クルマのCMを手掛けた元ディレクターによる、夢のサボテン×名車ビートル。多肉植物店「サボテン相談室」

棘のあるもの、ないもの。ブクッとした葉っぱ。かわいらしくて、なぜか気になるサボテン。その癒されるフォルムが気に入って、インテリアのアクセントなどに育てている人も多いことでしょう。群馬県館林市にある「サボテン相談室」は、その名の通り、サボテンや多肉植物の専門店。そして、その敷地のエントランスには、なんとクルマから多肉植物が葉を茂らせるオブジェが鎮座しています。

店主は元CMディレクター

サボテン・多肉植物に特化し、栽培・販売をする「サボテン相談室」。店主の羽兼直行(はがね・なおゆき)さんは、かつてTOYOTA「カルディナ」のCMを手がけた元CMディレクターです。なんでも、子どもの頃から「美」に関して強い興味を抱き、美大を卒業後、CMの世界に入ったという経歴の持ち主。そんな「ものを形成する形」に関心の強い羽兼少年は、サボテンが持つ不思議なフォルムに魅せられ、10歳の頃からサボテンに魅了されているそうです。

羽兼さんの著書
羽兼さんの著書

CMディレクターの傍ら、2000年に恵比寿にサボテン専門店をオープンさせた羽兼さん。その後、銀座、青山、目白と店舗を展開。アートギャラリーでサボテンを使った個展なども行なっていたという、筋金入のサボテンマニアです。

サボテン相談室 館林本店 温室内
サボテン相談室 館林本店 温室内

現在は地元・館林に戻り、温室兼ショップを経営。およそ250坪(内外合わせて)の敷地に、5000種類ほど扱っているそうです。館林の他にも、銀座にある「お米」のライフスタイルショップ「AKOMEYA」とネットショップでも販売しています。

その商品は、やはり「美」という観点の要素が強く、どれもこれもビジュアライズ。単に鉢に植えたサボテン、ではなく、デザインされた一つの作品のようです。またタネから育てているため、病気のない丈夫な苗が特徴です。

インパクトのある多肉植物カーオブジェ

もともとクルマ好きで、CMディレクター時代もTOYOTA車をはじめ、あらゆるカーディーラーのクルマのCMを手がけていたという羽兼さん。そんな羽兼さんの夢はクルマを植木鉢にすること。いつか広い土地で店を開くときは、「クルマにサボテンを植えたい!」とずっと思っていたそうです。その夢を実現したのがこちらのオブジェでした。

ちなみに車種はフォルクスワーゲンの「ビートル」。以前の愛車、というわけではなく、群馬のカークラブに所属するご友人にお願いして見つけてもらった中古車だそうです。その探し方も、「絶対に車体はシルバーで!」というもの。なぜなら温室の骨組みがアルミのシルバー色だから。統一感を図るという羽兼さんのこだわりが表現されています。また最初からフラワーベースとして探していたということもあり、お目当てのクルマが出てきても羽兼さんの走行はなし。エンジンも下ろしてあります。多肉植物は水やりがいらないため、自然の雨だけで1年中過ごせるそうですが、夏ともなれば内陸の館林、その気温はうなぎ昇り。サボテンも参ってしまうため、寒冷紗を掛けているそうです。これって愛情ですよね。

なかなか迫力があり、でもどこか愛らしい多肉植物のカーオブジェ。美やビジュアルの世界で生きてきた羽兼さんならではの作品です。「ちょっと新しいグリーンを」と思っていらっしゃるなら、ぜひ館林へ。休日ちょっと訪れてみるのも面白いのではないでしょうか。

(取材・文:別役ちひろ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

<取材協力>
サボテン相談室
http://sabotensoudan.jp/index.html

[ガズー編集部]

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