常時5台&1年程度で乗り換え!「クルマ買う系YouTuber」がクルマを買い続けるワケ

カーライフへの考え方は、人によってさまざまです。1台の愛車を長年にわたり丁寧にケアしながら乗り続けるのもよし、セカンドカーやサードカーも手に入れながら、目的に応じて使い分けるのもよし。クルマとの過ごし方に正解はありません。中には複数台を所有して、短期間で乗り換えていく人も。

「クルマ買う系YouTuber」として活躍しているドラヨスさんも、複数台を短いスパンで乗り換えるひとり。常時5台のクルマを所有して、1年程度で買い替えていくスタイルでYouTubeを運営しています。

  • ドラヨスさんのYouTubeチャンネル「クルマ買う系チャンネル『ワン速Tube』」。登録者数12万人以上を誇る

2020年9月末現在、トヨタ新型「ハリアー」、レクサス「RX300」、マツダ「MAZDA3 SKYACTIV-X」、メルセデス「CLA200dシューティングブレーク」、ホンダ新型「フィット」を所有。さらに複数のクルマの納車待ちしているとか。今後も今後も「日本の基幹産業であるクルマが一台でも多く売れる世の中に」という想いを胸に、率先してクルマを買っていきたいと話してくれたドラヨスさんに、これまでの歩みや自身の思いを聞きました。

「セカンドカーを買ってもいいかも」と自分に許容してみる

現在は、専業ブロガー&YouTuberとして活躍するドラヨスさん。幼い頃から親の影響もありクルマに憧れていたドラヨスさんは、中学時代からモーターショーにもよく通っていた少年でした。それから十数年後、社会人になり最初に手に入れたフィットを購入した当時は「ただ走れればいいと思っていた」と話します。

「最初のフィットを購入した当時は、クルマ自体へのこだわりがそんなに強くなかったですね。仕事のかたわらでドライブにはよく行っていて、年間2万kmは走るほどでしたが、2台目もフィットを購入しようと思っていました。でも、ちょうどその頃に友だちから『一度は輸入車を試乗した方がいい』と言われて、フォルクスワーゲン『ゴルフV(ファイブ)』を選んだことで、クルマによってこんなにも走りや質感が違うのかと驚きました」(ドラヨスさん)

その後、2011年にみんカラで『ゴルフから(レクサス)CT200hへ』というブログを始めたのが現在の活動につながるきっかけに。2013年に自分のブログ『ワンダー速報』を開設してから、今のような複数台を乗り継ぐスタイルになっていきます。そして、読者からの反響が多くなると、会社を辞めて独立。2018年からYouTubeチャンネルを開設し、現在に至ります。

  • ドラヨスさんが2013年に立ち上げた自主ブログ「ワンダー速報」。月間140万PVを超えるほど人気

ブログやYouTubeを展開させるにつれて現在のスタイルを確立していったドラヨスさん。気になるその愛車遍歴は?

「ふたたび時間をさかのぼりますが、2011年にみんカラでブログを立ち上げた当時は、先ほどのタイトルのとおりレクサスCT200hに乗っていました。ブログを立ち上げたあともしばらくはその1台のままで、それからレクサス『IS300h』に乗り換えました。複数台を持つスタイルになったのは、2014年にデビューしたレクサス『NX』を購入した時からです。NX自体はプロトタイプが発表された当時から『このデザインなら買いたい』と憧れていた1台だったのですが、IS300hも納車から1年ほどだったので『セカンドカーを持つ可能性を自分に許容してみよう』と思ったのがきっかけでした」(ドラヨスさん)

この時、駐車場が自宅に1台分しかなく、「運良く近隣で借りれたのもラッキーだった」と語ります。

「振り返ると、この時が今もある『クルマを買う』というキャッチフレーズが根付いた出来事だった気がします。そこから2015年〜2017年頃までは3台体制でクルマを持つようになり、現在のスタイルになったのは2018年にYouTubeを開始したのがきっかけでした」(ドラヨスさん)

