海外で見かけたちょっと懐かしい日本車 ~整備工場・空き地編~
これまで「東南アジア 昭和車編」「同・平成車編」をお届けしてきた「海外で見かけたちょっと懐かしい日本車」シリーズ、第3回目はちょっと嗜好を変えた「整備工場・空き地編」です。
近年、東南アジアで見かける日本車は、日本のメーカーのクルマであってもタイやインドネシアなどの現地工場で生産されたモデルも多く、中でも都市部ではその傾向を強く感じます。
タイの首都バンコクの中心部などでは、古いクルマ自体が希少な存在になってきていて、日本の旧車天国とは言い難い状況です。しかし、都市部からちょっと離れたエリアに行くと、整備工場やその周辺の空き地で古い日本車をよく見かけます。
エンジンルームをよく見ると……
周辺の木々に東南アジアを感じるタイの農村部。整備工場の片隅で見かけたのはフォード「エスコート」です。整備中なのか見捨てられたのかわからないようなたたずまいが、何とも言えない雰囲気を漂わせています。もちろん、エスコートは日本車ではありませんが、よくみるとエンジンに見覚えが……。
縦置きされた直列4気筒エンジンに「MAZDA」のロゴがありました。おそらくマツダ(ユーノス)「ロードスター」に搭載されていたB6型エンジンでしょう。エンジンルームのスペース的にも何ら問題はないし、日本でも古いボディに新しいエンジンを積んで走らせることはそれほど珍しくありませんが、それでも見つけた時にはなんだか新鮮でした。
実は、タイに限らず東南アジアの整備工場をウロウロしていると、日本車の中古パーツをよく見かけます。日本メーカーであっても、東南アジアで生産された新しいクルマが圧倒的に多くなっている都市部では、こうした状況がどうなっていくかはわかりませんが、地方都市ではまだまだ見ることができそうです。
もちろん、旅行や出張で東南アジアに行った際には、断りなしに整備工場に入ってはいけません。日本でダメなことは、現地でもダメです。
こんな賑やかなクルマも
整備工場そばの空き地にたたずむ2台のクルマは、どちらも日本車。左がトヨタ「スターレット」。賑やかなリアハッチですね。右がマツダ「ランティス」です。
日本で入手困難な“お宝”が眠っている工場も
もちろん整備工場によっては廃車寸前のようなクルマばかりではなく、お宝が眠っているところもあります。日本でも入手が難しくなりつつある1980年代~2000年前後のスポーティーモデルを数多くストックしている工場もまだまだあり、びっくりさせられることもしばしば。都市部では最新モデルが行き交う東南アジアでも、まだまだ旧車天国ぶりは健在のようです。
(取材・文・写真:高橋学 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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