愛車で北海道へ! 実際に体験して感じたフェリー旅の魅力とは
そうだ、フェリーで北海道へ行こう
北海道といえば、国内有数の観光スポット。広いうえに観光スポットが各地に散らばっているのでクルマで旅する人も多くいますよね。でも、クルマで旅するといっても、北海道まで飛行機で行って現地でレンタカーを借りるのが一般的でしょう。
しかし、クルマ好きなら自分の愛車で北海道の大地をドライブしたいと思いませんか。実は、それを実現する方法があります。フェリーで愛車と一緒に北海道へ行けばいいんです。今回は、そんな北海道への船の旅を紹介しましょう。
フェリーで北海道に行くルートは12路線もある
フェリーで愛車と一緒に本州から北海道へ渡るルートはいくつかあって、現在12路線。もっとも便数が多いのは、青森と函館を結ぶ航路で1日に16便。4時間弱の乗船です。もっとも短時間なのは大間(青森県最北端)と函館を結ぶもので1.5時間しかかかりません(ただし1日に2便しかなく、大間までの陸路移動にもそれなりの時間がかかります)。
そのほか、八戸、仙台、大洗、秋田、敦賀、仙台経由名古屋、そして敦賀と苫小牧を結ぶもの、新潟や舞鶴と小樽を結ぶものなどがあり、長い路線になると所要時間は40時間。ちょっとした船旅ですね。
そのひとつ、水戸ルートに実際に乗ってみた
今回は、茨城県の大洗から苫小牧に向かうフェリーを実際に体験してみました。大洗と苫小牧を結ぶフェリーは夕方便と深夜便がある、1日2便体制。乗船した北海道行きの「夕方便」は、19時45分に苫小牧港を出港し、翌日の13時30分に苫小牧港まで到着します。たしかに17時間以上の船旅は長いですが、ものは考えよう。ホテルに泊まって寝たまま移動できると考えればいいのです。
ちなみに大洗港は、東京から北海道へクルマで出かける場合に本州内のクルマ移動がもっとも短く済むのがポイント。日本橋からわずか120kmで、順調なら1時間半程度で到着します。つまり、北海道へ上陸してからたっぷり遊ぶための体力を温存するのに最適というわけです。
知っておきたい、乗るときの手順
クルマでフェリーに乗る時は、乗船の手続きや船にクルマを積む作業が必要です。ですから電車のように出発時刻までに行けば乗れるというわけではありません。そこは覚えておくべきポイントですね。19時45分発のフェリーでは乗船受付開始が16時から。18時前後から乗船がはじまり、車両の最終受付は出港1時間前の18時45分です。
フェリーターミナルについたら指定の場所へクルマを止め、車検証を持ってチェックインカウンターのある建物に入って乗船手続きをします。
その後、係員の指示に従って船内へ。近距離のフェリーの場合は同乗者もクルマに乗ったまま船内へ乗り込むこともありますが、長距離フェリーではドライバーのみがクルマで船内へ向かい、同乗者は歩いて乗船というケースが多いですね。今回もそうでした。
ちなみに運賃は、乗用車の運賃が2万7240円~(大人1人の乗船料込/2020年1月1日からは2万9440円~)。個室を利用する場合は、部屋に応じた料金が追加で必要となります。
まるで海に浮かぶホテル。快適な船内に驚き
乗船した「さんふらわあ さっぽろ」は、2017年に就航したばかりの新しい船。船内は快適に過ごせるように工夫されていて、まるでホテルのようでした。
たとえば19室が用意された「プレミアム」という部屋は、ホテルのツインルームのようで快適そのもの。運賃は2万3320円~(ドライバーは乗用車運賃+1万3240円~/2020年1月1日以降は料金改定)。1室だけですが、さらに広い「スイート」も用意されています。
「プレミアム」には専用のバルコニーもあって、ゆったりと外を流れる風景を眺めることができます。刻々と風景が変化するのが船旅の醍醐味。
パブリックスペースも広くて開放的。ここでゆっくりと過ごしている人も多くいました。
ちなみに大浴場もあり、お風呂につかりながらも風景を楽しめます。
レストランもゆったり。夕食と朝食、そして翌日の昼食も食べることができます。北海道に上陸してからの時間を有効に過ごすために、昼食まで船内で食べておくのがオススメです。
キッズスペースがあるので、小さな子どもだって楽しめます。
そしてドッグランまで。ペット連れ専用の部屋もあるから、犬連れで北海道へ行くならフェリーは最適な移動手段ですね。
快適なの? 乗ってどうだった?
17時間(出航前と到着後も含めれば船内滞在時間は合計19時間くらい)の船旅は、意外にもあっという間でした。なぜなら快適だったからです。個室利用もあって夜はゆったり眠れたし、部屋は快適。船内でも陸側ならスマホもほぼ繋がるので、暇で困るということもありません。
たしかに飛行機利用に比べると時間は何倍もかかりますが、時にはこうしてゆっくり移動するのも悪くないと思いました。特にこの航路の夕方便は船が新しくて設備が整っているので、ちょっとしたクルーズ気分です。現地でレンタカーを借りることまで考えれば、費用的にも家族で飛行機に乗るのに比べて特別高いというわけではないのも魅力ですね。正直に言うと、また乗りたい!
船上からみる日の出もオツなものですよ。
(文:工藤貴宏 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
<関連リンク>
三井商船フェリー公式サイト
https://www.sunflower.co.jp/
[ガズー編集部]
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