「サステイナブルZoom-Zoomフォーラム2019 in横浜」で未来のマツダを体験
先日、発売となったマツダ3は、言わずと知れたアクセラの後継モデルですが、その新型「マツダ3」を中心としたマツダの方向性を示すイベント「サステイナブルZoom-Zoomフォーラム2019」が、6月22日(土)23日(日)の2日間にわたって、神奈川県横浜市にある「マツダR&Dセンター」にて開催されました。同フォーラムは、美しい地球と心豊かな人・社会の実現を目的としてマツダの取り組みを紹介するイベントで、今回で12回目となります。
体験コーナーは早々に受付終了となる人気ぶり
人の感性に訴えるクルマ作りを体感してもらうための「スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー」の体験試乗やクレイモデラーによる造形の実演、参加者による体験コーナーをはじめ、マツダ3の開発主査やデザイナーのトークショーなど、さまざまな催しが行われました。
新しい技術の紹介としては、360度ビューモニターや自動運転に向けた安全技術の展示があり、自動運転に向けた安全技術の展示を使った体験コーナーも。
上の写真は子ども用に用意されたクルマ型ロボットの学習プログラム体験コーナー。奥のPCを使って自分でコースを作って実行させると、その通りに動きます。
また、親子で楽しめるようにと、缶バッジの制作プログラムも用意されていました。新旧さまざまなマツダ車の缶バッジを作ることができます。
事前予約が必要な各コンテンツは、告知開始から数日で埋まってしまうほどの盛況ぶり。改めて、マツダユーザーと同社の活動に興味を持っている人がたくさんいることを実感します。
トークショーでは、開発本部長の猿渡健一郎氏やシニアイノベーションフェローである人見光夫氏が登壇。人間中心の開発をいかにして行ってきたか、内燃機関はトータルとしていかにCO2の削減に貢献ができるのかを熱弁。製造工程からを含めて算出すると、その差はわずかどころか、さらなる燃費改善でアドバンテージさえ持てると語っておられました。
「そのためにはさらなる研究、開発が必要です。それを進めるにはまず皆さんに買っていただくのが最良です」と大胆な本音も飛び出し、会場に笑いが起きるシーンも。
実物大のクレイモデルを「削れる」体験も
建物内のスタジオでは、普段はあまり見ることのない車両の原型ともいえるクレイモデルの造形実演とその体験が行われ、多くの方が関心を寄せていました。
クレイモデルとは、クルマのデザインを仕上げていくために作るクレイ(粘土)素材の模型のこと。大まかなスタイルをパイプやスチロールで形作ったあと、クレイで実車同様の姿に形作っていくものです。クレイ(粘土)と言いますが、実際には一種のプラスチックで、これを過熱して柔らかくなったものをあるときは盛り付け、ある時は削り出し仕上げます。
クレイモデルを作るに当たって職人たちは、スクレーパーのような道具を数十種類、場合によっては100以上も使うのだとか。
バランスボールのような椅子で感じる乗り心地の進化
建物の外では、新型車両の試乗のほかに、スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー体験試乗が行われました。こちらは、新型車両と前モデルを乗り比べて、どれだけ進化したかを体感するコーナーで、助手席には下の写真のような特殊なシートが装着されていました。
これはバランスボールのような動きをする椅子で、「体幹」を捉えるために開発段階で実際に使用されたものです。マツダ3から取り入れ始めたのだとか。この椅子に座ると、5㎞/hも出ていないような速度でも、100㎞/h近い速度やワインディングを走行しているように感じるのだそうです。体験試乗では、旧アクセラと新型マツダ3それぞれでこの椅子を試すことができ、「新型と旧型でこれほどの違いがあるのか」と驚きの声が上がっていました。
マツダが考える自動車の未来
多くのメーカーがハイブリットを用意し、EVへのかじ取りを検討する中、あえてマツダはエンジンにこだわり、燃費と環境に配慮した内燃機関(エンジン)の開発を続けています。その答えのひとつが、SKYACTIV-Xというエンジンです。
製造から廃棄までの環境汚染やCO2の排出量を考慮した結果、マツダは内燃機関の方が環境に良いという結論に達したそう。内燃機関は、まだまだ改善の余地があり、極論としてガソリンが圧縮のみで着火ができるようになれば、CO2排出量を飛躍的に減らせると考えていると言います。具体的には、点火プラグを用いた着火ではどうしても残ってしまう不完全燃焼の部分を減らすことで、技術陣は少なくとも圧縮燃焼部分を現在の2倍まで高めたいと考えているそうです。
今あるものを見直し、人の感性に訴えるクルマ作りを考えるマツダの考えを多くの人に体感してもらうために開催するサステイナブルZoom-Zoomフォーラム。サステイナブル(持続可能)の名前のとおり、いつまでも続いてほしい取り組みですね。
(取材・文・写真:きもだこよし 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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