運転を楽しむためブレーキの基礎を学ぶ、HDS「スポーティ&セーフティI」<前編>
どれほど運転歴が長くともスムーズなブレーキといった苦手な操作や、せまい駐車場での縦列駐車など、避けたい状況があると思います。「苦手を克服し、不安感を取り除きたい」、「もっと運転が上手くなりたい」。そんなドライバーの声に応えるため、ホンダはツインリンクもてぎや鈴鹿サーキット含め、全国に7カ所ある「交通教育センター」でHDS(ホンダ ドライビングスクール)を展開しています。
今回はツインリンクもてぎにて催されたHDS「スポーティ&セーフティI」にお邪魔し、その内容を取材しました。
55年間、培ってきたホンダの交通教育プログラム
「ASTP(アクティブ セーフティ トレーニング パーク)」所長の小澤隆さんによると、交通教育センター、およびHDSの原点は1964年に鈴鹿サーキットで始まった「緊急自動車の高速交通安全教習(白バイ隊員に向けた教習)」にあるそうです。その後、企業や個人の求めに応えるかたちで、1978年にライダー(二輪運転者)に向けた「ホンダ モーターサイクリスト スクール」を開設。1991年にドライバー(四輪運転者)に向けた「HDS」を開設しました。
交通教育プログラムは「人に対して運転技術だけでなく、運転の心構えや周囲への心遣いなど、モラルを持ったドライバーを育成することにより、モビリティ社会で共存するすべての人の安全を目指していく」という信念の元に組まれており、これを継承しつつ交通環境やクルマの進化、受講者のニーズといった変化に則してアップデートを施しています。
ASTPで受講できるプログラムは?
ASTPはツインリンクもてぎを拠点とする、交通教育センターの名称です。各交通教育センターは、HDSプログラムやトレーニング内容をそれぞれの施設に適した内容に修正し、運用しています。ASTPは広大で設備の整ったサーキットを使用できる環境にあるため、苦手な操作の克服を目的としたプログラムから、日常の運転で起こりえるとっさの事態への対応力を養うプログラム、クルマの限界を知って一歩進んだ安全運転を学ぶ中級から上級者向けプログラムなど、幅広い層に向けたスクールを開催しています。
- ASTP専用のコースが2つ用意され、プログラム内容に応じてロードコース(本コース)やスーパースピードウェイ(オーバルコース)も活用する
1日中走行し、ブレーキへの理解を深める「スポーティ&セーフティI」
「スポーティ&セーフティI」は1日かけて行われるプログラムで、参加料金は昼食込みで22,400円です。トレーニングはコースを使用する実践的なメニューが中心となるため、受講者の服装も長そでと長ズボン、ヘルメットの着用が義務付けられています(ヘルメットは無料で貸してくれます)。
- この日の受講者は14人(男性12人、女性2人)で、最年少は31歳、最高齢は64歳。参加した動機も「運転が上手になりたいから」や「夫に勧められて」と様々
- 座学は時折、講習者に質問を投げかけながら進行する
講習はASTP屋内でのオリエンテーションと座学から始まります。インストラクターを務める氏家さんの説明によれば、「スポーティ&セーフティI」はタイヤの限界を知り、限界を越えない範囲内を意識的に使うために組まれたプログラムで、上質なドライビングに欠かせない、スムーズなブレーキの操作方法を習得することを目的としているそうです。
- インストラクターを務める氏家さん(右)と滝口さん(左)。氏家さんは元オートバイのレーサーで、その後、教習所の教習員。滝口さんは元白バイ隊員という経歴の持ち主だ
座学では主にブレーキとタイヤ(グリップ力)の関係と、グリップ力を引き出すための運転理論。理想とするブレーキのかけ方について学びます。
座学が終了したら、いよいよサーキットへと移動し、クルマを運転してのトレーニングとなります。
<後編>に続く。
(取材・文・写真:糸井賢一 編集:奥村みよ+ノオト)
<関連リンク>
ツインリンクもてぎASTP
https://www.twinring.jp/astp/
[ガズー編集部]
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