一からコツコツDIY！沖縄を走る移動カフェ「はまCafe」＜キッチンカー探訪＞

今回のキッチンカーは、平成27年、沖縄でオープンした移動式カフェ「はまCafe」。オーナーの濱元洋さんがコツコツ手作りしたクルマです。自分仕様に自分の“好き”を形にしたキッチンカーについてお聞きしました。

幼い頃からクルマ好きだったという濱元さん。学生時代、ワーゲンバスの移動カフェを見かけてとても憧れたそうです。

「卒業後、一度はサラリーマンになりましたが、『何か違うことをやりたい』と思うようになり、あの移動カフェをやってみよう、と思い立ちました。クルマはもちろん、コーヒーも好きで、それなら好きなものを一緒にしてしまおう！と」（濱元さん）

単なるクルマでのコーヒー販売ではなく、おしゃれなカフェの雰囲気を丸ごと詰め込んだものに。そうした思いから「移動カフェ」と名乗っているそうです。

「予算面もそうですが、あれこれ移動販売車を調べて構造を勉強したら自分で作れそうだと思ったので一から作ってみることにしました。手作りしたことでとても愛着が湧きましたし、改修や修理もスムーズです」（濱元さん）

濱元さんが選んだ車体は、2014年式・三菱「ミニキャブバン」。県外から取り寄せ、フロントとリアはカスタムしたそうです。

「ミニキャブはロールーフですが、横から見るとボディの四角さが際立ちます。また窓ガラスの高さも揃っていて、他のクルマよりレトロ感があると思いました。他にもマニュアル車であることや、手動ウィンドウなど希望があったため、あえて低グレードモデルを探しました」（濱元さん）

車体選びからクルマ好きならではのこだわり。他の軽ワゴン車より手に入れやすい価格だったことも決め手だったとか。

塗装はプロに依頼。色はコーヒーとカフェらしさを意識し、元の白いボディとの境目が目立たないよう、色の濃さにこだわったそうです。
この時点では濱元さんはまだサラリーマンでした。内装や水回りは週末にコツコツとDIYしたそう。基本は一人で作業し、たまにお父さんにも手伝ってもらいながら延べ約一年の大作です。

まず床板を作り、シンク台にカウンターを製作。

「ステンレスのシンクになかなか穴が開けられなくて四苦八苦しました。レトロな雰囲気になるよう、シートやハンドル、ダッシュボードなどにもこだわって作ったため、通常、助手席側に販売口を設けるところ、運転席側に設けました」（濱元さん）

狭い車内をいかに広くするか、効率良く動けるようにするかなど工夫も随所に。その結果、必要な物がすぐに手が届く快適空間に仕上がっています。

2020年春、はまCafeはガレージ風実店舗もオープン予定です。

「天候に左右されず、安定した営業をしたいと思っていました。実店舗も考えましたが、クルマでないと自分らしくない。そのためクルマを建物内に入れて営業できる物件を探していました」（濱元さん）

ガレージ風実店舗も濱元さんの手作り。クルマ同様、こだわりが光ります。実店舗がオープンしても、野外での移動カフェも続けるという濱元さん。沖縄という魅力的な土地にぴったりのカフェです。

（取材撮影・文：別役ちひろ　編集：奥村みよ＋ノオト）

＜取材協力＞
移動式カフェ はまCafe
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[ガズー編集部]