クルマ雑誌の編集部に潜入! 「イタフラ」発祥の雑誌『Tipo』
パッと目をひく、ちょっとオシャレな出で立ちの雑誌『Tipo』。今年で創刊30周年を迎える本誌を開くと、ヨーロッパ車を中心とした華やかな誌面が飛び込んできます。
「イタフラ」という、今ではおなじみの言葉も、実は雑誌『Tipo』が生みの親。現在は4人体制で制作にあたっているそうです。マニアックで遊び心に溢れた世界はどうやって作られているのか、話を聞いてきました。
- 右から編集長の佐藤考洋さん、編集の中島秀之さん、三宅康朗さん、竹内耕太さん
ライバルはいない! 多彩な企画で30年愛される雑誌へ
『Tipo』の誌面作りは、巻頭特集を始めとするクルマの魅力を正面から伝えるものを始め、レースやイベント情報、そしてライフスタイル特集や漫画と、扱う内容はバラエティに富んでいます。
とはいえ創刊当初のお話を聞くと、誌面の内容は今とはちょっとテイストが異なっていたようです。
「創刊当初はクルマ雑誌というより、読み物雑誌に近い感じの誌面作りをしていました。オーディオの性能比較とか文字でしっかり紹介したりして、誰が読むんだよっていうくらいのボリュームでしたね。その後、読者の反響を見て、ただ性能を突き詰めるだけでなく、ダメな部分も含め楽しんで紹介しようというスタンスに変わり、Tipoらしさが出てきました」(編集長・佐藤さん)
- 創刊当時の記事。クルマ雑誌なのに文字が非常に多かった
記事内容も、イタフラに代表されるようなヨーロッパ車を多く扱っているイメージですが、実はそうでもないといいます。過去には、Tipo内のいち企画として60年代国産車を取り扱ったところ、評判がよいこともあり姉妹誌『J’s Tipo』(現在休刊)が創刊された、なんて出来事も。ちなみに今でも年1回は国産車の特集をやるそうで、扱うクルマのバリエーションは広いのです。
「読者のことを考えると、どうしてもイタフラやニッチなヨーロッパの商業車を扱う機会が増えますが、雑誌として『これしかやらない!』というルールはありません。だからこそ、ライバルはいないのです。ただ位置づけとしては、弊社雑誌『CAR MAGAZINE』の弟分的なものというイメージでやっています」(佐藤さん)
4人の個性がそれぞれ活かされる制作体制も
ちなみにTipoの企画は、いつも“ノリ”を大事にして決めているそう。そのため、スタッフ全員が楽しいことにアンテナを常に貼り続けており、ネタ切れも起こしたことがないといいます。
「10月号はイギリス車特集をしていますが、もともとは編集部に出張でイギリスに行くメンバーがいたので立ち上げた企画です。またライフスタイル特集で出演していただいた方は、ヒストリックカーレースのイベントに来ていた方。このようにネタも人脈も常に巡らせているので、尽きることはありません」(佐藤さん)
そう話す佐藤さんですが、実はTipo編集部4名も、それぞれ得意分野がしっかり分かれているといいます。
- 竹内さん(左)の愛車は古いカルマンギア。三宅さん(右)は日本にない仕様のファミリーカーを乗りこなす。全員がそれぞれのカーライフを満喫しているのが特徴
「例えば僕は、クルマ雑誌業界で1番レースに出る編集長だと思っています。他のメンバーも多彩で、中島は編集をしながらレースの実況アナウンサーをしています。三宅は元々フランス車好きで、今は日本にない仕様のファミリーカーに乗っています。竹内はフォルクスワーゲンが大好きで、古いカルマンギアを乗っていたり。このように全員得意分野が違うので、企画を出してもかぶることがなく、全員の良さが活かされるように雑誌も作れるんです」(佐藤さん)
- 佐藤さんは、毎週末(は言い過ぎだけど)どこかのサーキットに足を運んでいるそう
ちなみに佐藤さんの年間レース参加回数は20~30回程。以前はセントラルサーキット(兵庫)、幸田サーキット(愛知)、富士スピードウェイ(静岡)と、だんだん帰京する感じでハシゴしたことも。どこかのレースで見かけることがあるかもしれません。
ちなみに雑誌名『Tipo』は、英語の「Type」(様式、スタイル)をイタリア語変換したもの。
特集もメンバーも、いい意味でTypeが分かれ、同時にTypeにこだわりすぎない雰囲気や制作体制が、30年続く雑誌の面白さを作り上げているのかもしれないと、思えました。
(文・取材:おおしまりえ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
<取材協力>
Tipo(ネコ・パブリッシング)
http://www.tipo-mag.com/
[ガズー編集部]
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