日系メーカーがほぼいないIAA 2019に参加した日系サプライヤー。展示から見えた目的とは?
2019年9月10日より、ドイツのフランクフルトにてモーターショー「IAA 2019」が開催されました。
今年のフランクフルトモーターショーのトピックのひとつは、「日系ブランドの大挙、参加見送り」です。2年前に開催された際も参加見送りした日産だけではなく、今回はトヨタ、スバル、マツダ、三菱、スズキも欠席。なんと日系自動車メーカーで参加したのは、欧州向けの電気自動車「ホンダe」を持ち込んだホンダのみでした。ちなみにプジョー/シトロエンのPSAグループも、フィアットのFCAもGMも同じく欠席です。
つまり、インターナショナルなはずのフランクフルトモーターショーが、すっかりドイツの国内イベントのような内容になってしまったのです。なんとも残念な状況でした。
部品を供給するサプライヤーは数多く出展!
自動車メーカー的には、すっかりドイツ色ばかりのショーとなってしまいましたが、どっこい部品メーカー、いわゆるサプライヤー的には、ちょっと様子が異なっていました。
日系からは、デンソー、アイシン、ブルーイーネクサス(デンソーとアイシンによって2019年4月に設立された会社)、トヨタ紡織、積水化学、ブリヂストンなどが参加。また、フランス系のヴァレオやアメリカ系のデルファイなども参加。他にも欧州系や中華系など、世界各地のサプライヤーが出展ブースを並べていたのです。
- 幅広い製品を展示したデンソー。すぐ隣がブルーイーネクサスとアイシンとなっていた。
- 話題のeアクスルを数多く展示するブルーイーネクサスと、それに隣り合わせとなったアイシン。
ちなみにデンソーやアイシン、ブルーイーネクサスは、今回のフランクフルトモーターショーでも話題となっていた電動化/コネクテッド化/自動運転化などに必要な部品を得意とするところ。ブルーイーネクサスが提供するモーター一体型アクスル(通称・eアクスル)は、車両の電動化には欠かせないものですから、今回のショーでも注目度は抜群です。
また、トヨタ紡織が持ち込んできたのは自社開発したばかりの新型リチウムイオン電池。サイズに対する容量は従来品とそれほど変わりませんが、瞬間的に出し入れできる電力がこれまでの普及品の2倍にもなるというもの。大きな電力の出し入れを行う、高性能ハイブリッド車にうってつけの商品です。
- ブルーイーネクサスの2速ギヤ付きのeアクスル。電動化のためのeアクスルは注目度の高い製品であった。
つまり、電動化/コネクテッド化/自動運転化を熱心に進めるドイツ系の自動車メーカーに自社製品を売り込もうというのが、サプライヤーの狙いというわけ。
ちょっと前に、PSAグループが採用したハイブリッド用トランスミッションはアイシン製でしたから、欧州の自動車メーカーが日系サプライヤーの製品を使うのは、今や珍しいことではありません。
- 5年ぶりにフランクフルトに出品したトヨタ紡織。
6年ぶりにフランクフルトモーターショーに参加したというトヨタ紡織は、展示スペースのほとんどを部外者立ち入り禁止の商談ブースとしていました。製品を並べるのは、ほとんど廊下沿いという割り切りよう。それだけ売り込みを重視しているということでしょう。
- 開発したばかりの新型リチウムイオン電池を持ち込んだトヨタ紡織。
世界のモーターショーは、どんどんドメスティック化が進みますが、サプライヤーにとっては、元気な自動車メーカーが存在するところであれば、どしどし進出する! そんな状況と言えるのでしょう。
(取材・文・写真:鈴木ケンイチ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
<関連リンク>
デンソー公式サイト
https://www.denso.com/jp/ja/
アイシン公式サイト
https://www.aisin.co.jp/
ブルーイーネクサス公式サイト
http://www.blue-nexus.co.jp/
トヨタ紡織公式サイト
https://www.toyota-boshoku.com/jp/
[ガズー編集部]
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