安全と快適を提供すべく、限られたスペースを最大限に活用! はたらく献血バス<後編>
運転免許試験場をはじめとした、人の集まる施設で目にする献血バス。前編では配車の条件や献血バスの歴史について触れました。
後編では、献血バスの設備やメカニズムに迫ります。
引き続き日本赤十字社 血液事業本部 経営企画部 経営企画課の国吉紀和さん、東京都赤十字血液センター 事務部 総務課 主査の玉木亮さん、東京都赤十字血液センター 事業推進一部 献血推進課 献血一係長の高木啓輔さんに、疑問に答えていただきました。
献血バスにはどのような設備があるのか?
配車先で安全に、そして献血者が快適に採血を行えるよう、献血バスには多くの設備が整っています。
※献血バスの仕様は、稼働する地域の交通状況や気象環境により相違があります。
●車高調整機能付きサスペンション&油圧ジャッキ
献血バスは献血者が乗り降りしやすいよう、車高調整機能の付いたサスペンションを備えています。また、どの様な路面上でも水平を保ち、人が乗り降りする際に車体が揺れぬよう車高を固定する油圧ジャッキも装備しています。
●発動発電機&冷房用エンジン
採血用設備は電気式で、その制御もコンピューターで行われます。そのため献血バスには動力となるメインエンジンのほか、電気を供給するための発動発電機(エンジンを持った発電機)を搭載。また快適な車内環境を維持するため、冷房用エンジンも備わっています。
走行用のメインエンジンはディーゼルで、排気量は6,400cc。冷房用エンジンは小排気量のディーゼルです。共に軽油を使用します。発動発電機は動力に小排気量のガソリンエンジンを使用し、5000Wもの電力を発生させます。
燃料の異なるエンジンを搭載しているため、献血バスには軽油用とガソリン用、2つの給油口が付いています。
●外線導入装置&自動定電圧調整器&ACコンセント
配車先から電力の供給が得られる場合は外線導入装置を使用し、外部電力による採血用設備の稼働が行えます。自動定電圧調整器は安定した電力を車内に供給できるよう、外部からの電圧を100Vに調整する装置です。
●問診スペース&事前検査スペース&職員用シート(シートベルト)
運転席のすぐうしろには、問診や事前検査を行うためのスペースが確保されています。献血バスが移動する際、医師や(運転手以外の)職員が座るシートは、問診や事前検査スペース、移動スペースを確保するため、折りたたみや、回転ができるようになっています。
●採血ベッド
標準的な献血バスの場合、4台の採血ベッドが用意されています。
- 採血を行うスペースはベッドの片側に限定されてしまうため、採血する腕にあわせてベッドの頭部を変更できるようになっている
●自動天幕装置
およそ30秒で、天幕の展開&収納ができます。天幕下のスペースは受付や献血カードの発行、献血者の休憩場所として活用されます。
●ラッピング
設備ではありませんが、献血バスは一目で分かるよう、ラッピングが施されています。描かれているキャラクターは「愛の妖精 けんけつちゃん」。赤い服を着たけんけつちゃんは「チッチ」という名前がつけられています。
献血バスのトミカを見たことがあるけれど?
近年、献血バスのトミカと血液運搬車のトミカがSNSで話題となりました。
- 画像提供:日本赤十字社
これらのトミカは、献血をしてくれた人への感謝の気持ちとして進呈されたものです。過去には献血バスをモチーフとしたボックスティッシュやチョロQが進呈されたそうです。
お礼のグッズは全国的なイベントやキャンペーン開催時を除き、各都道府県の赤十字血液センターが趣向を凝らして企画、製作しています。上記のトミカは、現在では主に「群馬県赤十字血液センター」にて扱っており、Web予約を行った上で献血した人に進呈されます。詳しくは以下のリンク先に記されているのでご確認ください。
【10月18日更新】ショッピングモール献血『Web予約』受付を開始!
https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/gunma/2019/10/web-2.html
救える命を救うため、日々、全国で活躍する献血バス。その設備は献血者が不安を感じることのないよう最善を尽くされ、常にアップデートが施されています。
(取材・文・写真:糸井賢一 編集:奥村みよ+ノオト)
<関連リンク>
日本赤十字社
http://www.jrc.or.jp/
東京都赤十字血液センター
https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/tokyo/index.html
[ガズー編集部]
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