<ミュージアム探訪>クルマ好きじゃなくても行きたい。アメリカの歴史が詰まったヘンリー・フォード博物館<博物館紹介編>
ゼネラル・モーターズ(GM)、クライスラー(FCA)、そしてフォードと北米の自動車メーカーの本拠地があり、自動車の街とも呼ばれるデトロイト。そんなデトロイトで外せない観光スポットが郊外にある「ヘンリー・フォード博物館」(以下、フォード博物館)です。自動車大国アメリカにおいても最大級の自動車博物館で、数多くの車両が収蔵・公開されているので見ごたえたっぷり。クルマ好きはもちろん、そうでない人も大人から子どもまで楽しめる施設となっています。
成り立ちや規模は? フォード博物館ってどんな博物館?
フォード博物館は、フォードの創始者であるヘンリー・フォードが集めたコレクションを公開するために1929年に開設。90年もの歴史があり、建物自体もアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定されているほどです。当初は時計といった身の回りにあるアメリカの文化を伝える収蔵品が中心でしたが、のちに規模を拡大して自動車文化とアメリカの歴史や文化を伝えるミュージアムとなりました。広さは屋内展示施設だけでも4万9000平方メートル。東京ドームよりも少し大きいといえば、イメージできるでしょうか。
さらには「グリーンフィールド ビレッジ」という、東京ドーム7.8個分という広大な敷地に、19世紀後半から20世紀初めの古い町並みが再現された屋外展示場も併設。トーマス・エジソンの研究所やライト兄弟の自転車屋、ヘンリー・フォードの生家や走る蒸気機関車なども保存されたテーマパークのような場所です。まるでタイムスリップしたかのような感覚で、古き良きアメリカを楽しめます。
どうしてデトロイト郊外にあるの?
フォード博物館がある「ディアボーン」という地区は、ヘンリー・フォードが生まれた場所であり、フォードの本拠地。博物館の周辺にはフォードの本社や巨大な自動車工場もあり、まさにフォードの街といっていいでしょう。
- フォード博物館のすぐ近くにあるフォード本社
どんな展示物があるの?
フォード博物館といえば何をおいても自動車。とはいっても、博物館の名前からすれば意外ですが、展示車両はフォードに限りません。GMやクライスラーなどアメリカの他メーカーはもちろん、欧州や日本メーカーのクルマも展示されています。
- もちろんフォード車もたくさん展示されている
ただし、アメリカの文化を紹介することをメインにした施設なので、市販車はアメリカで販売されていた車両が中心となります。
数多くの鉄道車両など、クルマ以外の移動手段も展示。写真右の巨大な蒸気機関車には圧倒されます!
飛行機まであります。国土の広大なアメリカでの移動は、飛行機が欠かせませんからね。
アメリカの文化や歴史も学べる
館内の展示は移動手段だけではありません。アメリカの文化が学べるコーナーも。
かつてのアメリカの家庭の様子や住宅を再現した展示があるほか、アメリカの工業製品もズラリと並んでいます。写真奥には大型農業機械もたくさんありました。
キャンピングカーも!
アメリカの自動車文化と言えば、オートキャンプ。こちらはその変化を振り返る展示です。
ドライブスルーやモーテルなど、モータリゼーションの発展とともに生まれた文化を紹介。1960年代頃の様子で、まさに映画『アメリカングラフィティ』の世界ですね。
- ドライブの必需品の変化を説明するディスプレイ。地図は紙のロードマップからカーナビへ変化し、音楽はスマホ(展示はiPod)やサテライトラジオで聴くようになりました
フォードF150の車両組み立て工場見学もできる
この博物館の特徴のひとつが、自動車の生産ラインを見学できること。
しかも製造しているクルマがなんとも偉大。アメリカ最多販売車種で2019年に約90万台がユーザーの元へ届けられた「F150」です。53秒に1台のペースでトラックが作られて行く様子は圧巻です!
工場内は撮影禁止ですが、見学コースから見える風景から敷地の広大さが分かります。たくさん立っている煙突もふくめ、見渡す限りがフォードの工場施設。この工場は、自動車製造に使う鉄からガラスやゴムなど素材まで、敷地内で内製しているのも特徴です。
どうやっていくの? 入場料は?
フォード博物館の最寄りの空港は、「デトロイト・メトロポリタン・ウェイン・カウンティ空港」。日本からも直行便が飛んでいます。
フォード博物館は空港からデトロイトのダウンタウンへ向かう途中にあり、クルマだと20分ほど。レンタカーもしくはタクシーで向かいましょう。
入場料は、フォード博物館の屋内展示だけの場合は25ドル。グリーンフィールド ビレッジが28ドル、工場見学(ファクトリーツアー)は19ドルです(2020年3月末現在)。セット料金もあるのでまとめると割安になるほか、事前にオンラインで購入すると割引を受けられます。
自動車だけでなくアメリカの文化や歴史も学べる「フォード博物館」。クルマ好きが楽しめるのはもちろん、訪れる人の心をノスタルジックな気分で満たしてくれる、そんな施設です。
次回は、フォード博物館の展示車両について紹介します。
(文:工藤貴宏 編集:奥村みよ+ノオト)
<関連リンク>
ヘンリー・フォード博物館
https://www.thehenryford.org/
※ 新型コロナウイルスの影響により、公開時(2020年4月5日現在)は休館されています。施設の再開日程、詳細については公式HP(https://www.thehenryford.org/)をご確認ください。
[ガズー編集部]
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