コバライネンは86で参戦! ラリーにも挑戦したF1ドライバーたち

今シーズンのF1開幕戦(バーレーンGP 3月28日決勝)まであとわずか。世界最高峰の自動車レース、F1世界選手権は世界中で人気の高いモータースポーツです。わが国でも毎年日本GPが開催されていますので、その迫力ある走りを生で観戦したことのある人もいるでしょう。

生粋のレーシングマシンで繰り広げられるF1の舞台に立つのは、世界の頂点を競うひと握りのドライバー。その実力は、マシンや路面を選ばず、中には競技スタイルが対極と思えるラリーやオフロードレースに出場する選手もいます。そこで、ラリーにもチャレンジした、ハイブリッドなF1ドライバーたちを紹介いたします。

ラリージャパンも走った! キミ・ライコネン選手

  • 「アイスマン」のニックネームをもつキミ・ライコネン選手は来日時にも常にクールな雰囲気

2007年にフェラーリでF1王者に輝いたキミ・ライコネン選手は、2009年から3年間だけラリーに参戦しました。2010年は、シトロエンジュニアチームでWRCへもシリーズ参戦。もちろん、この年に開催されたラリージャパンにも参戦していましたので、クールなF1チャンピオンも北の大地を激走しました。

当時、最強のチャンピオンと言われたセバスチャン・ローブ選手、現世界チャンピオンのセバスチャン・オジエ選手、そして元F1チャンピオンのキミ・ライコネン選手が、同じシトロエン「C4 WRC」で揃って参戦したラリージャパンは、今考えるととても贅沢な大会でした。

シトロエン「C4 WRC」を駆るキミ・ライコネン選手。パートナーはかつてトミ・マキネン選手のコ・ドライバーも務めたカイ・リンドストローム選手

ヘイキ・コバライネン選手は新井敏弘選手との対決も!

  • 国内ラリーへの参戦経験も豊富なヘイキ・コバライネン選手

日本のスーパーGTでの活躍も印象深いヘイキ・コバライネン選手も、元F1ドライバーにして実はラリー参戦も豊富なドライバー。全日本ラリーや、2019年に開催されたセントラルラリー愛知・岐阜にも参戦しています。

2018年には、福島県のエビスサーキットで行われたジャパンラリークロスにも参加していて、トヨタ「ハイラックス」によるエキシビションマッチでは、「世界のアライ」こと新井敏弘選手をおさえ、見事優勝しています。

  • 2018年のジャパンラリークロスでのエキシビションマッチでも優勝。写真は黒がヘイキ・コバライネン選手、追う赤のハイラックスが新井敏弘選手

ちなみにキミ・ライコネン選手もヘイキ・コバライネン選手も、フィンランド出身のドライバー。ラリー人気が高く、多くのWRCチャンピオンを輩出しているフィンランドですから、2人にとってもラリーは子どもの頃から身近かつ憧れのスポーツだったのかもしれませんね。

ジェンソン・バトン選手はメキシコ「バハ1000」に出場

  • 半世紀以上の歴史を誇るメキシコのオフロードレース、バハ1000に参戦したジェンソン・バトン選手。陽気なお祭りムードの中終始リラックスした雰囲気

日本での人気も高い元F1王者、ジェンソン・バトン選手。日本のスーパーGTでもチャンピオンを獲得しているバトン選手は、ラリーではありませんがメキシコで開催されている伝統のオフロードレース「バハ1000」の2019年大会に出場しています。

1/1000秒を争うサーキットレースとは違うピリピリ感は皆無で、お祭りムードいっぱいの会場では、終始リラックスした雰囲気でレースを楽しんでいたのが印象的でした。

  • ブラウンGPのF1マシンを彷彿させる白×黄×黒のマシン

ちなみに、現在TOYOTA GAZOO RacingよりWRCに参戦中の日本人ドライバー、勝田貴元選手もラリードライバーとして活躍する前は、全日本F3選手権にトムスから出場していました。

勝田選手は、初戦モンテカルロラリーで自己最高位の6位と上々の滑り出し。今年のWRC最終戦は日本での開催が予定されていますので、世界最高峰の舞台で戦う勝田選手の祖国での走りをぜひ見てみたいものです。

  • 全日本F3に出場していた頃の勝田貴元選手(右)。隣は全日本ラリーの現チャンピオン新井大輝選手。スバルのスーツに記されているダニエル・バリットの名は、かつての新井敏弘選手、現在の勝田選手のコ・ドライバー

(取材・文・写真:高橋学/編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

コラムトップ