世界一黒いBMWに木製の古いベンツ! フランクフルトモーターショー2019で見つけた面白い展示たち

モーターショーの華といえばやはりステージ上に飾られた新型車やコンセプトカーですが、興味深いのはそれだけじゃありません。会場を歩いていると、「おやっ?」と思うような出展物に巡り合うことがあるんですよね。

今回は、フランクフルトモーターショーの会場で見つけた、なんとも面白い展示物を紹介しましょう。

本当に黒かった。“もっとも黒いブラック”を塗ったBMW

「THE BLACKEST BLACK」、つまり「もっとも黒い」というキャッチで展示されていたBMW X6。どうしてそんなに黒いのかといえば、光(可視光線)の99%以上を吸収してしまうという、なんともすごい塗装をしてあるから。わずか1%未満の光しか反射しないので、車体がひたすら黒いというわけです。

ところで、塗装に吸収された99%の光はどうなってしまうのでしょうか? 塗装に吸収されて熱に変化するのだそうです。

実車の印象は、まるで墨で塗ったかのよう。写真を見ても、ボディの形こそわかるものの、表面の凹凸などは一切見えないですね。まさに真っ黒黒。

全長6.5m! ダックスフンドのように長いSクラスの最上級仕様

とにかく長い! 駐車は大型車用のスペースに止めるしか方法がなさそうですよ、コレは。

メルセデス・ベンツの「Sクラス」といえば世界屈指のプレミアムサルーンですが、この「S650プルマン」はその最高峰。値段を先に言うと、現地価格50万ユーロ(約6000万円)だそうです。現時点で現行モデルは国内へ正規導入されていませんが、マイナーチェンジ前のモデルの国内価格は8800万円でした。意外に安い? ……独り言です。

これだけ車体が長くても、シートは基本的に2列。そのぶん後席の足元はゆったり(クラス最大級とのこと)。どうしても人が乗りたいという状況に備えて、前席と後席の間には後ろ向きに座る補助席も組み込まれています。基本的に手作業で作られるため、注文から納車までは1年かかるのだとか。

命を狙われる心配がある人には、防弾防爆仕様の「S650プルマンガード」も用意され、こちらは標準車の“倍付け価格”だそうです。命を守れるなら安い!?

プラモデル風ディスプレイが楽しい

こちらは屋外展示スペースで見かけたルノーの新型「キャプチャー」。

見てください、この斬新なディスプレイ方法。実物大のプラモデル(風)です。こういう遊び心、いいですよね。

ファンキーなワーゲンバスが移動シャトルに

フランクフルトモーターショーは会場敷地が広いので、プレスデーには乗車して会場内を移動できるシャトルが走っています。多くは出展メーカーから提供された最新の電気自動車や燃料電池車なのですが、なかにはこんなクルマも。こちら、なんともファンキーなワーゲンバスです。

電気自動車に改造されているのかと思いきやそうではなく、見た目だけでなくエンジンもクラシックな状態のまま。

「どうしてこのクルマが?」と思ったら、クラシックカー展示スペースを出展している団体から提供された車両のようでした。運転手の服装も、クルマにあわせてコーディネートされていました。

もちろん大人気で、乗客はみんなニコニコ。あちこちでカメラが向けられていました。まわりをハッピーにするっていいことですね。でも、古いクルマをこんなに酷使して壊れないの?(笑)

1982年製のクルマを展示したのはなぜ?

古いクルマといえば、オペルブースにも古いクルマが置いてありましたよ。

1982年製というから、37年前のクルマ。新型の「コルサ」のデビューを記念して展示されたのでした。奥の白いクルマが新型コルサですが、37年でずいぶん立派になりましたね。

「コルサ」といえば、日本では「ヴィータ」として販売されていました。そうそう、かつて「赤いヴィータ」が大人気ドラマで使われて日本でも大ヒット。あれは1993年に発売した2代目でしたね。

1億5000万円で販売中? なぜか幻のベンツがたくさん

古いクルマの話題はまだまだ続きますよ。

フランクフルトモーターショーでも自動車メーカーの出展が減ってしまったので、かわりにクラシックカーの展示即売ブースが広がっていました。そこで驚いたのが貴重な車両の多いこと多いこと。

写真は歴代メルセデス・ベンツの中でも「もっとも収集すべき1台」と言われる「300SL」とそのオープンモデルの「300SLロードスター」。いずれも千数百台しか生産されなかった貴重なモデルにもかかわらず、この展示場内で合計20台近く確認できたのだから驚くしかありません(190SLもたくさんあった)。このクラシックカー展示場はすっかり「おやじホイホイ」でしたね(笑)。

それらは展示だけでなく即売もおこなわれていたのですが、プライスは1億5000万円を超えるものも!

1台いかが? 木でできた実物大モデル。お値段は……

そんなクラシックカー展示場の話題をもうひとつ。木で作られた実物大のオブジェ(!?)が置かれていました。お値段は2万9900ユーロ(約360万円)とのこと。

とにかく広いメルセデス・ベンツブース

ドイツには名高い自動車メーカーがいくつもありますが、もっとも広いブースを構えていたのはどこだと思います? 正解は、メルセデス・ベンツ。写真を見ても広さが伝わると思いますが、実際にはこの見えている範囲の倍くらいの床面積があります。アリーナを使っているので天井も高くて、不思議な空間ですね。そして光と映像の空間演出も斬新。

そんなメルセデス・ベンツブース内には写真のような場所が。

マンションでいえば6階くらいの高さの場所に、床までガラス張りの部屋が吊り下げられ、訪れた人を楽しませていました。ここだけの内緒ですが、高所恐怖症のボクは足がすくんで一歩も入れませんでした。

(文:工藤貴宏 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]

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