電気自動車からスーパーカーまで展示車両1000台以上! 上海モーターショー2019へ出かけてきた
突然ですが、いま世界でもっとも自動車が売れている国はどこだと思いますか? なんと中国なのです。その販売台数(乗用車+小型商用車)は2018年に約2800万台と、2番手のアメリカの1.5倍以上という大差でリード。日本は約520万台なので、比べると中国での販売台数は驚異的ですね。
そんな中国を代表する都市のひとつである上海で開催されたモーターショー、「オート上海2019」(通称:上海モーターショー)に出かけてきました。
会場はとにかく広い! 東京ドーム8.5個分もある
会場となる上海国家会展中心(NECC)は、展示場面積だけで屋内展示スペースだけ40万平方メートル。お約束の東京ドームでいうと、約8.5個分もあるのだから……見ても見ても見終わりません。東京モーターショーに比べると10倍ほどの広さがあって、とにかく広くすぎて全部のクルマを見るなんて不可能。会場の端から端までは約500mあるので、歩くだけで15分は楽にかかります。本当に本当に、あきれるほど広いんです。
ただし、中心から4方向に向かってホールが作られているので、意外と移動はしやすい(遠いですが……)。8個あるホールのうち4個は二階建てで、建物の大きさだけで圧倒されてしまいます。会場を見るだけで、中国のパワーに圧倒されますね。
フランスのブランド「DS」のブースがもっともラグジュアリー
主要自動車メーカーのブースは、2階建だったり立体的だったりと、とにかくお金がかかっている雰囲気。多くはモダンでシンプルなデザインですが、そんななかで異彩を放っていたのがフランスの「DS」ブース。床や壁はブラックが基調で、天井からはシャンデリアが吊り下げられていたりとゴージャスさが炸裂。宝石箱の中みたいです。暗いから写真を撮りにくい……なんて言いませんってば(笑)。
意味不明のコンセプトカーがおもしろい
中国のモーターショーが「パクリカーの祭典」なんて言われていたのはもはや過去の話。いまでは世界をリードする提案を具現したコンセプトカーも多く出展されていて、その先進性に見とれるほどです。
地元上海のデザイン&エンジニアリング企業「ICONA(イコナ)」が展示したこのクルマは、その未来っぷりと不気味さに思わず二度見。写真で見える側に窓がありませんが、自動運転を前提にしているからいらないみたいです(左右非対称デザインで反対側には窓がありました)。それにしても摩訶不思議なデザイン。繭みたい?
小型清掃車だって自動運転で!
中国といえば最近は電気自動車大国として知られていますが、自動運転への準備も着々と進んでいます。……というわけで写真のクルマ。超コンパクトな路面清掃車ですが、なんと天井には自動運転のための「目」がついています。こういう車両を自動運転で動かそうという提案ですね。たしかに低速で走る車両だから、自動運転も実現しやすい。
やっぱりスーパーカーが大好き!
会場を歩いていて感じたのは、スーパーカーがやたら多いってこと。ランボルギーニとかマクラーレンなどの有名ブランドだけでなく、中国独自のスーパーカーが驚くほどたくさん並んでいるんです。そしてほとんどがEVなのだから恐るべし。写真の「NIO EP9」は、スポーツカーの聖地といわれるドイツの過酷なサーキット「ニュルブルクリンク」で、2017年に市販ロードカー最速を打ち立てたモデル(記録はその後マクラーレンに塗り替えられましたが)。見た目だけじゃないんですよ。すごいことになっています。
そして、スーパーカーだってクロスオーバーSUVの時代……か?
スーパーカーがたくさんあれば、その中で個性を高めようと“変わり種”も出現してきます。この「KANGAROO」もその1台で、なんとスーパーカーなのにSUVのように車体を持ち上げたクロスオーバー。もはや何でもアリですね。
なんとダッシュボードが木目! 個性的で美しいインテリアも
外観もインテリアも、近年はデザインが美しい中国車が増えましたね。そんなか、ひときわ個性的だったのがこのダッシュボード。なんと本物の木を使って、木琴のように仕上げています。そして真ん中にはトンボのオブジェも。こういうセンスは斬新!
欧州プレミアムブランドだって、中国専用車を出す時代
この白いBMWはなんと、日本はもちろん本国でも売っていない中国だけのオリジナルモデル。「1シリーズセダン」という名前ですが、中国以外でも売っている1シリーズのハッチバックとはメカニズムの関連性が全くなく、駆動方式は1シリーズの特徴になっているFRではなくまさかのFFです。
「甲売虫珍蔵版」ってどんなクルマ?
中国の法律により、中国国内で生産されるクルマは漢字の車名を表記することが義務付けられています。しかし、モーターショー会場内では輸入車であっても漢字の車名を記しているクルマがありました。その一台が「甲売虫珍蔵版」なのですが、いったいどのクルマだかわかりますか? 日本でも売っていますよ。
答えは……
フォルクスワーゲンの「ビートル」。「甲売虫」がカブトムシのことで、「珍蔵版」とは限定車を意味するのようです。ムズカシイ。
模型のクルマがぐるぐる回るディスプレイ
とあるブースで見かけた展示に目が釘付けに!
ロボットアームの先に模型のクルマが取り付けられていて、それが映像にあわせてグルグル動き回るんです。こういう動きのある展示は面白いですよね。今年の東京モーターショーではどこかがやるでしょうか?
「250」じゃなくて「260」です
赤い車両が並んでいて鮮やかだったレクサスブース。そこにあるのは日本でも売っている「UX」は「ES」ですが、なんともいえない違和感……。日本ではグレード名が「250」ですが、なんと「260」になっているんです。
なぜなのか? 現地の人に聞いたら、「中国で250はあまりよくない数字だから」とのこと。そう言われてみれば、メルセデス・ベンツも「250」というグレード名は使っていませんでした。現地の文化を尊重、というわけですね。
というわけで、今や技術の後追いではなく世界をリードする存在にもなりつつある中国の自動車産業。来年は北京でモーターショーが開催されます。クルマ好きなら観光旅行のついでに出かけてみても、きっと楽しめますよ。
(文:工藤貴宏 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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