「クルマを買う」ということはエンターテインメントだ

複数台を乗り継ぐというスタイルを貫いている一方で、みずからの生活をネット上で積極的に発信しているドラヨスさん。その背景には、“クルマというコンテンツ”の力を信じる、ドラヨスさんなりの姿勢も垣間見えます。

「みんカラでブログを始めた当初は、今も続いているクルマのレビューが中心だったのですが、当時はそのような情報発信をしていた人が少なかった印象もあります。その後、自分でブログを立ち上げてからは、だんだんと同じような手法で発信を始めた人たちも増えてきましたが、それでは読者にとってコンテンツが均質化されてしまうと考えたので、誰もマネできない個性として『あり得ないくらいクルマを買う人』になろうと決めました」(ドラヨスさん)

友達や家族など、誰かから「クルマを買ったよ」という話を聞くと、「何を買ったの?」と聞いてみたくなるものです。誰しもが惹きつけられる「クルマを買う」ことに対する興味は、エンターテインメントになるのではないかとドラヨスさんは見出します。

「どうせやるならば『何なんだコイツ?』と言われるくらい突き抜けようと、本気でYouTuberになる覚悟を決めました。『クルマ買うチューバー』を名乗るようになってからはふっ切れて、さらに増車することにしました」(ドラヨスさん)

  • ブログやYouTubeを通してユーザー目線に重きを置いた徹底したレビューを配信

クルマを買う消費者の目線でレビューするスタイルのドラヨスさんのコンテンツ。みずからの経験をたよりに、複数台を所有するメリットについても解説します。

「YouTuberでもなければ5台も所有する意味はありませんが、現実的にセカンドカーやサードカーまでの範囲であればメリットもあります。例えば、走行距離を分散できることも、そのひとつです。1台で10万kmを超えるぐらい走るのであれば、通勤用やレジャー用などで使い分ければ、それぞれのクルマに対する負担も減らせます。また、これは短期間で乗り換えることも含めてですが、限られた人生の中でいろいろなクルマに乗れることの楽しさも大きなメリットですね」(ドラヨスさん)

「もちろん1台を長く愛するのも素晴らしいのですが」と前置きした上で複数台所有のよさを語ってくれたドラヨスさん。でも、ドラヨスさんが複数台所有をみずから体現するのには、クルマ業界の将来を考えた、こんな思いがありました。

「すべての人が1台を長く愛するスタイルになったら、クルマ業界が衰退してしまいます。人生が80年だと仮定したら、5〜6年で乗り換えるとして、あと何台のクルマに乗れるでしょう? 多くの人がもっと気軽にクルマを買い替えていければ、日本の基幹産業であるクルマ業界を支える手助けにもなるし、買った本人もうれしい。実際、僕のブログやYouTubeを見て『クルマを買いました』というありがたい声もいただきますし、自分自身もクルマをバンバン買うことで『クルマってもっと気軽に買い替えてもいいんだ』ということを示していければと思います。1台のクルマを長く愛する人がいる一方で、こういうバカが日本に一人くらいいてもいいんじゃないかと」(ドラヨスさん)

一部のユーザーからは「クルマに対する愛情がない」という批判の声も届くと言いますが、それでもなおドラヨスさんは「もっと気軽にクルマを買い替えることを文化にしていきたい」とみずからの思いを打ち明けてくれました。今後、YouTube上でのメンバーシップ機能を活かしたクローズドのコミュニティ作りに力をそそぐ構想もあるそうで、今後の展開に期待もふくらみます。

<関連リンク>
YouTubeチャンネル「クルマ買う系チャンネル『ワン速Tube』」
https://www.youtube.com/channel/UCo150kMjyLQDsLdudoyCqYg
ブログ「ワンダー速報」
https://wansoku.com/
Twitter「ドラヨス@ワンソクTube クルマ買う系YouTuber&ブロガー」
https://twitter.com/phoshiaki

(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:ドラヨス 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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