【初心者向け】違いはどれぐらい？ 軽自動車とコンパクトカーの維持費の差を比較してみた

今や、新車販売の40％近くを占めるまでになった軽自動車。コンパクトで使い勝手がいいことはもちろん、維持費の安さから選ばれることも多いものですが、実際のところ普通車と比べてどれだけ維持費を抑えられるのでしょうか？

2019年10月1日に自動車にかかる税が大きく変わったので、この新しい税制で軽自動車とコンパクトカーのリアルな維持費を比較してみます。

2019年10月1日から始まった新しい税制では、自動車税の税率が引き下げられ、自動車取得税の廃止と「自動車税環境性能割」の導入が行われました。

自動車税は、名称が「自動車税種別割」へと変わり、排気量の小さなクルマほど大きく税率が引き下げられます。1,000cc以下のクルマでは29,500円から25,000円へと、4,500円も下げられました（軽自動車は従来どおり）。

新たに導入された「自動車税環境性能割」は、燃費性能等に応じて取得価額に対して課される税で、自家用普通車で非課税～3.0％、営業用の登録車と軽自動車は非課税～2.0％となります。ただし、2019年10月1日から2020年9月30日までの間に自家用の乗用車（登録車・軽自動車）を購入する場合、環境性能割は1％分が軽減されます。

なお自動車税については、10月1日に初回新規登録を受けたクルマ、つまり新車を購入したときのみ新しい税制が適応されます。

それでは普通車と軽自動車の新車購入時の費用の違いを見てみましょう。今回は、トヨタ ピクシス ジョイC Gターボ SA III プライムコレクション（税込1,743,500円）とトヨタ アクアS(税込1,921,700円)で比較しました。

クルマを購入するときには車両本体価格、付属品、税金、自賠責保険料、販売店諸費用、預かり法定費用、リサイクル法関連費用の7つの費用がかかります。このうち、いわゆる維持費と呼ばれるものは、税金と自賠責保険料の2つです。

■ピクシス ジョイ
・自動車税 0円（軽自動車は月割額なし）
・環境性能割 0円
・自動車重量税 5,600円（7,500円-1,900円）
・自賠責保険料 35,610円
＝41,210円

■アクア
・自動車税 12,700円（10月登録の場合）
・環境性能割 0円
・自動車重量税 0円（22,500円-減税22,500円）
・自賠責保険料 36,780円
＝小計49,480円

自賠責保険は、ほとんど同じ。重量税は、エコカー減税によりアクアの方が低くなります。普通車の自動車税は月割がある一方、軽自動車税に月割はないので、この部分の差が大きくなります。また、今回比較した2車種ではどちらも環境性能割が非課税となりましたが、たとえばヴィッツのガソリン車では、環境性能割が発生します。

購入後にかかる維持費は自動車税／軽自動車税（毎年）、重量税（車検ごと）、自賠責保険（車検ごと）です。

2019年10月登録の場合、購入から5年後の2024年10月までの間には、5回の自動車税／軽自動車税と1回の車検がありますから、かかる維持費は以下のとおり。

■ピクシス ジョイ
・軽自動車税 年額10,800円×5回＝54,000円
・自動車重量税 5,000円（2年分）
・自賠責保険 25,880円（2年＋1カ月）
＝小計84,880円
※自動車税の月割は考えず

■アクア
・自動車税 年額30,500円×5回＝152,500円
・自動車重量税    15,000円（2年）
・自賠責保険 26,680円（2年＋1カ月）
＝小計194,180円

ピクシス ジョイとアクアを新車で購入して5年目までの維持費を考えると、車両価格の差を除いて、およそ110,000円の差がつきました。1年あたりにするとだいたい22,000円です。また、条件によって金額が大きく変わるため、今回のシミュレーションには含めませんでしたが、自動車保険も普通車と軽自動車とでは、軽自動車の方が20～30%ほど安くなりますから、実際の維持費の差はもう少し広がると言えます。

維持費の比較では軽自動車に大きなアドバンテージがあるのは事実です。また、車種にもよりますが、軽自動車の方が車両価格も安いでしょう。しかし、コンパクトな軽自動車に対して、普通車はゆったりした車幅の室内空間や余裕のある走りを持っています。

単純に維持費だけで比較するのではなく、ご自身の好みや用途を考えたクルマ選びをすることを忘れてはいけません。クルマは長く使うものですから、自分に合った気に入ったものを選びたいものです。

（文：木谷宗義　編集：ミノシマタカコ＋ノオト）

[ガズー編集部]