新サーキット「つくるまサーキット那須」はダート&オンロードに対応!
- (画像:SUNRISE CIRCUIT)
クルマ好きなら愛車で全開走行したいと思ったことがあるはず。しかし、当たり前ですが公道には制限速度が設定されています。そこで自動車愛好家が集う場所がサーキットです。日本全国には、富士スピードウェイや鈴鹿サーキットのような国際格式のコースからミニサーキット、ダートコース、ジムカーナ場……、さらにカートや2輪の専用コースも含めれば、数え切れないほどサーキットがあります。
特にミニサーキットは、「本格的なモータースポーツは敷居が高いけど、思う存分愛車で駆け抜けたい!」というユーザーにぴったり。大きなサーキットに比べてライセンス取得の手間もかからず、速度域も低いので、安全に全開走行が楽しめることから人気を集めています。
今年3月、新サーキットがオープン!
そんな手軽さが魅力のミニサーキットが今年3月、栃木県那須塩原市にオープン。それが「GR Garage宇都宮つくるま工房 つくるまサーキット那須」です。7月4日(土)にトヨタモビリティ東京の新型ハリアー試乗会がここで開催されたので、試乗と同時にこの新しいサーキットについて調査してきました!
つくるまサーキット那須は、関東を代表するダートトライアルコース「丸和オートランド那須」の一部を舗装化し、新しく誕生したオンロードコースです。 「なぜ歴史のあるダートトライアルコースをオンロードコースに?」と気になる方もいるでしょう。そこで、つくるまサーキット那須を運営するSUNRISE CIRCUIT代表・坂本さんにその狙いを聞いてみました。
- ダートコースの丸和オートランド那須を全面改修し、舗装化してオンロードコースに生まれ変わった「つくるまサーキット那須」
歴史あるダートコースをリニューアルした理由
――なぜダートトライアルコースをオンロードコースに変更したのでしょうか?
丸和オートランドは、私の父が立ち上げたサーキットです。しかし、ダートトライアルの競技人口も減少して、運営が難しくなってきました。そこで舗装化に踏み切ったというのが本音です。ただ、自分も丸和オートランド那須で育ち、ダートトライアル競技をしてきたので、ダートコースを残したいという想いがありました。そこでユーザーの多いドリフトも受け入れることができ、なおかつダートも残したコースができないかとリニューアルを計画しました。
- つくるまサーキット那須を運営するSUNRISE CIRCUIT代表の坂本さん。丸和オートランド那須の代表を父に持ち、ダートトライアル競技が大好き
――トヨタカローラ栃木にネーミングライツを相談したそうですが、その経緯は?
丸和オートランド那須の舗装化を考えているときに、父の代から親交のあったトヨタカローラ栃木の喜谷社長にいろいろと相談しました。喜谷社長とは、ドライビングパレット那須(隣接するジムカーナ場)を作る時からのお付き合いで、「クルマ好きな子どもを増やしたい」「モータースポーツを盛り上げたい」という目的から18歳以下限定のサーキットイベント「140ATアカデミー トライアル」も一緒に開催しています。そんな中でネーミングライツも相談したところ、「ぜひ一緒に盛り上げましょう!」と「GR Garage宇都宮つくるま工房 つくるまサーキット那須」という正式名称に決まりました。
コースデザインは山野哲也さんが担当
――舗装化に伴い、コースデザインでこだわった部分はありますか?
タイムアタックやドリフトといった舗装路を使った競技と同時に、ダートトライアルやラリークロスのような未舗装路を使った競技もできることですね。ダートトライアルは、JAF規定で2割まで舗装路を走行できます。2kmのコースなら400mまで舗装路が許されているわけです。そこで未舗装のエスケープゾーンを使い、舗装路をまたぐような形でダート競技もできるコースデザインにしています。
ちなみにコースデザインは、レーシングドライバー・山野哲也さんにお願いしています。レーシングパレット那須のデザインも山野さんにしてもらっていますし、レースやジムカーナはもちろん、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム参戦経験もあるので場数が段違いで、ドライバーの成長につながるコースを作ってくれる人だと信頼しています。
- コース全景。パドック側に約1kmのターマックコース(舗装路)、奥側にグラベルコース(未舗装路)があり、オンロード・オフロードどちらも楽しめるコースになっている(画像:SUNRISE CIRCUIT)
――新サーキット「つくるまサーキット」としてのメインターゲットは?
