種、どんなシチュエーションでもスポーツドライビングは意識できます。私自身、サーキットでのスポーツドライビングは普段乗りの延長線上にあるものだと考えていますし、普段乗りから意識することでドライビングが上達しました。

チャンネルではいろいろなクルマ遊びを紹介しているので、スポーツドライビングと聞いて身構えずに、私の動画を参考にしてクルマ遊びを楽しんでくれたら嬉しいです!

さらにクルマを好きになるヒントがある

クルマが大好きで今日までのキャリアを歩んでこられたという大井さん。取材時はドライビングを中心に、いつの間にかクルマ談義に花が咲いていました。そんなクルマ好きの大井さんが発信する動画は、さらにクルマを好きになるヒントがたくさん詰まっています。「クルマで遊ぼう!大井貴之のSports Driving Labo.」をご覧になって、新しいクルマ遊びの魅力を探してみてはいかがでしょうか。

▼クルマで遊ぼう!大井貴之のSports Driving Labo.
https://www.youtube.com/channel/UChshnsP0z2NQyY4y-3bqXcg

(取材・文・写真:西川昇吾 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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