妊婦の心理や陣痛周期まで! 助産師の研修を受けたドライバーが対応「ママサポートタクシー」
出産予定日が近付いてくると、いつ陣痛が来るのかと不安になるもの。そんなときに心強いのが、第一交通の「ママサポートタクシー」です。妊娠中の定期健診、陣痛が始まってからの送迎、赤ちゃんの急な発熱など、妊娠中から子育て中のママをサポートするサービスです。第一交通産業グループ交通事業部の今吉靖治(いまよしやすのぶ)さんにお話を伺いました。
妊娠中の心身の変化や陣痛の周期まで、ドライバーが助産師から学ぶ
福岡県北九州市に本社を構え、全国にタクシー営業所を展開する第一交通産業グループは、「総合生活産業」としてクルマにまつわるさまざまなサービスを手掛けています。その中で、ママサポートタクシーは2013年からスタート。きっかけは、タクシー内のアンケートで「妊娠中にタクシーを使いたいけれど、車内を汚したらどうしようと気を使ってしまう。乗る勇気がない」といった声から。子育てをしているお母さんを応援したいという思いから始まった取り組みです。
「他社にも陣痛タクシーのサービスはありますが、当社は全国規模で営業所を構えているため、ママサポートタクシーも全国で展開できています」(今吉さん)
同サービスの特徴は、助産師からの研修を受けたドライバーが対応することです。研修の内容は、妊娠中のつわり、陣痛時の周期や痛み、妊娠中の女性の心理や敏感になるにおいなども勉強します。また、各ドライバーが妊婦ジャケットを着て、妊娠8カ月の状態を疑似体験。物を取る、階段の昇降など妊娠中のお客さまの状態を想像しながら、どういった形がクルマに乗り降りしやすいか、何に注意すべきかを学びます。
「タクシードライバーは男性が多く、自分の体で妊娠・出産を経験することがないため、妊婦さんの心理状態までしっかり学びます。また、ドライバー自身も陣痛時の対応は不安なもの。そういった不安を解消するためにも助産師の先生の指導を受けて知識をつけています」(今吉さん)
北海道から沖縄まで全国展開しているサービスのため、各営業所は地域の助産師会の先生から指導を受けているそうです。研修を受けたドライバーのみが対応しているので安心ですね。
陣痛時の臨機応変な対応。車内で出産した事例も
ママサポートタクシーには、車内に陣痛用のセットが常備してあります。陣痛の送迎では、破水の対応として座席に防水シートを敷き、その上にバスタオルを敷いてからお迎えに行くため、安心して利用できます。
今まで、車内での出産が全国で9件あったそうです。それぞれ状況は異なりますが、向かっていたかかりつけの病院ではなく近くの病院に切り替える、救急車を呼ぶなど、医師の指示を仰ぎながら対応。助産師の研修を受けていなかったら何もできなかったのでは、というドライバーの声もあるのだとか。
「陣痛時もドライバーは臨機応変に対応しています。まもなく生まれるという時、近くに消防署に入り、救急隊員に出産対応してもらった上で救急車を出してもらったケースも。機転がきいた判断で、私たちもサービスを考える上での事例として学ばせてもらっています」(今吉さん)
旅行中に産気づいて、かかりつけではない病院へ送迎した方からは、後日このようなお手紙が届いたそうです。
「まだ34週だったのですが陣痛がきてしまい、御社のタクシーを宿の方に呼んでもらいました。夜中にもかかわらず10分程度で来てもらい、車内には陣痛セットまで用意してくださり、不安でいっぱいだった気持ちが本当に和らいだのを覚えています。病院でも車いすを押して送ってくださり、ありがとうございました」(お客さまの声)
車内で出産する事例は稀ですが、妊娠中から陣痛時、産後もお世話になった第一交通タクシーへの感謝の手紙はたくさん寄せられているそうです。
悪天候や繁忙期も優先配車。妊娠中や子育てに奮闘するママもサポート
サービスの利用は、まずインターネットで無料登録を。利用対象は、妊娠中の女性、子育て中(お子さまが3歳未満)の女性。利用可能なエリアは、北海道から沖縄まで73エリアにわたります。24時間(一部地域を除く)、365日対応で、悪天候や繁忙期も優先配車してもらえます。利用料金は、通常のタクシー料金のみ。陣痛時に料金の支払いが困難な場合は、後払いでの対応も可能です。
年間登録者数は、多い年で約60,000件。ママの間での口コミや陣痛時の移動に関しての病院からの指導もあるので、サービスの認知度は上がってきています。最後に、サービスを利用されるママへの思いを伺いました。
「妊娠中や子育て中に困ることはたくさんあると思うので、第一交通グループが妊娠中・子育て中のお母さんの応援団として少しでも助けとなり、頼っていただければと思っています。ママサポートタクシーを利用したことがきっかけで、第一交通のファンになってもらえればうれしいです」(今吉さん)
家族が不在で一人の時に陣痛がきてしまった場合や夜中に子どもが急に発熱した場合など、不安な場面を支えてくれるママサポートタクシー。全国展開しているので、里帰り出産でも利用できます。ぜひ居住地や出産予定のエリアで対応可能か問い合わせてみてはいかがでしょうか。
<取材協力>
第一交通産業グループ
https://www.daiichi-koutsu.co.jp/
ママサポートタクシー
https://www.daiichi-koutsu.co.jp/taxi/mamasapo/
(取材・文:笹田理恵/写真:第一交通グループ/編集:奥村みよ+ノオト)
[ガズー編集部]
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