キーワードは「直6」。17年ぶりのスープラ復活で知っておきたい歴代モデル

SUPRA is Back!
ついに、スープラが復活しました。先代の販売が終了したのが2002年なので、もう17年も前。いま免許を取得できる年齢になる人が生まれた頃……と考えると、2002年というのは相当前のことですね。

しかし、スープラの歴史はもっともっと長いのです。北米における初代スープラ(日本では「セリカXX」として販売されていた)が発売されたのは、なんと1978年。41年前ですね。新しいスープラの門出を祝して、1978年からはじまったスープラの歴史を振り返ってみましょう。

ベースは「セリカ」。ラグジュアリーな上級モデルとしてスタートした初代スープラ

1978年に日本で発売された初代セリカXX。海を渡った北米では「スープラ」と名付けられたのです。直列4気筒エンジンを搭載するセリカをベースに、ボンネットを延長して直列6気筒エンジンを搭載した派生モデルという位置づけでした。スープラのルーツをたどると、大きなエンジンを積んだセリカの上級仕様というキャラクターだったんですよ。
そしてこの初代モデルは、歴代モデルの中で最もラグジュアリーな雰囲気が濃いモデルなのです。

スーパーカーのようなヘッドライトを採用し、スポーティなスタイルに生まれ変わった2代目

1981年に登場した2代目スープラ(日本国内では「セリカXX」)のデザインは、ボンネットの低さを強調するスポーツカースタイル。まるでスーパーカーのように点灯時だけ開く“リトラクタブル式ヘッドライト”が、スーパーカーブームの影響を感じさせますね。

ほぼ同じタイミングでトヨタからはラグジュアリークーペの「ソアラ」が誕生し、初代モデルの豪華なスペシャルティーカーという立ち位置はそちらへ移行。そのぶん、2代目のスープラ(セリカXX)はスポーティな雰囲気が強調されました。このモデルから、エンジンなどに本格的な電子制御システムが搭載されたのもトピックです。

この2代目も、セリカの車体をベースにボンネットを延長して直列6気筒エンジンを搭載した高性能バージョンという位置づけ。クルマを題材にしたマンガ『よろしくメカドック』に登場し、当時の子どもたちの間でも憧れのクルマでした。

3代目はセリカとの関係がなくなり、ついに日本でも「スープラ」に改名

スタイルは2代目のイメージを受け継いだ3世代目ですが、クルマとしては大きな転換をはかりました。ひとつは、初代や2代目とは違い車体構造でセリカとの関連がなくなったこと。セリカはFF(前輪駆動)、スープラはFR(後輪駆動)として別々の道を歩むことになったのです。そんな背景があり、この3代目は2代目ソアラと共通のプラットフォームが使われました。

もうひとつは、日本国内での車名です。セリカから完全に独立したことで、日本でも「セリカXX」ではなく輸出名称だった「スープラ」へと改名。日本では初代ですが、海外仕様まで含めて考えると3代目のスープラなのです。

1986年のデビュー当初はグランドツーリングカー的な要素が強い味付けでした。しかし、1988年のマイナーチェンジを経て迎えた1990年のマイナーチェンジで「1JZ」と呼ばれる2.5Lターボエンジンが搭載されてからキャクターが大きく変化。足回りのセッティングも含めてスポーティな感覚が大幅に強まったのです。
エアロトップと呼ぶ、天井の一部を取り外してオープンドライブが楽しめる機構も印象的でした。

スポーツカーとして大幅に磨き上げられた4代目スープラ

「The Sports of TOYOTA」というキャッチコピーとともに1993年にデビューした4世代目は、本格的なスポーツカーへと進化。ボンネットに収まるのは「2JZ」と呼ばれる排気量3.0Lの直列6気筒エンジンです(ターボと自然吸気を設定)。

ドイツのゲトラグ社と共同開発した6速トランスミッション、「REAS」と呼ぶ左右のオイル経路を連結したショックアブソーバー、17インチタイヤ、そして大きなリヤウイングなどのアイテムも採用されてクルマ好きの心を刺激しましたね。

生産終了は2002年の8月ですが、その前年には『ワイルド・スピード』(原題: The Fast and the Furious)というカーアクション映画の主役級車両に抜擢されたことをきっかけにアメリカでは根強いファンが増え、生産終了後も次のスープラを心待ちにしていました。

そして、再び走り出したスープラ。歴代最高の走行性能に鍛え上げられて

そして2019年。スープラは再び走り出しました。
新型スープラのなによりのトピックは、過去のどのモデルよりも走りに特化したクルマとなっていること。そのため全長を先代より140mmも短くし、後席のない2シーターのパッケージングとしています。
エンジンはスープラの伝統でもある直列6気筒エンジンを積むのはもちろん、歴代で初めて4気筒エンジンも設定。この4気筒モデルは動力性能では6気筒モデルに及ばないものの、エンジンの軽さが手伝ってハンドリング性能がひときわ高いのが自慢です。

日本でも多くのクルマ好きが熱望していた新型スープラですが、スープラがカルト的な人気を誇るアメリカでも大歓迎されています。この新世代スープラが、いったいどんな伝説を作り上げるのか楽しみですね。

(文:工藤貴宏 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]

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