10年目を迎えた日産の「おもいやりライト運動」
「夕方になったら、思いやりをもって、早めにヘッドライトを点灯しよう」をアピールする、日産自動車の交通安全キャンペーン「おもいやりライト運動」。その運動の今年の最初の活動として、2019年5月15日、日産自動車の本社のある横浜駅の隣、新高島駅B1「BankART Station」にて「横浜キックオフミーティング2019 おもいやりライトでSDGsを実現しよう」が開催されました。
- 会場は地下鉄駅の地下1階「Bank ART Station」。カフェスペースや、クリエイターの制作空間が交じり合うオシャレな空間。
「おもいやりライト運動」って?
「おもいやりライト運動」の特徴は、交通安全のキャンペーンでありながら、「押し付け感」をなくすことに腐心していること。そのため活動のひとつである「夕方安全創造サロン」は、夕暮れ時の交通安全に関心のある企業・団体・市民が集まって、相互に話し合うというスタイルがとられています。偉い人の何かありがたい話を聞くだけというものではなく、参加者がそれぞれの思いやアイデアを出し合います。また、毎月10日を「点灯の日」、11月10日を「いい点灯の日」として、歩道から走行するクルマに「ライトの点灯」を呼びかける活動も行います。これを「おもいやりライト運動」では「ソーシャルアクション」と呼んでいます。
そんな「おもいやりライト運動」のスタートは2010年であり、今年で10年目。そのため5月15日のイベントでは、10年の振り返りからスタートしました。ゴールだけ決まっており、ルートやスタート時間・場所は自由という「おもいやりライトシャルソン」、交通安全に関心のある人々が集まる「夕方安全創造会議」、全国のクルマ関連のイベントにメンバーを送り出す「ライティングガールプロジェクト」、東京モーターショーにあわせた「モーターショーの横で点灯を叫ぶ」、若いスタッフが全国を巡る「足立拓巳のおもいやり発見の旅」、子供向けのプログラム「キラチュウを探せ」など、これまでの活動が紹介されます。10年におよぶ活動で、賛同パートナーは193社、「つけます宣言」は18000名にもなっているとの説明がされました。
- 過去10年の活動を写真で振り返り。屋内、屋外のイベントだけでなく全国あちこちに事務局は駆け巡ったそうです。
話題の「SDGs」の話も!
振り返りの次は、イベントのタイトルにもある「SDGs」の話へ。まずは、「SDGsとは何なのか」ということを、ジャパンSDGsアワードパートナーシップ賞を受賞した株式会社大川印刷の社長、大川哲郎氏が説明します。大川印刷は創業から100年をすぎる老舗ですが、規模は大きくなく、いわゆる中小企業と呼ばれる程度。しかし、大川社長は、「中小企業だからこそ、環境対策やSDGsに取り組むべき」という考えを持っています。そして、印刷インキ有機溶剤使用ゼロや印刷電力のCO₂排出量ゼロを実現し、SDGsにも社をあげて取り組み、それが評価されてジャパンSDGsアワードパートナーシップ賞につながったという説明が続きます。
- 株式会社大川印刷の社長、大川哲郎氏からSDGsの内容や取り組みなのどの説明が行われます。
交通事故死者ゼロのために何ができる? 参加者みんなでアイデア出し!
その後は、「おもいやりライト運動」らしい、参加者によるアイデア出しです。テーマは、「交通事故死傷者ゼロに向けて、横浜でできることは何か?」というもの。いきなりの振りではあるものの、ポツポツと参加者の手があがります。こぢんまりとした規模感とリラックスした雰囲気が、参加者を奮い立てるのでしょう。ひとつのアイデアが出れば、それを発展させるものも生まれるなど、わずか20分ほどで、気が付けば相当な数に。「信号機の色を4色に」「おもいやりライト仕様にカラーリングした飛行機」「ライトをつけないとエンジンが停止する機構に」「音声でライト点灯を知らせる機能をナビにプラス」などのアイデアが、会場の後ろに用意された、真っ白い壁に、リアルタイムで記載されます。もちろん、これらのアイデアが実現するわけではありません。しかし、こうして考えることで、交通安全が自分ごととして感じられる。それが、おもいやりライト運動の狙いであり、特徴なのでしょう。
- 参加者から生まれたアイデアは、会場に設置された壁にリアルタイムで記載されます。
- たったひとつのテーマを10年かけてアピールし続けてきた「おもいやりライト運動」。
(取材・文:鈴木ケンイチ 写真:鈴木ケンイチ・おもいやりライト事務局 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
<関連リンク>
おもいやりライト
https://www.omoiyari-light.com/
[ガズー編集部]
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