海外で見かけたちょっと懐かしい日本車 ~メキシコ編~

これまで4回にわたってお届けした「海外で見かけたちょっと懐かしい日本車」。今回はメキシコ編としてメキシコ北部、バハ・カリフォルニア州の都市、エンセナダで見かけた日本車をご紹介します。

三菱「チャレンジャー」

「パジェロ」譲りの強靭なメカニズムを採用し、1990年代半ばに登場したSUVが三菱「チャレンジャー」。現地での車名は「モンテロスポーツ(Montero sport)」です。

このクルマは地域によって「ショーグンスポーツ」だったり「パジェロスポーツ」だったり、いろいろな車名で販売されました。日本では姿を消してしまいましたが、メキシコでは今でも後継モデルがモンテロスポーツの名前で販売されています。

日産「サニー」

1990年に登場した7代目「サニー」。日本では、1993年まで生産されたのち8代目にそのバトンを渡しますが、メキシコの工場ではこの7代目が2017年まで生産され続けていました。現地での車名は「TSURU(ツル)」。

地元の工場で最近まで生産されていたロングセラーモデルだけあって、街中でよく見かけます。白いボディに黒い樹脂バンパーの営業車が並ぶ姿などは、かつて日本でもよく見かけた風景そのままです。

日産「テラノ」

日本が好景気に沸いていた1986年に登場したのが、クロスカントリー4WD(今で言うSUV)の「テラノ」。現地での車名は「パスファインダー(PATHFINDER)」です。

北米日産のデザインスタジオ「NDI」の手によるデザインは、それまでのクロスカントリー4WDとは一線を画するもので、中でもドア後方に三角形の窓を配した2ドアモデルは、泥臭さのない都会的なデザインで日本でも人気の高いモデルでした。日本ですっかり見かけなくなった人気モデルと海外で出会うのは懐かしく、そしてとても嬉しいものです。

トヨタ「セリカ」

「ちょっと懐かしい」と言うには少々ややこしいのが、この「セリカ」。160系のモデルの場合、日本ではリアハッチを持つ3ドアモデルがセリカ、写真のようなクーペモデルは「コロナクーペ」として販売されていたので、正確には「コロナクーペ(現地名セリカ)」と言った方が正しいのかもしれません。(ちなみに4ドアハードトップの姉妹車は「カリーナED」)。

4WDの設定がセリカにしかなかったためか、WRCに参戦したのも映画『私をスキーに連れてって』に登場したのもセリカで、コロナクーペはどちらかといえばレアな存在でした。いずれにしても、コロナクーペのフォルムもセリカの名前も懐かしいということで。

番外編:三菱「ミラージュ」(ティファナ)

ティファナは、アメリカとの国境に接するメキシコ北部の街です。この街の駐車場で見かけた看板に、懐かしい日本車を発見しました。下のイラストを見てください。

切れ長のヘッドライトを持つフロントマスクと全体のフォルム、フロントグリル中央のスリーダイヤを見る限り、1980年代後半に発売された三菱「ミラージュ」の3ドアモデルです。こんなところで出会うとは、実車を見るのとはまた違った感動がありました。

ちなみにスペイン語の「SALIDA」は英語の「EXIT」と同じで、「出口」を表します。またスペイン語の「ALTO」には、全く同じ発音で「止まれ」という意味と「高い」という意味があるそうですが、この場合は駐車場の出口だから「止まれ」の意。たしかに道路のいたるところにある一時停止の赤い標識には必ず「ALTO」と書いてあります。

ちなみに、スズキを代表する軽自動車「アルト(ALTO)」の名前の由来は、公式サイトによるとイタリア語の「秀でた」や「優れた」という意味だそうです。

日本とは違う名前で発売されているメキシコの日本車。見慣れた懐かしいクルマが違う名前で走っていることに、ちょっとした異国情緒を感じたメキシコの街でした。

(取材・文・写真:高橋学 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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