知っておきたいカーナビの便利機能。「VICS」ってなに?
いまではクルマに欠かせなくなった装備、カーナビ(カーナビゲーションシステム)。多くのカーナビでは、地図上に渋滞を表示できることをご存知でしょうか?
車載カーナビの渋滞表示機能として一般的なのが「VICS(ビックス)」と呼ぶシステム(スマホナビなどは別のシステムを使っていることもあります)。日本語の正式名称は「道路交通情報通信システム」で、英語表記の「Vehicle Information and Communication System」を略して「VICS」と呼んでいます。
そんなVICSのなかでも、多くのナビに搭載されている仕掛けが通称「FM-VICS」。FMラジオの電波を使ってナビに渋滞情報が送られてきます。今回は入門編として、このFM-VICSを中心に話を進めましょう。
どうやって情報を集めているの?
カーナビに配信される交通情報は、路面のセンサーなどから都道府県警察や道路管理者を通じて「VICSセンター」という情報を処理する施設に集められます。そこでカーナビ送信用に処理・編集し最適化され、FMの電波(ラジオ放送とは独立した周波数が用意されている)に乗せてクルマへ送られます。
送られる交通情報は(設備点検などによる休止などを除き)24時間365日休むことなくリアルタイムで送信。渋滞はカーナビ画面上に赤、混雑はオレンジで表示されます。カーナビの初期設定で「表示する」としておかないと、せっかく信号を受信しても示されないので注意しましょう。また、グリーンの線で「順調」を表示するようにも設定できます。
カーナビで見られるのは渋滞情報だけじゃない
実は、VICSが有用なのは渋滞を知ることだけではありません。通行止めなどのアクシデントにも強いのです。カーナビには通行止めなどの道路情報も合わせて送信され、画面上にマークで示されます。示すだけでなく、ルート案内中は通行止めの区間を避けるようにルートが敷かれ、ちゃんと通れる道を案内してくれるので心強いですね。
そのほかカーナビへ送られるのは、事故や故障車、工事、チェーン規制、片側通行、それに対応している駐車場の満空情報など。カーナビ上に道路工事やチェーン規制のマークが表れて驚いたことがあるかもしれませんが、それもVICSの仕掛けなのです。
まだまだ進化するVICS
そんなVICSは、どんどん進化しています。さらに細かく正確な情報をカーナビに届けられる“進化版VICS”といえるのが、2015年からスタートした「VICS WIDE」。その最大のポイントは「プローブカー情報」と呼ぶ詳細な情報。実際に走っているクルマ(街中をたくさんの車両が走るタクシー)の移動情報を収集して交通の流れをデータ化しているのですが、これは単に「渋滞している/していない」ではなく、道路を区間ごとに細かく区切って「移動時間」として集められるので情報が詳細で、しかも車線ごとのクルマの流れまで検知するほど正確なもの。このデータを活用することで、VICSセンターでは従来のVICSに比べて何倍も精度の高い交通状況の把握が可能になりました。その情報を活用することで、カーナビはいくつものルートの移動時間を計算して、もっとも早く目的地へ到着する道を案内できるようになっているのです。
「渋滞しているから避ける」のではなく、「渋滞している/いない」に関わらず、もっとも早く通過できる道を選ぶのがこれまでのナビの渋滞回避機能(従来は光ビーコンや電波ビーコン対応VICSのみ可能だったが「VICS WIDE」ではFM-VICSだけで行える)との大きな違い。つまり、最新ナビの道案内は「実際の交通情報を反映してもっとも早く目的地へ到着できるルート」へと進化を遂げていると言えます。
また、大雨や噴火、津波などの情報も画面上に表示され、安全なドライブをサポートします。ただしこの「VICS WIDE」は、対応カーナビでしか機能しません。なので渋滞が発生しやすい地域に住んでいるなら、カーナビを買うときは「VICS WIDE」対応機種を選ぶといいでしょう。移動がグッとスムーズになりますよ。
(文:工藤貴宏 編集:阿部綾奈+ノオト)
▼VICS公式サイト
https://www.vics.or.jp/
[ガズー編集部]
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