新旧シトロエンが「しとろ町」に大集合！　「シトロエン志都呂ミーティング2019」

静岡県浜松市に志都呂町（しとろちょう）という名前の町があります。クルマの世界で「しとろ」と言えば、フランスの自動車メーカー「シトロエン」でしょう。CCM（シトロエン志都呂ミーティング）は、その名前にちなんで、志都呂町で行われているシトロエンのミーティング。2005年に第1回目が行われ、2013年に一度終了したものの、2018年に主催者が変わって復活した知る人ぞ知る人気イベントです。3月31日（日）には、復活して2回目となるCCMが、第3回目から定番となっている「浜名湖ガーデンパーク」で行われました。

シトロエンのイベントいうと何をするのでしょうか？　これがフェラーリやアルファロメオ、あるいはルノーやプジョーといったメーカーのイベントなら、走ることがメインの場合もあるかもしれません。しかし、そこはシトロエン。オーナー同志の交流はあるものの催し物は特になく、行われるのは、協賛企業や参加者が持ち寄った賞品をかけて行う「じゃんけん大会」だけ。

もちろん、シトロエンが主役であることには間違いありませんが、参加車両も限定しているわけではなく、シトロエンが好きな方や興味を持っている方であれば誰でも参加できるという自由さです。今回は、60台以上が参加していましたが、同じフランスメーカーであるプジョーやルノーの車に、イタリアのフィアット車の姿もありました。主役のシトロエンは、2CVから最新のモデルがズラリ！

今でこそほとんどのモデルで金属スプリングのサスペンションを使っていますが、かつてシトロエンといえば“ハイドロ”という油圧と空気を使った独創的なサスペンションが象徴でした。たとえばBXやGSがそう。この日も、ハイドロシトロエンが元気に参加していました。

上のブラウンのDSは、ユニークなオーディオを搭載していました。アメリカ製の「RetroSound®」という製品で、寸法といいスタイルといい古いシトロエンによくマッチしています。アメリカ製ゆえ、日本のラジオは聴けないそうですが、Bluetooth接続に対応しているため、スマホからラジオや音楽を聴けるとのこと。

カーイベントにはさまざまな方が参加され、会場のロケーションによっては犬を連れてくる方も少なくありません。しかし、この日の方は少々、予想の斜め上にいました。C４ピカソのオーナーが連れていたのはなんとニワトリ！　ご本人は「これでパンダリーノ(フィアットのイベント)にも行きましたし、普通ですよ」とおっしゃっていましたが、予想の斜め上を行くペットに驚かされました。

最後に、昨年のイベント復活から主催者となった森田さんに、今後のCCMについてお聞きしました。

「基本的には、前主催者が作ったゆるゆるとしたスタンスは崩さずにいきたいと思っています。でも、実は島田市にもう一箇所『志戸呂』という場所があるんです。地域には志都呂神社などもあり、これをめぐるツーリングができないか、と考えています」（森田さん）

参加台数をはじめさまざまな事情を考えると、なかなか実行に移すのは難しいと言いますが、「2日間にわたるイベントにしてみてはどうだろうか？」と構想中のようです。前主催者とは年齢こそ離れているものの、シトロエンに対する想いは一致している様子。次世代のCCMを託された森田さんの今後の展開に期待したいものです。しかし、CCMの持つ独特の空気は変わることなく続いていく、そんな気がします。

（取材・文・写真：きもだこよし 編集：木谷宗義＋ノオト）

[ガズー編集部]