ミリタリーカメラマンに聞く！ アメリカ格安ドライブ旅行のススメ5 ～レストエリア編～

アメリカのハイウェイには、日本でいうサービスエリアやパーキングエリアに当たる施設「レストエリア」が各地に点在しています。「ミリタリーカメラマンに聞く！ アメリカ格安ドライブ旅行のススメ」、今回は「日本のサービスエリアやパーキングエリアとまた違った魅力がある」と語るミリタリーカメラマンの布留川司さんに、「レストエリア編」としてアメリカのレストエリア事情について聞きました。

レストエリアは旅をする際の休憩に重要な場所ですが、日本のサービスエリアのイメージで訪れるとカルチャーショックを受けること間違いなしとのこと。

「良く言えば“味わいがある施設”といった感じのたたずまいがレストエリアの特徴でしょうか。現在、日本のサービスエリアは、各高速道路会社が観光スポットとしても盛んに宣伝しているので、至れり尽くせりですが、アメリカのレストエリアは、トイレと自動販売機だけで必要最低限です。基本的に長距離運転の最中に立ち寄る休憩所でしかありません」（布留川さん）

とはいっても、レストエリアにも地域によって日本のサービスエリアのように特徴があるそうです。それは州境にあるレストエリアで顕著なのだそう。

「州境を超えた最初のレストエリアには、よく観光案内場が設置されています。そこで州の特色をPRしているんです。そういったレストエリアは、比較的豪華で規模も大きめ。ただし、観光案内所は午後5時には閉まってしまうので、情報を仕入れたい場合はその前の時間に行く必要があります」（布留川さん）

特にアメリカの南部にこういったレストエリアが多く、細かい部分までみるとおもしろい発見があると言います。

「ジョージア州やノースカロライナ州のレストエリアは、建物が“アメリカ基準では”かなり豪華な方でしたね。『どうだ見てくれこの建物を！』と誇らしげな職員の顔が目に浮かびます。資料館のようなコーナーもありました」（布留川さん）

ちなみに、布留川さんが一番印象的だったのは、フロリダ州に入って最初のレストエリアだったそうです。

「オレンジの産地、フロリダ州の最初のレストエリアでは、オレンジジュースが飲み放題。また別の観光案内所では、この州ではワニ、特にアリゲーターが有名なため、動物園のアリゲーターの子どもをライブ中継しているスクリーンもありました。他国から来た人には『なんで？』と思うようなことですが、現地の人にとってアリゲーターは重要な動物なようで、人によっては『クロコダイルとなにが違うの？』と聞くと延々と説明するくらいアリゲーター愛があるとか（笑）」（布留川さん）

自然災害対策用の施設などでも、州の特徴が出ていると布留川さんは話します。

「アメリカには『竜巻街道』と呼ばれる竜巻が頻繁に発生する地域があって、その街道沿いにあるテキサス州のレストエリアには、竜巻用のシェルターがありました。運転中に近くに竜巻が発生したときに、すぐに避難できるようになっているんです」（布留川さん）

州によって建物にも特徴があり、写真に撮って比べるだけでも楽しいレストエリアですが、唯一悩ましい部分がトイレなのだそうです。

「日本のサービスエリアと比べると、あまりキレイではなく、中には壊れているトイレもありました。便座用の使い捨てシートが備え付けられていたので、使用する上ではあまり問題ありませんでしたが」（布留川さん）

日本ではサービスエリア巡りも、趣味として知られるようになりましたが、アメリカのレストエリアも特色があっておもしろそうですね。アメリカを旅する際は、ぜひレストエリアに立ち寄ってみたいものです。

▼取材協力
布留川司
https://twitter.com/wolfwork_info

（取材・文：斎藤雅道　写真：布留川司　編集：木谷宗義＋ノオト）

[ガズー編集部]