まずは、ドリフトユーザーに活用してもらいたいですね。もちろんドリフトに限らず、タイムアタックやジムカーナ、ダート競技、今回のような試乗会まで、幅広いユーザーに利用してもらえればうれしいです。ターマックコースは約1kmでフラットな路面なので、誰でも楽しめます。コース幅は10m(メインストレートの一部は14m)、メインストレートは250mです。
また、サーキット未経験の方のためにレンタル車両も用意しています。サーキット走行って準備が大変ですよね。そこで、気軽に体感してもらえるように、ロールケージやアンダーガードを装着してダートも走れるヴィッツのレンタル車両を制作しました。初めてのサーキット走行のお手伝いもしますよ!
- レンタル車両のヴィッツ。1300ccのATで、ロールケージやアンダーガードを装備。ダートも走れる車両になっている
GRガレージドライバー水谷選手のインプレッションは?
今回のトヨタモビリティ東京のハリアー試乗会には、GRガレージ東京ドライバーの水谷大介選手も参加していたので、つくるまサーキットの印象を聞いてみました。
「舗装もきれいだし、コーナーのバリエーションも豊富なのでインプレに最適。コースレイアウトの自由度が高いので、ドリフトなら振り回せて楽しそうですし、グリップの練習にも適していると思います。コースとしては、2速と3速で悩むコーナーが多いので、攻略する楽しさがありますね。あとは景色がいいので、走っていて気持ちいい! 外周からコース全体が見渡せるので、イベントも開催しやすそうですね。うちではラリーチャレンジにも力を入れているので、次はダートコースも試してみたいかな」
- 水谷選手はGRガレージ東京の社員ドライバーとして86/BRZレース・プロフェッショナルシリーズに参戦中。2019シーズンは、富士で優勝を飾り、シリーズランキング5位と大活躍
- 今回は、新型ハリアー試乗会ということで、フルモデルチェンジしたばかりのハリアーでインプレを実施
将来的な展望とモータースポーツへの想い
ここからは再び代表の坂本さんにお話を伺っていきましょう。
――将来的にどんなサーキットにしていきたいと考えていますか?
自分がダート競技出身なのもあって、ドリフトやタイムアタックからダートトライアルに興味を持ってくれる人が増えたらうれしいですね。ダート競技には、未舗装路を全開で走る非日常があります。そんな非日常を体感してもらい、楽しむ人を増やすことが目標です。
その一環として、舗装路と未舗装路をミックスしたラリークロス競技に力を入れたいと考えています。いずれは大きな大会を誘致したいですが、まずはつくるまサーキット那須として年1回ラリークロスの大会を開催したいですね。
――そのほかイベントやレースの予定はありますか?
丸和オートランド那須の時代から開催している「丸和カップ」は今後も継続していきます。そのほか、年末にドリフトコンテストも計画中です。D1ドライバー・藤野秀之選手に相談にのってもらいながらコースレイアウトも考えているので、ドリフト好きの方も期待していていただきたいです。
ちなみに、舗装路のみを使う場合は「つくるまサーキット那須」、未舗装路も使うダート競技では「丸和オートランド」と呼びます。丸和オートランド那須がなくなったわけではなく、利用方法によって使い分けていきます。完成したばかりなので、とりあえず走ってみてダメ出ししてくださいね。一緒にいいサーキットを作っていきましょう!
- 「ユーザーと一緒に考えながら、より良いサーキットに成長させます。走らなくても観光がてら気軽に立ち寄ってくださいね」と坂本さん
ドリフト、タイムアタック、ジムカーナ、ダートトライアル、ラリークロスと自由自在に使える新サーキット「つくるまサーキット那須」。アクセスもいいので、経験者はもちろん、サーキット初心者も「走り」が好きな方は、ぜひ一度訪れてみてください!
<関連リンク>
GR Garage宇都宮つくるま工房 つくるまサーキット那須
https://sunrise-circuit.jp/index.htm
トヨタモビリティ東京
https://www.toyota-mobi-tokyo.co.jp/
トヨタカローラ栃木
https://www.corolla-tochigi.co.jp/
(取材・文・写真:三木宏章 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
あわせて読みたい!
最新ニュース
-
-
「GT-R」の技術が注ぎ込まれたV6ツインターボ搭載、日産『パトロール』新型が中東デビュー
2024.11.22
-
-
-
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
2024.11.22
-
-
-
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
2024.11.22
-
-
-
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
2024.11.22
-
-
-
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
2024.11.21
-
-
-
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
2024.11.21
-
-
-
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
2024.11.21
-
最新ニュース
-
-
「GT-R」の技術が注ぎ込まれたV6ツインターボ搭載、日産『パトロール』新型が中東デビュー
2024.11.22
-
-
-
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
2024.11.22
-
-
-
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
2024.11.22
-
-
-
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
2024.11.22
-
-
-
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
2024.11.21
-
-
-
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
2024.11.21
-