ガソリンスタンドのアレコレがわかる。「タツノ」の横浜工場ショールームに潜入!
ガソリン計量機をはじめ、ガソリンスタンド(サービスステーション:SS)に関わる機器の開発、製造、販売、工事、メンテナンスを行ない、業界シェア65%を占める「タツノ」。2012年から横浜工場内にショールームを開設しています。安全に給油するための技術や環境保全はもちろんのこと、SSの歴史から最新のエネルギーの供給技術までを知ることができます。
一世紀の歴史を感じる展示
創業は1911年。これからのクルマ社会の発展を予見して、輸入車向けの計量機(給油機)製造から始まったタツノ。それまで世間では一定量の給油はできないものでしたが、1922年、日本で初めて、ガソリンを定量計測し、給油できる計量機を開発しました。この計量機は「機械遺産」として登録されています。
- レトロ計量機コーナー。時代を反映した計量機は来場者の注目を集めている
ショールームの「レトロ計量機コーナー」には、機械遺産に登録された計量機から東京オリンピックのころに使われていた計量機を展示。計量機の変遷とともに、クルマ社会の歴史を振り返ることができます。ちなみに1929年につくられた計量機は、東京都港区の三田図書館前に現在も展示されています。
安心・安全の技術や配慮が盛りだくさんの現在のSS
- 最新の「ガソリンベーパー液化回収機能付き計量機」
タツノの最新の計量機には、「ガソリンベーパー液化回収機能」を搭載しています。給油時に給油口から放出されるガソリンベーパー(ガソリンが気化したもの)をノズルで回収し、冷却してまたガソリンに戻す機構を有した装置「エコステージ」を計量機に装備できるのです。この計量機は全国に2000台以上が設置されていて、大気に放出されるガソリンベーパーがカットされるため、静電気などによる引火の危険性もなく、より安全に給油作業を行うことができます。同時に、ガソリンの独特の臭いも軽減され空気もクリーンに。放出されていたガソリンを回収して再利用するため、資源の有効利用にもつながります。このガソリンベーパーを回収して液化する技術は、タツノが世界で初めて開発。ショールームでは、液化回収のデモンストレーションも見ることができます。
- 燃料ごとに色分けされた給油ノズル
セルフ給油用の計量機には、燃料によるノズルの色分けや、静電気除去シートなど、一般の人が安全に給油できるような配慮も施されています。またタツノは「ウルトラノズル」という、非常に軽量な給油ノズルも開発。従来ノズルの約半分の重さで、女性もお年寄りも使いやすいと好評を得ているそうです。
給油時に、満タンになると自動で給油が止まる機能を「オートストップ機能」といいます。給油ノズルの先の下側に小さな穴が空いていて、ガソリンで液面が真空状態になると弁が自動的に塞がる仕組みになっています。
- 地下に埋められている燃料貯蔵タンクの実物
ショールームには、SSの地下に埋められている実物大の燃料貯蔵タンクが展示されていて、タンクに繋がる配管や油面計なども見ることができます。
海外、そして新エネルギーの計量機も
- 水素ディスペンサー。液体ではなく気体なのでLではなくkg表記
タツノは海外にも現地法人があり、多くの国や地域で、タツノの計量機や製品が活躍しています。ショールームでは、日本とは異なる、海外のSSの様子や計量機も見ることができます。また、国内の機器も、SS向けのみならずマリーナ向けの計量機、精製された燃料を貯蔵施設からタンクローリーに積む設備機器など、燃料インフラを支える数多くの機器が展示されています。
近年では、燃料電池車に高圧水素を入れる水素ディスペンサーの開発も進み、水素ステーションへの設置実績も半数以上占めているそうです。ショールームには水素ディスペンサーのほか、CNG(圧縮天然ガス)やLNG(液化天然ガス)など、新エネルギーに対応した機器も展示されていて、供給技術を学ぶことができます。
普段の給油では思いもしなかった安心安全への配慮。過去、そして未来につながるエネルギー供給の変遷、SSの勉強はもちろんのこと、エネルギー業界の今を知ることができる「タツノ横浜工場ショールーム」。随所に体験コーナーも用意されており、見て・触って・感じて学ぶことができます。年間3000人以上が訪れるというショールームは、予約をすれば誰でも見学可能です。ぜひSSとエネルギーについて学んでみてください!
(取材撮影・文:別役ちひろ 編集:奥村みよ+ノオト)
<関連リンク>
株式会社タツノ
https://tatsuno-corporation.com/jp/
[ガズー編集部]
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