高速道路の秘密を学べる「コミュニケーション・プラザ川崎」ってどんなところ?
日本全国に張り巡らされている高速道路網。今もあちらこちらで工事が行われ、日々延伸していますが、どのようにして作られているのでしょうか? またどのように安全を守っているのでしょうか? そんな高速道路の秘密が見られる施設が、誰でも見学できる「コミュニケーション・プラザ」です。今回はNEXCO中日本の「コミュニケーション・プラザ川崎」でその様子を取材してきました。
標識の大きさにまずはびっくり
東名高速道路・東京料金所の付帯設備の一部に、中日本高速道路(以下:NEXCO中日本)の「コミュケーション・プラザ川崎」はあります。とは言っても、高速道路から入る施設ではなく、一般道側に面した道路から入る施設です。
入り口には、高速道路で見る大きな案内標識のミニチュア版が設置されています。実際の道路に設置されている標識は、表記する文字量などにより大きさは変わるそうですが、おおよそ縦2m65cm×横3m50cmが標準サイズだそうです。この入り口にある標識は、それをふた周りぐらい小さくしたもので、建物のサイズに合わせたものとのこと。それでも、その大きさに驚きます。
中に入ると、NEXCO中日本の所管する高速道路の地図があります。東名高速道路をはじめ、愛知県の高速道路や北陸方面、中央道が走る長野などの高速道路を所管していることがわかります。その横には高速道路全般の年表があり、1956年に日本道路公団が設立され、1963年に名神高速道路が栗東~尼崎間で開通したことが示されていました。その時代ごとのミニチュアカーが置いてあることも、時代を感じさせてくれます。
高速道路やトンネル、橋の作り方も学べる
次に見るのはNEXCO中日本シアターです。「道路を作る・守る・もてなす」のさまざまなプロフェッショナルを紹介する映像を見ることができます。このスクリーンは、自分でデザインしたクルアをスクリーン上の高速道路で走らせることができる、「お絵かきシアター」のスクリーンにもなっています。
パネルや映像を使った展示では、高速道路を作るための基礎工事や、トンネルの掘り方、橋の作り方などを学ぶことができます。また、24時間365日高速道路を守る維持管理の方法などもパネルと映像で見ることができました。
コミュニケーション・プラザの真ん中にどーんと設置されているのが、新東名高速道路をモチーフにしたジオラマです。春夏秋冬の季節の移り変わりを見せながら、高速道路の施設や設備を、3台の動くモニターで学ぶことができます。それを見ているのも楽しいですが、この巨大なジオラマを見ているだけでも十分楽しめます。
さらなる秘密の場所。道路管制センターへ
このコミュニケーション・プラザ川崎の建物の中には、実は道路管制センターも一緒にあります。この「川崎道路管制センター」は、東名高速・新東名高速道路をはじめ、東京・神奈川・静岡・愛知の高速道路と一般有料道路の管制を担当するもの。壁一面の大きなモニターでは、高速道路の路線が表示され、事故や故障車がないかを約1400台のカメラでモニタリングしています。
そして事故などがあった場合には、道路に設置されている電光掲示板にさまざまな情報を表示させ、ハイウェイパトロールカーや警察・消防などと連携して対処する仕組みです。取材日は、たまたま新東名高速道路の厚木南IC~伊勢原JCTが開通した翌日でしたが、もちろんこの巨大なモニターには反映されていました。
この川崎道路管制センターでは事故や故障車、渋滞などをモニタリングして電光掲示板やラジオの交通情報を流しているほかに、工事の管理なども行っているそうです。見ているのは楽しいですが、中では大変な仕事が行われているということが、窓越しからも伝わってきました。
ちなみに、NEXCO中日本では、こうした管制センターが所管内で4カ所あるそう。またコミュニケーション・プラザは、この川崎のほかに富士にもあり、同じようにNEXCO中日本の取り組みを見ることができます。高速道路の裏側を楽しめるコミュニケーション・プラザ、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか?
▼コミュニケーション・プラザ川崎
開館時間:10:00-17:00
入館料:無料
休館日:年末年始(施設のメンテナンスのため休館日あり)
連絡先:044-866-8730(受付は9:00~17:00、年末年始を除く)
Webサイト:https://www.c-nexco.co.jp/corporate/prkan/kawasaki.html
※10名以上の団体は要予約。個人は予約不要ですが、団体見学などで案内ができない場合もあるので、来館の前に電話で要確認。
※道路管制センターは、高速道路上での災害や事故など緊急事態発生時は、見学できない場合があります。
(取材・文・写真:雪岡直樹 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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