昭和のクルマが120台!規模縮小でも大成功の「青梅宿懐古自動車同窓会2020」

11月21日(土)、昭和レトロの雰囲気が残る東京都青梅市に、たくさんの旧車がやってきました。目指す目的地は、永山公園総合運動場。ここで、「青梅宿懐古自動車同窓会2020」が開かれたのです。

今年は新型コロナウイルスの影響から多くのイベントが中心や延期となり、この青梅宿懐古自動車同窓会の主催者も同様の検討を繰り返したと言いますが、安全に実施できる方法を模索し、開催が実現しました。

  • 会場を埋め尽くす国内外の旧車たち

例年と1つだけ違うこと

1996年から年1回の開催で続いてきた、青梅宿懐古自動車同窓会。今年は開催を決断したとはいえ、例年通りとはいきませんでした。このイベントはこれまで「青梅宿アートフェスティバル」の一貫として行われていたのですが、青梅宿アートフェスティバルが開催中止となったからです。

  • 青梅は昭和レトロな風情が残る街として知られる(写真:木谷宗義)

しかし、もともと会場を押さえてあったこともあり、「それならば規模を縮小してやろう」と小規模での開催を決断。それでも口コミで広がり、参加車は120台にのぼりました。開催にあたり、会長の松永栄さんは10月25日に開催されたトヨタ博物館のクラシックカー・フェスティバルに参加。その感染症予防対策をつぶさに観察して、参考にしたと言います。

ちなみに松永さんは、2017年から会長を務めているのですが、このイベントに出たくてトヨタ「スポーツ800」を購入し、旧車の世界に入ったそう。現在は、初代「シルビア」や「ジムニー」なども所有されているそうです。

  • 「ヨタハチ」の愛称で親しまれたトヨタ「スポーツ800」

懐古自動車に残る当時の面影

ここからは、会場に集まった主役たち、懐古自動車の数々を見ていただきましょう。参加資格は「昭和のクルマであること」。つまり、1989年までに製造販売された2輪4輪を含めた国内外の車両、並びに一部主催者が参加を認めた車両となっています。

国産車、ヨーロッパ車、アメリカ車が勢ぞろいし、当時のままの姿を残しているクルマや思い思いにカスタマイズされたものなど、さまざまなクルマが見られました。

  • 日本の自動車普及に大きく貢献したスバル「360」

  • 今回のイベントの中では比較的新しい1980年代のホンダ「トゥデイ」「シティ」

  • 1960年代のアメリカ車。日本で初代「カローラ」が登場した頃のクルマ

  • トライアンフやMGなど、イギリスのスポーツカーが並ぶ

驚くのは、当時のナンバーを付けているクルマが少なくないこと。これは、当時からずっと乗られているか、ナンバーを引き継げる、同じ地域に住む方が乗り継いできたことを指しています。

  • ホンダ「Z」は、旧軽自動車ナンバーを維持

  • マツダ「コスモAP」は、「練馬56」ナンバー

細かく見わたせば、レースの純正シートカバーがかけてあったり、「EXPO85'(1985年)」のステッカーが貼られていたり、当時の雰囲気が色濃く残るものもありました。

  • リヤウインドウに「EXPO85」のステッカーが見えるホンダ「バラードCR-X」

  • 1988年に登場した日産「シルビア(S13型)」はレースのシートカバーを装着

黒いいすゞ「ヒルマンミンクス」は、当時モノのSTOPの文字が鮮やかなハイマウントストップランプを装備。もともと付いていたものではなく、オートジャンブルにて手に入れたそうです。ただし、色が緑なので普段は使えないとのことでした。

  • 「STOP」の文字が入る当時のブレーキランプ。色が緑なので現在は使えない

  • 「ヒルマンミンクス」は、ルーツ自動車と提携したいすゞ自動車がノックダウン生産した乗用車

また会場には、多くの2輪車も参加をしており、懐かしい姿を見せてくれました。50代以上の方は、こちらのスクーターに見覚えがあるのではないでしょうか? 筆者も思わず「おお!」と感嘆の声を上げてしまった1台でした。

  • 昭和50年代によく走っていた原付きバイク、ヤマハ「パッソル」

今後のカーイベントを開催していく上でのひとつの指針となるべき方向性

青梅宿アートフェスティバルの中止により、青梅市や観光協会のタイアップこそなくなった懐古自動車同窓会2020でしたが、集まった参加者の顔はどれもこの日の天候と同じく晴れやかでした。「うちのイベント、アットホームでいいでしょう? できる限り続けていきたいですよね」と松永さん。この言葉にこそ、このイベントの主催者そして参加者の本音がある気がします。

(取材・文・写真:きもだこよし/編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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