乗り込む前にはしっかり換気を! 夏だから知っておきたいエアコンの快適な使い方
夏のクルマ移動で欠かせないアイテムがエアコン。エアコンは温度を下げるだけでなく、除湿(湿気を減らす機能)によって快適性を高めてくれるものですが、気温が大きく上昇する夏はちょっとしたコツを知ることでより快適に過ごすことができます。今回は、夏だからこそ知っておきたいエアコンの上手な使い方を紹介しましょう。
オートエアコンとマニュアルエアコンは何が違う?
冷却されたエアコンガスが空気の熱を奪うことで、空気を瞬時に冷やすのがエアコンの原理。クルマによって「オートエアコン」と「マニュアルエアコン」がありますが、異なるのは快適に自動調整してくれるか、そうではなく手動調整が必要となるかです。
オートエアコンは「AUTO」にして好みの温度だけ設定すれば、あとは状況に合わせてクルマがエアコンの働きを自動切り替え。一方、マニュアルエアコンは風の冷たさや風量、風が吹き出す場所などを調整しなければいけません。操作性や快適性でいえば断然オートエアコンに軍配が上がります(オートエアコンでも好みに応じて手動切り替えもできます)。
余談ですが、欧州車のごく一部などでは、温度調整のみ自動調整で風量や風向きは自分で設定する「セミオートエアコン」も存在します。
夏にエアコンを効率よく使うためのひと工夫
夏のドライブでもっともエアコンに頑張って欲しい(強い効きが欲しい)時は、炎天下でクルマに乗り込んだ直後ではないでしょうか。炎天下に駐車したクルマの車内温度は55度(ダッシュボード表面では75度)をも超えるというJAFの実験データもあり、とにかく車内は熱いのです。
そこでできるだけ素早く車内を快適な温度に下げたいところですが、そこまで高温になった車内温度はエアコンをオンにしてもなかなか下がりません。そこでやるべきは、まず車内の温度をできるだけ下げること。冷やす空気と冷やしたい温度の温度差を減らすことで、エアコンの冷却効率を高めるというわけです。
ドアを開けて換気するのが一般的(複数のドアを開けて風を通すのがコツ)ですが、もうワンランク上のテクニックもあります。それは、運転席か助手席一方の窓を開けて、逆側のドア(こちらの窓は開けない)を5回ほどパタパタと扇ぐように開け閉めして車内の空気を入れ換えること。
ドアを閉める際に空気を押し出すと同時に、車外の(車内よりは温度が低い)空気が車内に入るので効率よく車内の空気温度を下げられるというわけです。
空気を入れ替えたらエアコンを作動させますが、その際もコツがあります。それはエアコンの風の向きを自分へ向けたい気持ちをグッとこらえて、上へ向けること。暑い空気は上にたまりやすいので、冷気は上に送ったほうが効果的に室内温度を下げることができるからです。とはいえ気持ち的には顔や体を冷やしたくなりますから、1か所の吹き出し口を自分自身に向け、それ以外を上に向けるといいかもしれません。
その際、車内よりも車外の空気の方が温度が低い場合は、エアコンのモードは内気循環ではなく外気導入とした方が効率は良くなります。内気循環とは車内の空気を循環させるもので空気の入れ換えは行われないモード。一方、外気導入は外の空気を取り込む運転モードです。
暑いときは内気循環が基本だけど……
ところで、オートエアコンの設定温度はどのくらいにすると燃費にとってベストなのでしょうか。自動車メーカーにエアコンを供給しているマレリ株式会社(旧カルソニックカンセイ株式会社)が2017年に発表したレポートによると、「内気循環の場合は日本車で25℃、欧州車は22℃がもっともエネルギー効率がいい」そうです。
夏にエアコンを使う際、効率が良いのは「外気導入」ではなく「内気循環」を使うこと。外の熱い空気よりも冷えた車内の空気を冷やす方が使用するエネルギーが少なく済むからで、燃費もよくなるし、エアコンの冷却能力が低めのクルマでも車内の温度が下がりやすいからです。
ただし今(2020年7月27日現在)は、新型コロナウイルス感染予防のために複数の人がクルマに同乗するときは充分な換気が推奨されています。その場合は窓を少し開けるとともに、内気循環ではなく外気導入を積極的に活用することがおすすめです。
ハイブリッドカーはエアコンも違う
最後に、ハイブリッドカーのエアコンの話もしましょう。実は同じ車種でも、ガソリン車とハイブリッド車ではエアコンの仕組みが違います。通常のエアコンはコンプレッサーという機械を作動させるためにエンジンの力を使います。しかしその方法だと、ハイブリッドカーではエンジンを止めて走る状況でエアコンが効かなくなるので快適ではありません。
そこで多くのハイブリッドカーは、電動式のコンプレッサーを組み合わせてエンジン停止中もしっかりと冷気を吹き出すように考えられています。
オートエアコンとマニュアルエアコン、ハイブリットカーとそれぞれ違いはありますが、使い方によって効率的に車内温度を下げることができます。暑くジメジメと湿気の多い夏を快適に過ごすために、クルマのエアコンの使い方にもひと工夫してみてはいかがでしょう。
(文:工藤貴宏 編集:奥村みよ+ノオト)
[ガズー編集部]
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