噂の新型ハイエースも展示。バンコクモーターショー2019で見かけた日本で売っていない日本車

サワディカー。みなさんは、タイのクルマ事情といえばどんなイメージでしょうか？　はじめて訪れたひとはきっと驚くでしょうね。道路を走っているのが日本車ばかりだ、と。東南アジア最大の自動車生産台数を誇るタイは、国内販売のうち9割弱が日本ブランド車という「日本車ラブ」な国。しかし、日本では売っていない日本車が多いのも興味深いところです。そんなタイの首都バンコクで開催されたバンコクモーターショーで見かけた、日本では売っていない日本車を紹介しましょう。

タイはピックアップトラックが大人気。そこで日系メーカーも各社がピックアップトラックを用意しています。三菱のトライトンは、シャープな顔つきでなかなかのイケメン。タイ国内で販売されるだけでなく、タイを製造拠点として世界各地に輸出されている世界戦略車です。そしてなんと、三菱の世界車種別販売台数ランキングでは2位という孝行者。知らないのは日本人だけかも（北米も販売されていませんが）。

日本では大型トラックなどの商用車に特化しているいすゞですが、タイではピックアップトラックやSUVも販売する乗用車メーカーでもあります。ピックアップトアックの「D-MAX」はなかなか凛々しい顔つきですね。

「テラノ」なんて懐かしい車名……と思ったら、よく見ると「テラ」でした。しかし、ピックアップトラックの「ナバラ」をベースにSUV化したモデルなので、成り立ちはダットサントラックをベースにSUVに仕立てた「テラノ」と同じですね。温故知新でしょうか？　頑丈で悪路走破性が高いのも自慢。

ピックアップトラックをベースとしたSUVが多いのも、タイをはじめとする東南アジアの自動車市場の特徴。トヨタでいえば、「フォーチュナー」がそれにあたります。ハイラックスをベースに作られたSUVで、かつて日本で販売していた「ハイラックスサーフ」のような存在といえるでしょう。どことなくレクサスっぽい高級テイストのデザインで、現地での人気も高いです。

インドネシアを中心に人気がある、3列シートミニバンとSUVを掛け合わせたクロスオーバーモデル。三菱のエクスパンダーは2017年にインドネシアで発売するやいなや爆発的ヒットとなり、生産が間に合わなくてタイへの導入が計画より遅れてしまった逸話を持つモデル。なかなかカッコいいデザインですね。ちなみに生産国のインドネシアではなんと、顔つきを変えた日産仕様も販売しています。

日本でも話題沸騰中の「ハイエース海外向け新シリーズ」。バンコクモーターショーではマイクロバス的な多人数乗車モデルが「コミューター」として展示されていました。日本で販売しているハイエースはエンジンをフロントシートの下に積んでいますが、このシリーズは前部に積んでいるのが特徴ですね。それにしても、全長約6mボディは実物を見るととんでもない迫力！　日本への導入は考えていないそうです。さすがに日本では大きすぎますしね。

C-HRは日本でもよく見かける車種ですが、タイ仕様はちょっと違います。なんと、ガソリン車の搭載エンジンが1.8Lの自然吸気（日本は1.2Lターボ）。見た目は同じでもパワートレインが異なるのは、海外仕様あるあるですね。

世界的にヒットの兆しを見せているスズキ・ジムニーが、タイでも正規販売されるとアナウンスされました。狂喜乱舞しているのがタイのファン。ジムニーはずっと前に2代目モデルをタイでも販売していた（現地生産していた）のですが、その後は販売中断。そこへ今回、新型のタイ導入が発表され、マニアが喜んでいる状況です。まずは日本からの輸入ですが、今後は東南アジア市場向けのロングボディがタイ工場で作られるという噂も（真偽は不明）。
やっぱり価格が気になりますか？　日本だと200万円以下からありますが、タイでのボトムは155万バーツなので、日本円に換算するとなんと550万円ほど。驚きの高額車種です。関税が高いので仕方ありませんが、もう笑うしかないですね。

（文：工藤貴宏　編集：ミノシマタカコ＋ノオト）

[ガズー編集部]